20年7-9月期も予想を上回る好決算、ゲームとサブスクが好調
現地コード | 銘柄名 |
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00700 |
騰訊控股 (テンセント・ホールディングス) |
株価 | 情報種類 |
577HKD |
株価 企業情報 チャート |
中国のネットサービス大手、テンセントの20年7-9月期決算は、非IFRSベースの純利益が前年同期比32%増の332億元と、市場コンセンサス予想を上回り、BOCIの予想を0.5%上回った。オンラインゲームやコンテンツ・サブスクリプション事業の好調が背景。BOCIはゲーム作品の充実度や国際市場での浸透を評価し、20-22年の利益見通しを1.1-0.1%増額修正。目標算出基準を20/21年予想利益にシフトしたのに伴い、目標株価を引き上げ、株価の先行きに対して強気見通しを継続している。
20年7-9月の売上高は前年同期比29%増の1,254億元。事業部門では、オンラインゲームの売上高が前期比8%増、前年同期比45%増の414億元。『王者栄耀』(1-10月のデイリーアクティブユーザー数は平均1億人超)をはじめとする旗艦タイトルの好調を背景に、モバイルゲームの売り上げが前年同期比74.2%増加したためで、同社のゲーム運営部門の強力さや国内外のスタジオが制作するゲームシリーズの充実ぶりをうかがわせた。引き続き海外市場で伸びが大きく、BOCIの推定では、モバイルゲーム収入の23%を海外が占めた。
一方、広告収入は7-9月に前年同期比16%増の213億元。主にソーシャル広告の貢献だが、メディア広告収入も36億元と回復基調。前年同期比の減収幅が1%以下まで縮小し、前期比では9%の伸びだった。主要コンテンツのスポンサー広告や、スプラッシュ広告およびテンセントビデオ上でのeCPM(effective Cost Per Mille:特定期間に生じた広告課金額を1,000回表示当たり単価に換算)の上昇などが寄与した。ソーシャル広告収入は前年同期比21%増、前期比17%増の177億元。中国版LINE「微信」の広告インプレッション(表示回数)の増加や動画フォーマットのeCPMの上昇が好調を支えた。同社のモバイル広告ネットワークや広告枠買い付けシステムのアルゴリズムが広告主から高評価を獲得し、予算増額を勝ち取った形。業種別では引き続き教育やネットサービスの広告出稿が好調で、自動車や不動産も前年同期比でプラスに転じた。
このほか、フィンテックおよび企業向けサービス部門の売上高は7-9月に前期比11%増、前年同期比では24%増。オンライン決済額は前年同期比30%増加した。ただ、利用者数の50%の伸びにもかかわらず、経営陣は資産運用ビジネスに対し、引き続き慎重見通しを示している。
BOCIは目標算出ベースを20/21年予想値に変更した上で、SOTP(サムオブザパーツ)方式に基づく目標株価を引き上げた(算出ベースとなる予想PERなどの基準は変更なし)。株価の先行きに対しても強気見通しを継続。一方、この先のレーティング見直しにつながる潜在リスク要因としては、政策面での緊張感の高まりが同社収益にマイナス影響を及ぼし、国際市場での成長戦略の不透明感が増す可能性を挙げている。
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