1月の株主優待銘柄

 2021年最初の1月優待株は、月末が土日のため、権利付き最終日が1月27日(水)、権利落ち日が28日(木)、続く1月29日(金)が権利確定日です。27日(水)に優待株を買って、28日(木)まで保有すると、1月29日(金)には株主名簿に記載され、継続保有が条件の優待以外は権利を取得できます。

 新年早々ということもあり、1月の優待株は32銘柄(※)と少なく、豪華人気優待が多かった12月に比べると、銘柄も多少、小粒になっています。

 とはいえ、人気居酒屋チェーンの食事券や家電EC(電子商取引)サイトの買物券など、利用する人にとってはありがたい優待もあるので、人気集中で権利落ち後に株価が大きく下落しないかに注意を払いながら、狙いを定めて優待取得を目指したいところです。
※楽天証券 株主優待検索より

 人気第1位は住宅メーカーの積水ハウスのコシヒカリ優待。

 年1回、1月末の株主に対して5kgの魚沼産コシヒカリが贈呈されますが、1,000株保有(約190万円の投資金額)が条件でハードルがかなり高くなっています。優待品が届くのも、新米ができる10月下旬以降と長いタイムラグがあります。

 同社はコロナショックの影響で株価が下落したこともあり、年率換算で4%超の配当利回りになっています。高配当や株価の長期的上昇も狙いつつ、あくまで、その副産物として優待獲得も目指すのがいいかもしれません。

 第2位は、居酒屋チェーンの鳥貴族です。

 1月末と7月末の年2回、100株保有で各1,000円、年間2,000円分の食事優待券がもらえます。300株保有(約40万円の投資)だと年間6,000円分まで金額が増えます。

 長期継続保有の条件もないので、手数料がかさみますが、優待権利付き最終日から権利落ち日にかけて現物買いと信用売りをともに行うクロス取引(つなぎ売り)を使って資金効率よく優待を取得する戦略も有効といえるでしょう。

※つなぎ売りの注意点について詳しくは、楽天証券ウェブサイト『リスクを抑えて株主優待を獲得する「つなぎ売り」について』をご覧ください。

 第3位は、「ECカレント」など家電ECサイトを展開するストリームの自社買物割引券優待です。1月末の年1回、100株保有で1,000円分の優待割引券が贈呈され、同社子会社のサイトでポイントに交換したうえで利用できます。

 第4位ダイドーグループの自社グループ商品優待で、優待権利付き最終日は1月18日と早くなっています。半年以上の継続保有が条件ですが、なんと6,000円相当の同社飲料品やゼリーなどが贈呈されます。

 同社は昨年7月末以降、宅配コストの増加から1月末、7月末の年2回の自社グループ商品各3,000円相当の優待を1月末にまとめて6,000円相当に変更しました。変更後初の高額優待になるので、その商品内容が楽しみです。

 ただし、半年間の継続保有が優待取得の条件ですので今、株を買っても今期の優待はもらえません。

 第5位はJ-REIT(ジェイ・リート:国内の不動産投資信託)ヘルスケア&メディカル投資法人の自社施設利用割引優待。

 1月末、7月末の投資主や1~2親等の親族が、同社が保有する有料老人ホームの前払い金や入居費の割引(前払い金30万円割引から初月利用料10%割引、毎月の利用料3%割引まで各種)などの優待サービスを受けることができます。

 第6位は物置・オフィス家具メーカーの稲葉製作所です。1月末は1,000株以上(投資金額約138万円)が条件で、1,000円分のオリジナル図書カードが贈呈されます。7月末株主には100株で1,000円分の図書カードが贈られるので、1月はハードルが高くなっています。

 第7位は福岡地盤の投資用マンション開発会社、コーセーアールイーのクオカード優待です。1年以上、株を継続保有した1月末の株主に対して年1回、500円分のクオカードが贈呈されます。

 第8位は婦人服製造卸のクロスプラス。1月末の株主に年1回、100株保有の場合は小売価格3,000円相当の自社選定商品か、オンラインストアで利用できるクーポン券3,000円分が贈られます。

 同社は通常株主10名、3年以上の長期保有株主2名に、海外ファッション事情の視察ツアー目的で30万円分の旅行券を贈呈する抽選制の特別優待も実施しています。あくまで当選したらの話ですが、優待株の中でも一、二を争う豪華優待として有名です。

 以下、第9位東京ドームの施設利用券、ランク外ですが、おしゃれなカフェレストラン運営のバルニバービの食事券、ラーメンチェーン丸千代山岡家のラーメン引換券なども、一部には人気の高い優待株です。

1月は2021年の優待株の行方を占う大事な月になる!?

 2020年は新型コロナウイルス感染症の影響で優待株の多い外食・小売り、アパレル、航空業などが打撃を受けて株価も大きく下がってしまいました。持ち株が大きな含み損を抱えてしまった優待株投資家も多いと思います。

 開発されたワクチンの普及が進む2021年は、その悪影響が徐々に払拭(ふっしょく)され、人々の生活も優待株の株価も平常時に戻っていくことを願いたいものです。その意味で新年相場となる1月の株価動向は、2021年全体の株価の行方、特に優待株の底入れ復活を占う意味で重要な1カ月になるでしょう。

 株価はたえず未来を先取りして動くものです。春先以降のコロナ禍脱却が視野に入れば、これまで大きく下がっていた優待株の戻りにも期待が持てそうです。あくまで相場動向次第ですが、2021年のコロナ禍からの脱却を見据えて、新たに優待株を底値買いするチャンスといえるかもしれません。

 コロナの影響で多くの会社が優待券の使用期限を延長しているので、これまで使いきれなかった優待券の有効期限がいつまでかも同時にチェックしましょう。せっかく取得した優待券はできれば全部きっちり使い切りたいものです。

 むろん、コロナ不況からの復活が遅れるリスクなど、不確定要素はいまだ満載です。慎重に株価や業績の動向などを見極めたうえで、小出し、小出しに投資するのが賢明といえるでしょう。

1月株主優待 人気ランキング

1位 積水ハウス

優待発生金額※1:1,933,000円
積水ハウスの優待品例:
新米

順位 コード 銘柄名 優待品例 優待発生株価※1
2 3193 鳥貴族 飲食券 144,800円
3 3071 ストリーム 買物割引券 20,500円
4 2590 ダイドーグループホールディングス 自社グループ商品 5,560円
5 3455 ヘルスケア&メディカル投資法人 施設利用サービス等 127,900円
6 3421 稲葉製作所 図書カード 138,900円
7 3246 コーセーアールイー クオカード 59,000円
8 3320 クロスプラス 自社グループ商品等 82,700円
9 9681 東京ドーム 施設利用券等 681,500円
10 7590 タカショー 特別販売カタログ等 78,600円

最新の情報は、楽天証券の「株主優待検索」>

※この記事は銘柄を推奨するものではありません。
※売建可能数量や日歩は、楽天証券ウェブサイトにログインいただくとご覧いただけます。
※株主優待・配当金は各企業の判断で廃止・変更になる場合がございます。お取引にあたりましては最新の株主優待情報を各上場会社のホームページ等にてご確認ください。
※1優待発生金額 = 前営業日終値(12月3日)× 優待獲得最低株数*で計算した金額です。
※このランキングは楽天証券での保有されているお客様の人数が2020年11月25日時点で多い順番です。

「株主優待検索」のやり方

 1月の人気優待銘柄を「株主優待検索」で調べる方法を解説します。ログインは必要なく、どなたでもお使いできます。

 ※スマートフォンでお読みの方は、上記をクリックすると、「楽天証券スマートフォン専用サイトへ移動しますか?」とポップアップが出ます。「OK」をクリックしてください。スマホでも、PC版とほぼ同じ検索が行えます。
 ※楽天証券ウェブサイトのトップページから、「株主優待検索」を開く場合は、以下の通り、「国内株式 現物・信用」→「株主優待」とクリックしてください。次に、水色の文字で「株主優待検索>」と出ているところをクリックしてください。

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