今週の予想
メジャーSQを控え、2万7,000円を目指す動きとなるのか
先週は、日経平均株価の最高値更新の連続に続いて、TOPIX(東証株価指数)も年初来高値を更新。テクニカルな過熱感は出ているものの、好需給にサポートされて景気底打ちを視野に入れた物色が高まっています。
テクニカルの過熱感を見ると、日経平均は11月に入り、すでに約10%(3,700円超え)の大幅上昇となり、主要移動平均線とのプラスかい離率は25日移動平均線に対して7.5%、75日移動平均線に対して12.6%、200日移動平均線でも20.3%に達しています。新型コロナウイルスの感染拡大に、来週はメジャーSQ(特別清算指数)を控え、米国株などによる市場心理次第では、大きな調整となる可能性があります。そういう場面があれば、世界的な金融緩和でマネーがあふれている現状では、回復は早いと思われます。
来週にメジャーSQを控えており、その前に今週はひと稼ぎしたいところでしょう。先週は、2万6,500円台を上回る2万6,644円で引けており、NYダウ平均株価が堅調であれば2万7,000円をにらんだ展開が想定されます。
11月30日から12月7日にかけては約4兆円の規模とされる9月中間期の配当支払いがピークを迎えるので、再投資も活発化するものと思われます。また、来週のメジャーSQに向けて、積み上がってきている裁定売り残の反対売買で、売り方の踏み上げがこれまでのように続けば上昇要因となります。
相場は、市場関係者の見方が一致したとき、例えば現時点では日経平均が2万7,000円目標で進んだり、そうはならない場合もあります。
有力なテクニカル分析手法のフィボナッチ・リトレースメントに照らすと、日経平均は1989年12月高値(3万8,915円)から2009年3月安値(7,054円)までの下げ幅の61.8%戻しに当たります。2万6,745円が上値メドとして一部の人の間で注目されているそうです。実際、11月25日(水)のザラ場に2万6,706円まで上昇して反落となっています。果たしてどうでしょう。
ここで言いたいことは、投資というものはいくつもの見方があり、自分なりの判断を持たず、人の言うことをうのみにするのは危険だということです。
今週の指標:日経平均株価
日経平均は先週、2万6,000円台固めをした動きとなり、終値でも2万6,644円と2万6,500円台を上回って引けています。来週のメジャーSQの週は注意が必要でありますが、今週はNYダウが堅調であれば2万7,000円をにらんだ展開が想定されます。11月30日から12月7日にかけては、約4兆円の規模とされる9月中間期の配当金支払いがピークを迎えるので、再投資も活発化すると思われます。また、来週のメジャーSQに向けて積み上がってきている裁定売り残の反対売買が相場をサポートすることになります。
今週の指標:NYダウ平均株価
今週は11月26日(木)の感謝祭から本格化する年末商戦が注目となります。新型コロナウイルスの感染再拡大や追加経済対策の遅れから、消費関連指数の動きはさえませんが、コロナワクチンの開発期待が高まって、年末商戦が好調となれば、一段高が期待できるところです。
今週の指標:ドル/円
今週も新型コロナウイルスの感染急拡大を背景に、制限強化による景気減速への懸念は消えておらず、米株が下落し安全資産である米国債への資金シフトが行われた場合は、リスクオフのドル買いが見込まれます。当面は感染がさらに拡大する可能性があると警戒されています。1ドル=103~105円のレンジを想定しています。
先週の結果
NYダウの3万ドル台のせで、日経平均も2万6,644円で引ける
前週の前半に2万6,000円の大台を29年ぶりに回復。その後は目標達成感もあって下落となり、後半には日経平均で約500円程度の下げがあったことで、先週の始めにも、さらに500円ぐらい下げて2万5,000円程度ならば買いチャンスと、先週の予測では想定していました。
しかし、日本市場が連休の間に、米国株がコロナワクチン開発を好感して、NYダウが+327ドルの2万9,591ドルとなり、シカゴの日経先物が+395円の2万5,935円に。このことで、日経平均は4日ぶりの急反発で+638円の2万6,165円となり、TOPIXも年初来高値を更新しました。その後も週末の27日(金)まで4日続伸し、東京都の新型コロナウイルスの新規感染者数は過去最高を更新と伝わるものの、反応は限られ+107円の2万6,644円で引けました。金余りで需給が全ての上昇となっています。
11月24日(火):前日の米国株式がアストラゼネカ社のコロナワクチン開発と、前FRB(米連邦準備制度理事会)議長のイエレン氏が次のバイデン米政権の財務長官になることを好感し、NYダウは+327ドルの2万9,591ドルと大幅反発。このことで、日経平均は+374円の2万5,901円で寄り付き、時間外の米株先物の上昇にも支えられ、全面高となって+638円の2万6,165円と1週間ぶりの年初来高値となりました。
25日(水):前日の米国市場は、コロナワクチンの早期実用化による景気回復期待やバイデン次期米大統領への政権移行作業が正式にスタートしたことで、主要3指標そろって大幅上昇となり、NYダウは史上初の3万ドル台乗せとなりました。日経平均も+302円の2万6,468円で寄り付き、一時+540円の2万6,706円まで上昇しましたが、後場には「東京都が飲食店に午後10時までの時短要請を決定」のニュースを嫌気し、一時+92円の2万6,258円まで下げ幅を縮小しました。しかし、終値は+131円の2万6,296円と、連日のバブル後高値更新で終わりました。
26日(木):前日の米国市場は、新規失業保険申請件数が予想以上に悪化したことで、NYダウは3万ドルを割り込みました。しかし、ナスダック株価指数は3日続伸して、約3カ月ぶりの終値での史上最高値を更新しました。その後の日本市場は、日経平均は▲41円の2万6,255円で寄り付くものの、時間外の米株先物高を受けて、すぐに切り返し、後場には買い気が強まり、+240円の2万6,537円と3日連続の年初来高値更新となりました。
27日(金):前日の米国市場は感謝祭で休場だったため、日経平均も前場は利益確定売りが先行し、上下は100円程度のプラスマイナスの動きとなりました。後場になると一時+135円の2万6,672円まで上昇し、終値は+107円の2万6,644円でした。為替は時間外のNYダウ先物がさえず、ドルが売られて1ドル=103円台の円高・ドル安にもかかわらず、日経平均の上昇は違和感があります。需給のみからの上昇であり、買い遅れた人が買ってきているともいえます。違和感のある上昇は長続きするものではありませんので注意が必要です。
引け後の米国市場:NYダウは3万ドルを終値で回復できなかったものの、S&P500種株価指数とナスダックは最高値更新となりました。感謝祭の翌日で午後1時までの時短取引でしたが、コロナワクチン実用化による景気回復への期待やブラックフライデーの好調さを受けて、主要3指標はそろって上昇しました。シカゴの日経先物も+145円の2万6,775円となっていました。
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