「バイナリーオプション」ってたまに目にするけど何? FX(外国為替証拠金取引)とどう違うの? 日本のFX投資に欠かすことのできない情報源、「羊飼いのFXブログ」を運営する、羊飼いさんに、バイナリーオプションのトレード戦略を聞いた。

 前回までは、バイナリーオプションの基本的な商品の説明や取引の仕方などを紹介しました。今回は、バイナリーオプションにおけるトレード戦略についてです。

 バイナリーオプションで収益を狙うための基本的な戦略には、大きく分けて4つあると考えています。

為替相場が大きく動くことを狙う

 為替相場には、大きく動くタイミングがあります。分かりやすいもので言えば、経済指標の発表や政策金利の発表、要人の発言が行われる時間です。

 これらはほとんど前もって行われる時間が決まっています。

 たとえば、「注目されている経済指標がバイナリーオプションの開催時間内にある」。そんな時は、「現在値から離れたところの目標レートを狙う」のも1つの戦略です。

 その他、市場切り替わりの時間を狙うのもいいでしょう。為替は世界中で取引されているとはいえ、1日で何度かメインに取引される地域が変わります。米国時間、日本時間、欧州時間などです。

 市場の切り替わり前後に相場の流れが変わったり、流れが加速したりすることもしばしばあるのです。

 こういった大きく動きやすい時間を狙うのもバイナリーオプションの戦略の1つです。

 予測通り大きく動けば、動く前の段階では離れた価格にあるチケットは安いはずなので、大きく収益を狙える可能性が高まります。

為替相場がほとんど動かないことを狙う

 一方で、動かないことを狙うのもバイナリーオプションの醍醐味です。

 通常のFXであれば、為替が動かないと損失も利益も出ません。しかし、バイナリーオプションであれば、現在値からほとんど動かないまま判定時間が来ても、収益を狙うことが可能です。

 現在値からほとんど動いてなくても、「目標レートの上か下かを予測」することができれば収益になる仕組みだからです。

 経済指標の配置、相場の雰囲気、節目のレートの存在、バイナリーオプションの開催する時間帯、そんな要因から、「この時間はほとんど動かないはずだ!」。そんな瞬間を狙うのも良い選択となると思います。

為替相場のトレンドが続くことを狙う

 テクニカル的な傾向が続きやすい時、たとえばジリジリと上昇している為替レートがそのまま上昇しそうな時に、現在値から比較的近い目標レートに対して上を予測するチケットを買うのもいいですし、現在値よりも大きく上にある目標レートに対して上を選ぶチケットを買って大きな利益を狙うのもいいと思います。

 逆に、相場が下落している時で、そのまま下落していく確率が高いと思われる時、現在値に近い目標レートの下のチケットや、現在値からさらに下の目標レートの下のチケットを買うことで収益を狙うことができます。

 また、レンジでの推移が続きやすいと思われる時には、レンジの範囲を考えてチケットを買うのもいいでしょう。いずれも、優位性のある戦略になりやすいと考えます。

為替レートの節目を意識した値動きを狙う

 為替には、ちょうどの数値やテクニカル的な節目となるレートが存在します。

 例えば、ドル/円で105円00銭や50銭といった、キリのいいレートや過去に揉み合ったり反転したりした高値や安値のポイントです。

 相場は、こういったレートで跳ね返されやすかったり、その節目を超えるとトレンドが加速したりする傾向があります。このような特徴から、キリのレート、節目となるレートから、判定時間における為替レートを予測するのもいいと思います。

 例えば、ドル/円が105円00銭より上にあって、今にも割れそうになっている。しかし、105円00銭は守られる(反発する)可能性が高いと思ったときは、105円00銭に近い目標レートのチケットの上を買うことで利益を狙うことができます。

 逆に、ドル/円は105円00銭より下にあって、何度も上抜けをトライしている。これは抜けるのが時間の問題だと思った時は、判定時間を考えながら、上抜けすることで利益が出るチケットを買うのがいいでしょう。

まだある応用テクニック。ぜひ研究を

 この他に応用編の戦略として、オプションでよく使われるストラングルやストラドル的な戦略があります。

 これ以上はかなり専門的な分野になってくるので、羊飼いからのバイナリーオプションの紹介は、いったんここまでにしたいと思います。

 1つ、ヒントを書くと、オプションは開催ごとに1種類だけしか買ってはダメなわけではありません。買いと売りを両方買うことも、時間を分けて複数のレートで買うことも可能なのです。

 ぜひご自分で調べて実験して研究してみてください。きっと、FXと同じくらいの魅力がある金融商品であることに気付くと思います。