5Gスマホが急速に普及するストーリーを想定
アップル社は米時間13日、オンラインで新製品発表イベントを開催し、高速通信規格「5G」に初めて対応したスマートフォン「iPhone12」と「iPhone12 Pro」を発表しました。日本での発売日は10月23日とされていますので、すでに手にされている方もいることでしょう。
2019年4月に韓国・サムスン電子が世界初の5Gスマホ「ギャラクシーS10 5G」を発売したのを皮切りに、ここまでソニーやシャープ、中国・華為技術(ファーウェイ)なども相次いで5Gスマホを投入してきました。今回発売されたアップルのiPhone12によって、主要メーカーの5Gスマホが出そろったことになります。
「5G」は「4G LTE」の100倍に相当するデータ転送速度が実現でき、大容量であることに加え、通信の遅れが生じにくい低遅延も特徴です。複雑な画像処理をサーバー側で行えることから「クラウドゲーム」などの普及を後押しすると見られています。
日本ではまだ本格的に展開されるわけではないものの、10月16日に予約受付が始まったiPhone12は、開始から1時間あまりで初回出荷分が完売する人気ぶりを見せたとのことです。
アップル関連主力株の株価はコロナ・ショック前より上の水準に
株式市場でもかねてより「アップル関連株」とされる銘柄は多く存在しています。ただ、これらの銘柄はアップル社の動向だけに反応するものではなく、幅広く「スマホ市場」の動向に敏感に株価が反応するものです。
「5Gスマホ」については、ここまでも関連株の株価ドライバーとして期待されてきましたが、コロナ禍が水を差す格好となっていました。まずは、その後の株価動向を確認しておく必要がありそうです。
主な4銘柄の株価の動きです。
・村田製作所(6981・東証1部)の1年日足チャート
積層セラミックコンデンサの製造。
・太陽誘電(6976・東証1部)の1年日足チャート
積層セラミックコンデンサの製造。
・日東電工(6988・東証1部)の1年日足チャート
有機EL部材の製造。
・日本電産(6594・東証1部)の1年日足チャート
振動モーターの製造。
すべてコロナ・ショック前の株価より上の水準に位置しています。もちろん日経平均株価もそれに匹敵する動きとなっていますが、東京市場の主要銘柄すべての株価がコロナ・ショック前水準を回復しているわけではないことは、言うまでもありません。
スマホに関連する主力株は株価の回復が早く(=買われた)、その背景として「5Gスマホ普及への期待」があることはほぼ間違いないでしょう。アップル社が満を持して「5Gスマホ」を市場に投入してきたこのタイミングでさらに期待が大きくなる可能性もあると考えています。
仮に「5Gスマホ関連株」の大相場が発展していく場合も、もっとも大きな値上がりを見せるのは、やはり主力株でしょう。優良株に位置づけられ、時価総額が大きく、市場での流動性に富む主力株は時に「継続着実高」を見せることがあります。ただ、一部個人投資家にとって、総じて保有する際に多額の資金を要することがハードルとなることもあります。
ここでは5Gに対する評価がこれからさらに上がり、5Gスマホが急速に普及していくストーリーを想定し、「アップル関連株」とされるものの中から、10万円以内で投資可能な銘柄を5つ取り上げてみます。
10万円以内で投資可能な「アップル関連株」5銘柄
株価データは2020年10月21日終値ベース。
スミダコーポレーション(6817・東証1部)
インダクタ(コイル由来の電子部品)の製造。
・スミダコーポレーションの日足チャート
日本電波工業(6779・東証1部)
水晶振動子の製造。
・日本電波工業の日足チャート
住友化学(4005・東証1部)
偏光フィルム、接触センサーの製造。
・住友化学の日足チャート
ENEOSホールディングス(5020・東証1部)
傘下のJX金属で、圧延銅箔の製造。
・ENEOSホールディングスの日足チャート
フジクラ(5803・東証1部)
フレキシブルプリント基板の製造。
・フジクラの日足チャート
著者によるこの記事の解説音声はこちら(soundcloudサイト/10分30秒)
本コンテンツは情報の提供を目的としており、投資その他の行動を勧誘する目的で、作成したものではありません。銘柄の選択、売買価格等の投資の最終決定は、お客様ご自身でご判断いただきますようお願いいたします。本コンテンツの情報は、弊社が信頼できると判断した情報源から入手したものですが、その情報源の確実性を保証したものではありません。本コンテンツの記載内容に関するご質問・ご照会等には一切お答え致しかねますので予めご了承お願い致します。また、本コンテンツの記載内容は、予告なしに変更することがあります。