前日(10月11日)の市場概況

ドル/円:上値重い

 この日のドル/円は、引き続き上値が重い流れ。日経平均株価は、1996年12月以来約21年ぶりの高値を付けましたが、ドル/円の買いにはつながりませんでした。欧州時間には、米長期金利が下げたことで112.07円まで下落。しかしフィッシャーFRB(米国連邦準備制度理事会)議長が、「現在の株式市場がバブルとは思わない」と発言したこと受けてNY時間には112.58円まで戻しました。終値は112.484円(前日比+0.050円)。(チャート1)

 この日はFOMC(連邦公開市場委員会)議事録が公表。多くのメンバーが年内の利上げを支持していることが確認できた一方で、現在の低インフレが、一過性のものではなく、今後も継続する可能性があるとの指摘もありました。今後のインフレ指標の精査が必要との意見で、マーケットの利上げ期待がやや後退。NY株式市場は史上最高値を更新しましたが、ドル/円は売り買いが交錯しました。

 

ユーロ/ドル:1.18ドル半ばへ

 ユーロ/ドルは続伸。先週金曜日の米雇用統計後につけた1.1668ドルを安値に買戻しが続き、この日は1.1869ドルまで上値を伸ばしました。(チャート2)カタルーニャ自治州が、独立宣言を延期してスペイン中央政府との対話を求めたことで、緊張は緩和されました。しかし、スペイン政府が強硬姿勢に出た場合問題が拡大するおそれもあり、今後の推移を見守る必要があります。

 

ユーロ/円:2週間ぶりの高値

 ドル/円とユーロ/ドルに支えられたユーロ/円は、132.45円をこの日の安値に、9月25日以来の133.49円まで上昇。(チャート3)