本日のレンジ予測

[本日のドル/円]

上値メドは104.51

下値メドは103.75

今朝の天気マークは「くもり」

※天気の判定基準は記事末尾にあります

ドル/円、年初来安値更新はあるのか?

 楽天証券が10月末に実施した相場アンケート調査の結果によると、個人投資家の48%が12月のドル/円は「ドル安/円高」に動くと予想しています。年末円高相場の期待が強いです。一方「ドル高/円安」になるは21%で最も少ない予想でした。

 マーケットはではドル売りの流れが強まっています。ユーロ、豪ドル、カナダドル、ポンド、そして新興国通貨までがドルに対して上昇。円高相場というよりも「ドル安」相場と呼ぶのが正しいかもしれません。

 12月8日(火曜)のドル/円は横ばい。104.04円でスタートして一時103.96円まで下げましたが、その後104.21円まで回復しています。終値は104.16円で、強い方向感はなし。明日のECB(欧州中央銀行)会合、今日から始まるEU首脳会談とブレグジットなどの大行事を前にしてトレーダーはユーロやポンドの動きを追いかけることに忙しく、円に構っている時間はなかったようです。

 DX(デジタルトランスフォーメーション)とコロナの関係は?そして今月のドル/円、円高と円安のメドは? 12月のピボットは今日の注目通貨をご覧ください。

出所:MarketSpeed FXより、楽天証券作成

主要指標 終値 

今朝の天気「くもり」

8日のドル/円のNY市場終値は104.16円

 前営業日の終値比+0.11円だったので、今朝の天気マークは「くもり」です。

今日の注目通貨

 BLS(米労働省労働統計局)が12月4日に発表した雇用統計では、11月のNFP(非農業部門雇用者数)は24.5万人増加し、失業率は6.7%に低下しました。失業率は、4月の最悪期から8ポイントも低下しまし、コロナ前の水準にあと3.2ポイントまで迫っています。年末の失業率は10%台に高止るという悲観論が台頭していたことを考えると、米国の雇用市場の危機に対する適応力に驚きます。非農業部門雇用者数が24.5万人に伸び悩んだことを指摘して雇用市場が弱っているとの指摘もありますが、失業率の低下と平均労働賃金の上昇はそれを相殺する以上のインパクトがあります。

 新型コロナで旅行やコンサートに行くことができなくなって、家具や高級家電にお金をかけるという傾向が増えています。新型コロナは、消費の興味対象を「サービス」から「モノ」へと変えてしまったのかもしれません。

 労働移動に伴って発生する一時的、過渡的な失業を「摩擦的失業」と呼びます。 たとえば転職をした場合、多くは退職して新しい職を探すまでに時間を要し、その間労働者は失業します。 これは各企業の求める労働者の知識・技能と個々の労働者のもつ知識・技能とのミスマッチなどに起因します。新型コロナで仕事の「構造変化」が急速に進む中で、摩擦的失業が発生しています。この構造変化というのが、いわゆるDX(デジタルトランスフォーメーション)です。

 DXとはデジタル技術による業務やビジネスの変革。移動制限で小売業や外食産業が苦境に陥っているのは事実ですが、それらの業種が消滅したわけではない。これまでとは違う商品を違う方法で売っているのです。実店舗からオンラインショッピングへの構造変化です。オンラインで販売する能力がない労働者が摩擦的失業者となり、DXに適応できない企業が倒産する。

 日本政府は、新たな経済対策として73.6兆円を発表しました。菅総理が言う「雇用を維持し、事業を継続し、経済を回復させる」ためには、Go Toもいいですが、DXが生む摩擦的失業者を救済する中期的な取り組みが必要でしょう。

ドル/円:12月のレンジ予想:101.90円から106.91円

 12月のドル/円のピボット(ブルベア判断の分かれ目)は104.40円。104.40円より上ならばドル買い優勢、104.40円より下ならばドル売り優勢。

108.16円 : 07月 高値 (07月01日)
108.13円 : 第3レジスタンス(HBO)

107.05円 : 08月 高値 (08月13日)

106.91円 : 第2レジスタンス 
106.70円 : 2020年 平均値
106.55円 : 2020年 09月 高値
106.11円 : 10月 高値 (10月07日)

105.68円 : 2020年11月 高値
105.63円 : 第1レジスタンス

104.40円 : ピボット

103.18円 : 2020年 11月 安値
103.13円 : 第1サポート

101.90円 : 第2サポート
101.17円 : 2020年 安値(20年 03月09日)

100.62円 : 第3サポート(LBO)


◎天気の判定基準とは?

天気マークを見るだけで、ドル高で引けたのか、それともドル安で引けたか、ひと目で確認することができます。

・「晴れ」
当日の終値が、前日の終値に比べて0.20円を超えるドル高/円安だった場合は、「晴れ」の天気マークを表示します。

・「雨」
反対に、終値が0.20円を超えるドル安/円高だった場合は、「雨」の天気マークを表示します。

・「くもり」
終値が上下0.20円の範囲にあった場合は「曇り」のマークを表示します。

※天気マークは、前日の終値との比較を示したもので、今日のマーケットの方向を予想するものではありませんので、ご注意ください。

※ちなみに2018年は、「晴れ」80日、「雨」82日、「くもり」98日 でした。
また、2018年は延べで43.33円上昇、延べで46.41円下落。差引3.08円の円高(2017年末に比べて)でした。