投資リテラシーっていったいどういう意味?
近年、「リテラシー」という言葉をよく聞くようになりました。投資の世界でも、投資リテラシーという言葉が使われています。
突然ですが、皆さんの投資リテラシーはどのくらいありますか。
リテラシーとは能力のこと。つまり、投資リテラシーとは、自分自身が投資で成功できるための知識、能力がどれくらい身についているか、と言い換えることができます。
筆者が数多くの個人投資家の方と接していて気づくのは、投資リテラシーが高くない方が非常に多いという点です。
でもそれはある意味仕方がない話。なぜなら、投資リテラシーは学校でも習わないし、仕事をしながら身につくものでもないからです。自分自身が意識的に高めようと思わないとなかなか向上しない、それが投資リテラシーなのです。
基本的投資リテラシーとは?
筆者は、投資リテラシーには、「基本的投資リテラシー」と「実践的投資リテラシー」の2つがあると考えています。
基本的投資リテラシーとは、投資の教科書に載っているような基本的知識のことです。例えば次のようなものです。
基本的投資リテラシーをチェック
・預金が最もローリスク・ローリターンで、株式が最もハイリスク・ハイリターン、債券はその真ん中である
・インフレになるとお金の価値が下がり、デフレになるとお金の価値が上がる
・債券の利回りは高いほど有利なのではなく、高いほどリスクが高い
・投資先が倒産すると投資資金の多くが失われるので、倒産可能性が低い投資先を選ぶ
・一つの投資先に資金を集中させるとリスクが高すぎるので複数の投資先に分散させる
・PER(株価収益率)やPBR(株価純資産倍率)が低いほど、配当利回りが高いほど株価は割安
さすがに投資をするならこのくらいは知っておかないとまずい、というレベルのものですが、この基本的リテラシーすら危ういという方が多いのです。例えば、倒産リスクが高いほど債券の利回りが高くなるのは投資の世界では常識です。ところが、利回りが高いほど、利息をたくさん支払うことができる優良な会社で、倒産リスクも低いと本気で信じている人も意外と多いのです。
投資の教科書を読んだり、ネットで調べたりすればすぐ分かることばかりですので、最低限この基本的リテラシーは身につけておいてほしいものです。
成功するためには実践的投資リテラシーも絶対に必要
ではこの基本的投資リテラシーを身につければ、投資で成功できるでしょうか。残念ながら答えは否です。
基本的投資リテラシーは、それを知らないで投資をするなんて危険すぎる、というほどの基本的なものだからです。
投資で成功するためには、これに加え実践的投資リテラシーを身につける必要があります。筆者が考える実践的リテラシーとは例えば次のようなものです。
実践的投資リテラシーをチェック
・債券の利回りが低い(=債券が割高)のに無理に債券に分散投資する必要はない
・PERが低かったり、配当利回りが高い株を買っても株価が上昇しないことが多々ある
・PERが100倍を超えていても上がる株は上がる
・株価が変動する最大の理由は業績ではなく需給
・株価下落時にナンピン買いをすると大きな損失につながりかねないので避ける
・大きな損失を避けるためには損切りが必要
・株価の突然の急落に備えてプットオプションを使う
・バブルは怖いが上手に活用すれば短期間で資産を大きく増やすこともできる
・長期投資(バイ・アンド・ホールド)や積立投資は必ずしも万能とはいえない
実践的投資リテラシーを身につけて「お金偏差値」を高めよう
筆者が考える実践的投資リテラシーとは、大きな損失をできるだけ避けつつ、そこそこのリターンを目指すために必要な知識、能力と考えています。
大きな利益を第一に目指さないのは、大きな利益を求めすぎると必要以上にリスクも抱え込むことになり、結果として大きな損失を被る可能性が高まるからです。
そして、実践的投資リテラシーの中には、一般的な投資の教科書には書かれていないものや、教科書に書かれていることとは異なる内容も含まれています。
まさに教科書を読んだだけでは足りず、実践して身に付けるべきものなのです。
高いほどお金を増やす能力がある「お金偏差値」でそれぞれの段階を表すと、次のようになります。
・基本的投資リテラシーが身についている…お金偏差値40~50
・実践的投資リテラシーが身についている…お金偏差値50~60
お金偏差値50がボーダーラインで、これを下回ると投資で失敗してしまう可能性が高く、上回ると成功する可能性が高くなります。そして50から離れるほど、その可能性がより高まります。
お金偏差値を60以上にするには、実践的投資リテラシーを身につけた後、さらに専門的、高度な知識、能力を身に付ける必要がありますが、それには時間も労力もかかります。
したがって、筆者個人的には、まずは実践的投資リテラシーをしっかりと身につけて、お金偏差値60を目指すべきだと思います。このレベルなら、正しく学び、かつ実践を積み重ねていけば十分達成可能です。
その上で、余力があればさらに上を目指せばよいのではないでしょうか。
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