今日のポイント
・先週発表の日米の景況指数はともにポジティブ・サプライズ。これから本格化する7~9月の企業業績は、日米ともに好調が予想される。9月の米雇用の伸びは、ハリケーンの影響で一時的に弱いが、10月には反動で大幅増が予想される。
・日経平均株価は、アベノミクス開始後の高値を更新していくことが予想される。
日米の景況感指数がポジティブ・サプライズ
先週の日経平均株価は、終値ベースで5日連続、年初来高値を更新。1週間で334円の上昇となりました。今月後半にスタートする9月の中間決算も好調が予想されることから、好業績株を買う「業績相場」が始まっている可能性があります。
先週、発表になった経済指標では、日米の景況感指数が強かったことが注目されます。
9月日銀短観は大企業製造業・非製造業DIともに強かった
2日に、日本銀行が発表した大企業DI(業況判断指数)は、強い内容でした。以下の通り、製造業・非製造業ともに好調でした。
日銀短観:大企業DI(業況判断指数)推移:2012年3月~2017年9月
大企業DIは、企業業績よりも早く発表されるので、決算発表の先行指標となります。10月2日発表のDIは、9月に大企業に行ったアンケート調査から作っています。10月DIが強かったことから、今月後半から発表が始まる7~9月決算は好調が見込まれます。
9月の米ISM製造業・非製造業景況指数も強かった
以下の通り、米国の景況指数も、市場予想以上に強い内容でした。これから本格化する7~9月期決算は、好調が予想されます。
米ISM景況指数の推移:2014年1月~2017年9月
9月の米雇用統計も、実質的に強いといえる内容
9月の雇用統計は、一番注目が高い、非農業部門雇用者数が、前月比3.3万人の減少でした。ただし、これは、8月末から9月にかけて米国を襲った大型ハリケーンの影響であることがわかっています。一時的な減少であり、米雇用情勢が弱くなったとは考えられません。
米国の金融政策を決めるFRB(米連邦準備制度理事会)の議事録でも、9月にはハリケーンの影響で雇用の伸びが一時的に減少することが織り込み済みです。来月発表になる10月の雇用統計では、反動で大幅な伸びが予想されます。
米雇用統計:非農業部門の雇用者増加数(前月比):2014年1月~2017年9月
完全失業率には、ハリケーンの影響が出なかったので、9月は4.2%と、8月よりも0.2%ポイント低下しました。
米雇用統計:完全失業率:2014年1月~2017年9月
雇用統計では、賃金上昇率も重要な指標です。9月は前月比0.5%増(前年同月比2.9%増)と強い内容でした。非農業部門の雇用者数だけ一時的に弱かったですが、米雇用情勢は総じて強いと言えます。
9月の雇用統計が実質的に強い内容だったことを受け、市場では、米FRBが12月に利上げする可能性がさらに高まったと受けとめられました。
日経平均はアベノミクス開始後の高値を超える展開が予想される
北朝鮮情勢、衆院の解散総選挙など、政治面で不安材料が残りますが、日経平均は、好調な景気・企業業績を反映する形で、アベノミクス開始後の高値(2015年の2万868円)を更新してくる展開が予想されます。
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