先週は、米国株式の連日の最高値更新を受け日経平均も5日連騰

先週の予測

 相場は底堅いものの北朝鮮リスクもあり、22日の総選挙を控え調整気味の相場展開としました。総選挙は小池新党「希望の党」が台風の目になり、北朝鮮リスクは10日の朝鮮労働党の創立記念日を控えてミサイル発射の徴候もありました。テクニカル面での過熱感も出ていたことから2万~2万500円の中でもみあいを想定。
 

結果

 結果的には米国株式の最高値更新が続き、為替も安定していることから海外ファンドとみられるインデックス買いが継続的に入りました。結果、レンジを上放れし、今年初の5日連続の上昇となりました。しかし、日足を見てみると前日の米国株高に引っ張られて朝方は高いものの、その後は利益確定売りで上昇幅を縮小。日足で陰線の形となっており、上値に利益確定売りが多く控えていることを示しています。
 10月2日(月)は、前週末の米国株高と円の弱含みを受けて+44円の2万400円と9月25日の年初来高値2万397円を更新し、2年1カ月ぶりの高水準となったことを好感し、NYダウは+152ドルの2万2,557ドルをはじめ3主要指数の最高値更新が続きました。これを受けて3日(火)の日経平均は為替も1ドル=113円台の円安となったことも追い風となり、+213円の2万614円と2万15年8月18日の終値2万554円を突破し、2万~2万500円でもみあったレンジを上放れしました。 
 その後の米国市場は、5日(木)まで3指標とも最高値更新が続いたことで日経平均も連動し4日(水)は+46円の2万660円で寄り付いて終値は+12円の2万626円、5日(木)は+24円の2万650円で寄り付いて終値は+1円の2万628円、6日(金)は+88円の2万716円で寄り付いて終値は+62円の2万690円と今年初の5連騰となりました。
 6日(金)の米国市場は、注目の9月雇用統計はハリケーンの影響を受けて非農業部門雇用者数は予想を大きく下回りましたが、失業率は4.4%から4.2%へ改善し、時間給も予想を上回りました。3指標はマチマチの動きとなりS&Pは9日ぶりに反落し、NYダウも▲1ドルの2万2,773ドルと小反落でした、シカゴの日経先物は▲50円の2万660円となっていました。
 日本が連休中の9日(月)は、米国市場はコロンブス・デーで取引参加者が少ない中、ドイツDAXが史上最高値を更新するなか、3指標そろって上昇スタートとなりましたが、北朝鮮リスクへの警戒感から長続きせず小幅続落となりました。

 

今週は、北朝鮮リスクが落ち着けば上値を試すがSQに注意

 今週は、国内的には衆院選の情勢をにらむ展開が想定されます。与党に対して野党は希望の党や立憲民主党などに分かれ複雑な構図での選挙戦となっています。
 先週は、週末の6日(金)には、ザラ場では2万721円まで上昇し、2万15年6月24日の2万952円、8月11日の2万946円のダブル天井のような形となっている高値を更新する可能性が視野に入ってきました。ただし、テクニカル的には過熱感が出ており、たとえば過熱感を示す指標である騰落レシオは目安とされる120%を8日連続で上回って4日時点で128%となりました。
 その後の2日間は120%を割ってきています。日足をみても前日の米国株高によって朝方は高くなるものの、その後は上げ幅を縮小する動きとなって日足では陰線という形で、上値では利益確定売りが出てくる状況となっています。この状況を突破するには為替が1ドル=114円水準の円安となって出来高が増加する必要があります。そのためには米国市場でドル高・株高が続く必要がありますが、株価は先週は3指標(NYダウ、ナスダック、S&P)が4日連続で最高値更新となって高値警戒感が出ているため、どうなるか注目するところです。
 2015年の6月と8月の高値をぬくためには、先週までの上昇はインデックスの絡んだ値ガサ株が中心となっての上昇ですので何か強い買材料が出て商いが増加し、2万950円水準を突破できれば、この水準にはカラ売りが多くあるため踏み上げとなって2万1,000円を突破していくことも想定されます。

 

(指標)日経平均

先週の予測

 底堅いものの上値は限定的とし2万~2万500円のレンジを想定しました。
結果的には、10月3日(火)に米国株式の3指標の最高値更新が続き、円安も安定していることで外国人の買いで+213円の2万614円とレンジを上放れしました。さらに米国株式の最高値更新が続いたことで日経平均も連動する形となり10月6日(金)は2万721円まで上昇して終値は2万690円と5日続伸で引けました。

今週の予測

 連休明けの10日(火)からとなりますが、この日に北朝鮮の労働党創立記念日でミサイル発射などの動きがなければ、アベノミクス相場の高値2015年8月が意識されることになります。ただし、衆院選の情勢をにらむ展開が想定され、テクニカルな過熱感もありますので、2万500円をはさんだもみあいとなる可能性があります。米国株式にも高値警戒感がでていますがドル高・株高が続くようですと日経平均はサポートされて2015年8月の高値を試すことになります。

 

(指標)NYダウ

先週の予測

 週末の10月6日(金)の雇用統計が注目となり、予想を上回れば追加利上げの観測がさらに高まり、ドルが買われて株価もサポートされるとし、週を通じては最高値圏でのもみあいが基本になるとしました。

結果

 トランプ政権の税制改革の期待が高まり、今月中旬から第3四半期決算発表、経済指標の強い結果を受けて10月5日(木)までは4日連続でNYダウ、ナスダック、S&Pの3指標そろって最高値を更新。NYダウは、この日2万2,777ドルまで上昇して終値は+113ドルの22775ドルでした。週末の10月6日(金)は、注目の雇用統計は非農業部門雇用者数は予想を下回ったものの失業率や賃金など改善とチグハグな結果となったことでNYダウは▲1ドルの2万2,773ドルと前日とほぼ変わらずで引けました。
 先週末の9月雇用統計の結果を受けて、年内の追加利上げ観測が高まってドルが1ドル=113.44円まで買われましが、10日の北朝鮮の地政学的リスク懸念から、その後112.61円まで売られました。

 

今週の予測

 2018年度予算は下院で決定されましたが、上院の予算と相違があり共和党内でもめる可能性があります。7~9月期決算発表シーズンに入るため、個別で業績のよい銘柄の物色になってくるかもしれません。
 日本市場が休日の9日(月)の米国市場は、朝方は3指標そろって上昇するものの北朝鮮情勢への警戒感が生じ、NYダウは▲12ドルの2万2,761ドルと小反落となりました。
 

(指標)ドル/円

先週の予測

 ドルは強弱感はあるものの底堅い動きが想定され、週末の9月雇用統計が予想を上回れば、追加利上げの観測がさらに強まってドルが買われることになるとし、1ドル=111~114円のレンジを想定しました。


結果

 週末の雇用統計発表までは特別の材料もないために、税制改革や追加利上げへの期待から112円台の狭いレンジの値動きとなっていました。注目の10月6日(金)の9月雇用統計は、非農業部門雇用者数は予想に反して減少となったものの失業率が4.4%→4.2%へと改善し、賃金も予想以上の上昇となったことで追加利上げ観測が高まり、一時113.44円までドルが買われました。しかし北朝鮮のミサイル発射が懸念されドルが売られて112.63円で引けました。
 先週末の9月雇用統計の結果を受けて、12月の追加利上げ観測がますます高まり、ドルが1ドル=113.44円まで買われる場面がありました。

今週の予測

 11日公表のFOMC議事録で追加利上げの示唆があればこれもドル買い要因となります。ただし、目先の上値は114円水準と思われます。112~114円が基本レンジ。