米国はさらに分断がひどくなり、南北戦争2.0の時代へ動いていく
2016年の米大統領選挙でトランプ当選を予測していた大手調査会社は「トラファルガー」だけだった。トラファルガーは、今回の選挙でもトランプ勝利を予測している唯一の会社である。
トラファルガーのWEBサイト
*(トラファルガーのデータは、「隠れトランプ支持者」と呼ばれるもの、つまり現職者に実際に投票しているがそれを世論調査員に認めない人々を定量化しようとしているため、ほとんどの世論調査者よりも正確であることを示しています)
トラファルガーによる激戦州ペンシルベニアの世論調査
先週末、米著名投資家ラリー・ウィリアムズは、「大統領選で本当にトランプが勝つか? 私には分かりませんが、最高のインサイトは火曜日に公表されるトラファルガー世論調査の結果です。2016年の選挙戦では最も精度が高かった。世論調査のほとんどが間違っていた時、彼らは正しかったのだ。火曜日には何が起こりうるのか、そして、選挙がどうなるのか、その可能性を見てみるといいかもしれません」と、述べた。
世論調査など、軍産のかいらいである民主党系メディアによる大衆操作・印象操作の広告であり、まったくあてにならない。筆者はトランプを全面的に評価しているわけでないが、それでも、ヒラリー、オバマ、バイデンのような小ざかしい政治家に比べたら、まだましな人物だろう。
プロレスラー政治家と呼ばれるトランプ大統領はうそをつくが、彼のうそはミエミエのかわいいうそである。ヒラリー、オバマ、バイデンらは表面的には耳障りのいい「正義」を掲げているが、裏でやっていることは国民を欺くずる賢い詐欺行為だ。ナシーム・タレブのいう“身銭を切らない”人たちである。
筆者はもともと政治にまったく関心がない。しかし、今回の選挙だけはトランプの勝利を祈る。それは、エマニュエル・トッド(歴史人口学者)が、「トランプの人格や発言は耐えがたく、人としてとても許容できない。それでも私はトランプ当選を望む」と述べているのと同じ理由からである。
●今の米国は「分裂状態」と「良好な経済状態」という二つの矛盾した現実がぶつかり合っている
●高学歴エリートはリベラルであるはずなのに「自分より低学歴の大衆や労働者を嫌う左派」という語義矛盾の存在になり果てた
●米国の歴史を前に進めるにはまず民主党の側に“意識改革”が必要。そのための最良の方法が、バイデンを当選させないこと
(エマニュエル・トッド)
ヒラリーやオバマ以降の米国のリベラルは本当に反脆くなった。ナシーム・タレブのいう反脆い戦争屋の政権に戻しては時代が逆行する。
選挙は水物である。しかし、どちらが勝とうが、米国はさらに分断がひどくなり、南北戦争2.0の時代へ動いていく。
幸福度指数と政治的ストレス指数 ここから米国は南北戦争2.0の時代へ
ひとつの帝国の寿命の大きなサイクル
今、我々は統制経済と社会主義化する国家の相場操縦の中で相場をやっているのである。
「私が指摘しておきたいのは、中央銀行が操縦する世界で、投資家が相場の動きを知るのは、そして世界がここ5年、ましてや10年で、どのようになるか知るのは、ほとんど不可能であるということだ。中央銀行は経済的・金融的安定を築こうとしていると世間的にはみなされている。しかし実際には、巨大なバランスシートと市場介入によって金融市場にとてつもない不安定性と不透明性を築こうとしているのだ」と、マーク・ファーバーが危惧するように、ここから5年の変化に対応できるか否かが、われわれに課された課題である。
トランプかバイデンか?大統領選後の相場はどうなる?
米大統領選の結果は、日本時間4日午前9時頃から出口調査の結果が報道され、TV局が各州の結果を予測する展開になる。どちらかが圧倒的大差で勝利すれば、11月4日の午後1時頃に「当確」が出そうだ。
大統領選の結果が出た後の株式市場はどうなるのであろうか? 以下は、米著名投資家ラリー・ウィリアムズが過去の大統領選挙当日を挟んだ株式市場の動きを平均化したグラフである。赤い線が大統領選挙日である。
1978年から2016年までの大統領選挙当日を挟んだ平均的な株式市場の動き
これを見ると、大統領選挙後の相場は買い展開になっていることがわかる。しかしながら、大統領が民主党候補か共和党候補かによって、選挙後の相場の軌道は大きく異なっている。バイデン(民主党候補)が勝った場合は、さほど株は上がらないとみておくべきだろう。
バイデン(民主党候補)が当選した場合
トランプ(共和党候補)が当選した場合
大統領選の開票結果の判明に時間がかかれば、先行きの不透明感が高まり、金融市場のボラティリティは上がるだろう。今回の米大統領選挙のワーストシナリオは、敗者が結果を受け入れずに法廷闘争となるケースである。どちらかが圧倒的大差で勝利しない限り、次の大統領は最高裁が判断することになるかもしれない。民主党も共和党もその準備はできている。
値頃感で相場をやってはいけない
トルコリラ/円の下げが止まらない。トルコリラは12円台に急落し、最安値更新相場となっている。トルコ中央銀行が先週の会合で主要政策金利の1週間物レポ金利を据え置いたことが影響しているが、トルコのアルバイラク財務相が外国人投資家との会合を開いたくらいでは、じり貧相場はとまらないようだ。
週足で見ると売りトレンドが継続しており、相場で「値頃感」という発想で売買するのがいかに危険かを示すサンプルとなっている。
トルコリラ/円(週足)
10月28日のラジオNIKKEI「楽天証券PRESENTS 先取りマーケットレビュー」
10月28日のラジオNIKKEI「楽天証券PRESENTS 先取りマーケットレビュー」は、土居雅紹さん(楽天証券株式会社 常務執行役員)をゲストにお招きして、「米大統領選挙」・「日米個別株」・「大統領選挙を挟んだ株価の動き」・「イベントに賭けるオプション戦略」というテーマで話をしてみた。土居さんのオプション戦略、ぜひ、ご一聴を!
10月28日のラジオNIKKEI「楽天証券PRESENTS 先取りマーケットレビュー」
【米大統領選挙と個別銘柄・オプション戦略】
ラジオNIKKEIの番組ホームページから出演者の資料がダウンロード出来るので、投資の参考にしていただきたい。
10月28日: 楽天証券PRESENTS 先取りマーケットレビュー
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