※モトリーフール米国本社、2020年11月5日投稿記事より

 大統領選挙では勝者と敗者が生まれますが、株価も選挙結果に基づいて上下することがあります。

 この記事では、選挙日以降、急騰した3銘柄をご紹介します。

大きく上昇した3つの銘柄と共通点

 シグナ(NYSE:CI)の株価は、4日の米国大統領選挙投票日に続いて、5日に15%近く上昇しました。

 またアンセム(NYSE:ANTM)ユナイテッド・ヘルス・グループ(NYSE:UNH)も、それぞれ12%と10%上昇しました。

 これらの3銘柄で共通しているのは、全て大手健康保険会社であるということです。

 記事執筆時点では、大統領選挙の勝者はまだ決まっていませんが、下院は民主党が維持し、上院は共和党が維持する公算になりそうです。

 しかし、元副大統領のジョー・バイデン氏は選挙人団で首位を主張しています。

 これが健康保険会社にとって良いニュースであるのはなぜでしょうか。

 一つは、分断された政府は健康保険会社に悪影響を与える可能性を低くします。

もう一つは、バイデン氏が大統領になれば、オバマケアを強化する可能性が高く、メディケイド事業を行う健康保険会社に成長機会をもたらすことになるからです。

今これらの銘柄の購入を検討すべきか

 記事執筆時点では、投票はまだ集計されています。

 仮に、2つの政党が米国議会の支配権を分割し、バイデン氏が勝利した場合、上記3銘柄の購入を検討すべきでしょうか?

 筆者の見解では、健康保険業界に今後追い風が吹く可能性が高いものと考えますが、3銘柄全てを購入するのではなく、業界で最もいい1銘柄への投資を検討した方がいいと思います。

 その会社はユナイテッド・ヘルス・グループだと考えています。

 ユナイテッド・ヘルス・グループは最大の健康保険会社で、時価総額はアンセムとシグナの4倍以上である2,890億ドルとなっています。

 また、競合の2社よりも大幅に多い売上高と利益を生み出しています。

 業界最大手であることは、同社に多くの利点をもたらすと考えています。

 特に、会社の規模が大きければ大きいほど「規模の経済」を提供します。

 しかし、3銘柄の中で一番だと思う主な理由は健康保険事業ではなく、「オプタム(Optum)部門」です。

 オプタムには、オプタムヘルス、オプタムインサイト、およびオプタムRxの3つの異なるビジネスが含まれています。

 オプタムヘルスは、メンタルヘルスの問題行動の医療サービスや慢性疾患の管理などのケアを提供しています。

 オプタムインサイトはヘルスケアテクノロジーサービスを提供し、オプタムRxは薬剤給付管理サービスを提供しています。

 オプタムは2020年第3四半期に、ユナイテッド・ヘルス・グループの健康保険事業の売上高の70%をもたらしながら、健康保険事業よりも大きな営業利益を生み出しました。

 オプタムは、同社の最大の成長ドライバーとして際立っています。

 また、ユナイテッド・ヘルス・グループは近い将来、遠隔医療市場に参入する可能性があります。

 同社が遠隔医療サービスプロバイダーのアムウェルを買収するかもしれないという憶測がありました。

 また、ユナイテッド・ヘルス・グループのCEOであるデイヴィッド・ウィッチマンは、第3四半期の電話会議で、同社がより積極的に遠隔医療に移行する可能性を示唆しています。

 このように、選挙結果が健康保険会社に安定をもたらす可能性が高いことと、会社の見通しそのものが堅固であることから、ユナイテッド・ヘルス・グループ株は購入を検討するのに適した銘柄だと判断します。

転載元:モトリーフール

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