今週の予想
今週は、昨日の休日に米国株が上昇したため、日経平均は2万6,000円の値固めか
日経平均株価は、先週前半に2万6,000円の大台を29年ぶりに回復し、その後は達成感や新型コロナウイルス感染者数が1日2,000人を上回る状況となり、経済活動への懸念がブレーキをかけた格好となりました。もともと上昇のスピードから言えば、いったん調整してもおかしくないところであるため、下げたところは買いチャンスとなります。下げても豊富な資金が市場に流れているので、市場心理を支えることになります。
これまで、市場への豊富な資金に支えられ、新型コロナ懸念でカラ売りが仕掛けられ、それが次々に踏み上げられて上昇してきており、予想外の上昇となっています。
現在の信用取引残高の推移を見ても、米大統領選後の株高局面でカラ売りが積み上がっており、結果的に需給の好転につながる相場は底堅いと言えます。売り方は、これまで新型コロナ感染拡大による景気悪化を前提したカラ売りですが、今後は、コロナワクチン普及によって、腰を据えて売り込みにくい状況と言えます。そのため、大きく下げれば買い戻しが入るため、買いチャンスとなります。
先週後半に約500円程度下げており、押し目買いの動きが出てくるところです。米国株が上昇すれば、再び2万6,000円の大台を目指すことになりそうですが、円高基調もあり高値圏では上値は重くなると思われます。そうなると2万5,000~2万6,000円のレンジの中で2万5,500円中心の値固めの動きが想定されます。
今週の指標:日経平均株価
今週は、国内の1日当たりの新型コロナウイルス新規感染者数が過去最大の増加となったというマイナス材料と、米国のファイザー社やモデルナ社によるコロナワクチン開発の進展というプラス材料のせめぎ合いから、日経平均は2万5,500円を挟んだもみ合いが展開されそうです。
NYダウ平均株価がさらに下落するようであれば、日経平均は2万5,000~2万6,000円のレンジ内で2万5,000円水準に接近し、NYダウが3万ドル接近なら日経平均は2万6,000円を再度試す動きとなりそうです。
今週の指標:NYダウ平均株価
目先は新型コロナウイルスの感染拡大によって、全米各地に再び規制強化が見られ、一時的に経済の回復が失速する局面もありますが、そこは買い場。来年2021年はコロナワクチン開発の進展状況から強気相場になるとの見方が多いようです。これは、まずワクチン実用化に伴い、春に向けて経済活動の再開への期待、次に米大統領選終了による速やかな追加経済対策への期待、そして中国・アジアがすでに経済回復に向かっていることなどがその理由です。目先は一服した後、年末商戦に向けて上昇を開始しそうです。
今週の指標:ドル/円
今週、ドルが伸び悩み、円の強含みとなりそうです。新型コロナウイルスの感染は、大幅に拡大しており、経済規制などの強化によって景気の減速懸念が高まりそうです。もう一段の金融緩和が観測され、長期金利が低下し株が下落すれば、ドル売りが想定されます。ただし、コロナワクチンの実用化期待がドルの上昇をサポートすることになりそうです。
先週の結果
週始めに大幅上昇し、17日に2万6,000円を29年ぶりに回復。その後3日続落
先週の予測では、目先はちょっとしたスピード調整があってもおかしくないと思われていましたが、前週末にコロナワクチンの普及期待で主要3指標が大幅反発(S&P500は最高値更新)したことで、週明けの日経平均は連動して高くなるとしました。一方、為替は円高方向の動きとなっており、日経平均は上昇後、上値は重くなるとしました。当面のピークは今年(2020年)1月17日に2万4,115円の高値をつけてから約10カ月経過しており、12~1月にピークをつけてもおかしくないとしました。また、目先の上値のフシは、心理的なフシでもある2万6,000円としました。
結果的に、週初めに米国株高と国内の7-9月期GDP(国内総生産)が+21.4%と1年ぶりのプラス成長となったことで、終値ベースで+521円の2万5,906円と、バブル後の最高値を更新。翌日の17日(火)には+107円の2万6,014円と、29年ぶりに終値で2万6,000円台を回復しました。その後は為替も1ドル=103円台後半の円高となり、3日連続安となって、スピード調整のような形となってきています。
16日(月):米株高と7-9月期GDPの1年ぶりのプラス成長を受けて、日経平均は+266円の2万5,652円で寄り付き、ザラ場で1991年6月の以来の高値を2万5,817円と上回りました。後場になると、もう一段の上昇で、一時+542円の2万5,928円まで上昇し、終値では+521円の2万5,906円で引けました。
17日(火):前日の米国市場で米モルデナ社のコロナワクチン開発を好感。長期金利の上昇も金融株を押し上げ、NYダウは+470ドルの2万9,950ドルとなったことで、日経平均は一時+150円の2万6,057円と2万6,000円台を回復。その後、下げに転じるも後場には再び持ち直し、+107円の2万6,014円と29年ぶりに終値で2万6,000円台を回復しました。
18日(水):前日の米国市場が主要3指標そろって反落となり、日経平均も目標達成感から利益確定売りと、東京都の新型コロナウイルスの感染者が過去最多で、一時▲357円の2万5,656円まで下落。終値では▲286円の2万5,728円と3日ぶりの大幅安となりました。
19日(木):前日の米国市場は新型コロナウイルスの感染拡大を嫌気し、2日続落となったことで、日経平均は▲99円の2万5,628円で寄り付き、前場は▲195円の2万5,532円まで下げました。後場には東京都の新型コロナ感染者が500人を超えるニュースを嫌気し、▲253円の2万5,474円まで下げましたが、押し目買いの動きが出て下げ渋り、▲93円の2万5,634円で引けました。
20日(金):前日の米国市場は、主要3指標そろって反発しましたが、日経平均は朝方に時間外の米株先物が下落していたことで、▲147円の2万5,486円で寄り付き、2万5,500円を挟んだもみ合いが続き、後場には▲208円の2万5,425円まで下げましたが、その後、下げ渋り、終値は▲106円の2万5,527円で引けました。
引け後の米国市場:主要3指標そろって反落となりました。新型コロナウイルスの新規感染者数の増加が続いたことや、緊急経済対策を巡るFRB(米連邦準備制度理事会)と財務省の意見の不一致で景気回復への懸念が高まり、NYダウは▲252ドルまで下落。終値は▲219ドルの2万9,263ドルで引けました。シカゴの日経先物は好需給のため、+200円の2万5,740円となっていました。
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