※モトリーフール米国本社、2020年9月23日投稿記事より

 9月16日に新規株式公開(IPO)をしたスノーフレーク(NYSE:SNOW)はその大きな期待に応え、当初75ドルを予定した公開価格は120ドルとなり、初値はその2倍以上となりました。

 クラウドベースのデータ管理システムを提供する同社には多くの魅力がありますが、最終的に重要なのは成長です。

 同社の昨年度の売上は174%増加しましたが、今年は第1四半期が149%、第2四半期が121%とやや伸びが鈍化しています。

 ほとんどの企業にとって121%は素晴らしい成長速度でしょうが、これを上回る速度で成長している企業がいくつかあります。

 ズーム・ビデオ・コミュニケーションズ(NASDAQ:ZM)エッツィ(NASDAQ:ETSY)リボンゴ・ヘルス(NASDAQ:LVGO)の直近四半期の売上は前年同期比で、それぞれ355%、137%、および125%増加しています。

 スノーフレークの売上の成長速度は緩やかになりつつありますが、この3銘柄とも事業は加速しつつあります。

 スノーフレークを勢いで上回る各社の内容をより詳しく見てみましょう。

ズーム・ビデオ

 投資家としてではなく消費者として、「ズーム疲れ」を感じる人もいるかもしれませんが、ビデオ会議大手の同社から2020年度のトップの座を奪うのは困難です。

 同社は以前から急成長していましたが、パンデミック(感染症の世界的流行)によって、その人気が加速しうなぎ上りとなっています。

 前年同期比で355%という同社第2四半期売上の記録的な増加は、主としてオフィス内での会議から在宅勤務による会議へのシフトによるもので、従業員10人以上のズーム顧客数は前年比で458%増加と急上昇しています。

 しかし、学校の授業や、イベント会場、仲間の集まりなどのオンライン化も、ズームが一夜にして大成功を収めた要因です。

エッツィ

 職人や骨董好きのためのオンライン市場エッツィは、常ににぎやかな場所でしたが、新型コロナウイルス危機によって、オーダーメード・マスクの取引が急増しました。

 エッツィは、恐ろしいコロナウイルスから身を守りつつ、ある程度のファッションセンスと独自性を誇示できるユニークなマスクを探す人々にとって、人気のあるアウトレットとなりました。

 同社が直近四半期で記録した売上増加率137%を今後上回ることは決してないかもしれません。

 総取扱高の146%の急増も、今後長年にわたって同社の最高記録となるでしょう。

 ここで重要なのは、人々が初めて同社に目を向け、あるいはこのプラットフォームの魅力を再発見したことで、同社の顧客層が広がったことです。

 現時点では成長が鈍化するでしょうが、パンデミックで爆発的な成長をする以前も、30%を超える成長率を8四半期連続で達成しています。

リボンゴ・ヘルス

 リボンゴ・ヘルスが目指すのは、健康とテクノロジーを結びつけて、よりよい結果をもたらすことです。

 デジタルな健康管理を専門とする同社は、同社が応用健康シグナルと呼ぶニッチ分野を他社に先駆けて開発し、より効果的な健康指導を提供するため、データサイエンスを通じて高血圧や体重管理などの慢性疾患に取り組んでいます。

 代表的なプラットフォームは糖尿病向けのもので、会員が指を刺してグルコース測定器に読み取らせると、その結果が同社のクラウドに送信され、血糖値の水準が上昇していれば、軌道修正を図ることができます。

 同社のハイテク・プラットフォームの糖尿病会員は41万人で、前年比で113%増加しています。

 同社にはグルコースの平均値をわずか数カ月で劇的に改善させた実績があり、より健康的なライフスタイルを目指すことで、雇用主、保険会社、および同社の会員が恩恵を受ける理由は容易に理解することができます。

 今年の夏、同社は185億ドルでテラドック・ヘルスに買収されると発表し、市場を驚かせましたが、これでリボンゴの急成長が終わるわけではありません。

 テラドックとリボンゴは、両社とも健康テクノロジーにおける革新的な急成長企業で明らかなシナジーがあり、合併後の会社はそれぞれが単独の場合よりも成功するでしょう。

 スノーフレークは、この夏を代表するIPO銘柄かもしれませんが、ズーム・ビデオ、エッツィ、およびリボンゴ・ヘルスが、今シーズンの本当の成長銘柄です。

転載元:モトリーフール

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