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夫婦間では投資についての話をしないほうがいい?

 投資について、夫婦間でいろいろと会話をされている方も多いと思いますが、それがきっかけで夫婦仲が悪くなってしまったりしていないでしょうか? 私は基本的に、おのおのの投資について、夫婦間では話をしないほうがいいと考えています。

 なぜかというと、話をすることで、お互いに気分が悪くなりかねないからです。もしかしたら、あなたが知らない間に、すでに相手は不愉快に思っているかもしれません。その代表例を、いくつかのケースでみていきましょう。

例1 ご主人が投資に詳しくて、奥様が詳しくないケース

奥様:「○○に投資をしたいと思っているんだけど、どう思う?」
主人:「お前は何も分かっていないからなあ。」
奥様:「……。(相談するんじゃなかった。)」

例2 ご主人、奥様ともに投資をしていて、それなりに詳しいケース

主人:「○○に投資をしようと思っているんだよね。」
奥様:「そうなんだ。」

(1)ご主人は購入。うまくいったら。
奥様:「私も○○に投資するのは良いって、思っていた。」

(2)ご主人は購入。うまくいかなかったら。
奥様:「私は、○○はやめたほうがいいと思っていたんだけどね。」

例3 奥様が個別株について、ご主人に相談したケース1

奥様:「この銘柄良いと思うんだけど、どう思う?」
主人:「いいんじゃない。」

(1)奥様は購入。株価は上昇。
奥様:「やっぱり、私にはセンスがあるわね。」
主人:「……。(俺のおかげでもあるだろ。)」

(2)奥様は購入。株価は下落。
奥様:「あなたが良いって言ったから買ったのに、下がっちゃったじゃない。」
主人:「……。(だったら相談してくるなよ。)」

例4 奥様が個別株について、ご主人に相談したケース2

奥様:「この銘柄良いと思うんだけど、どう思う?」
主人:「その銘柄は、あまり良くないと思うよ。」
奥様:「……。(相談するんじゃなかった。)」

(1)奥様は購入せず。株価は上昇。
奥様:「あなたが良くないって言うから買わなかったのに…。上がっちゃったじゃないの。」
主人:「……。(だったら相談してくるなよ。)」

(2)奥様は購入。株価は上昇。
奥様:「ほら、私が言ったとおり、上がったじゃない。あなたの言うことを聞かなくてよかった。」
主人:「……。(たまたま上がったからって、いい気になって。)」

 ご主人と奥様との立場が逆のケースも、もちろんあると思いますが、このような会話になったことはないでしょうか? 

 例1では、ご主人には「自分は知識がある。自分は分かっている」という思いがあって、分からない相手をさげすんでいます。奥様は、分からないから聞いているのに、分からないことがいけないことのように、非難されているように思ってしまいます。

 例2は、奥様がご主人から話を聞いたときに、「良い」という思いと、「良くない」という思いの両方が浮かんでいたケースです。両方が浮かんでいたにもかかわらず、うまくいったら「私もそう思っていた」、うまくいかなかったら「私はそうは思っていなかった」と都合の良いほうを取り上げています。このような会話が繰り返されると、ご主人は「あとから言うのではなく、最初から言えよ」と思うでしょう。

 例3と例4においては、2つのポイントがあります。    

 1つ目は、「どう思う?」と相談している奥様は、「いいね!」と言ってくれることを期待して相談しているという点です。「良いと思うよ」と言われると満足ですが、「良くない」と言われると、自分の考えを否定されたように思い、「相談するんじゃなかった」「何も分かっていないんだから」と不愉快な気持ちになります。

 ここで難しいのは、だからといって、ご主人が本心では「良くない」と思っていながら、奥様の期待に応えるために「良い」と言うと、それは嘘になってしまいます。

 このため、「良くないと思う」と言うときには、「いろいろな考えがある中での、あくまでも1つの考えなので、どうなるかは分からないけど」「株は上がると思う人と、下がると思う人の両方がいて、今の株価が付いているので、どちらが正しいというのではないけど」など、一言、加えるといいと思います。

 2つ目のポイントは、「うまくいったら私のおかげ、うまくいかなかったら人のせい」になっている点です。これが繰り返されると、「いつも、うまくいったら、自分だけの力でそうなったように言って、何か悪いことが起こったら、こっちのせいにして」と、いずれ、我慢の限界が訪れる時が来るでしょう。

「私が正しい」「うまくいったら自分のおかげ、うまくいかなかったら相手のせい」になっていないか

 夫婦の関係がうまくいかない要因は、

「自分のほうが分かっている。相手は分かっていない。自分が正しい」
「うまくいったら自分のおかげ、うまくいかなかったら相手のせい」

 という“心”のあり方にあります。相手を不快にしないように、いくら言葉遣いに気を配っても、この“心”が根底にある限りは、会話や行動のどこかにそれが出てしまうので、夫婦関係が良くなることは、なかなか難しいと思います。

 その真逆の、

「世の中にはいろいろな考えがあり、『自分が正しく相手は間違っている』ということではない」
「うまくいったら相手のおかげ、うまくいかなかったら自分のせい」

 という“心”が根底にあれば、夫婦関係は良くなる、もしくはすでに良好でしょう。

 冒頭で「夫婦間で投資の話をしないほうがいいと考えている」とお伝えしましたが、それは、あくまでも表面上のもので、根本的な解決策ではありません。

 根本的な解決策は、「自分が正しい」を横に置き、「うまくいったら相手のおかげ」を根底に持つことです。この2つが根底にあれば、投資について会話をしても、相手を不愉快にさせる発言自体、そもそも出てこないと思います。

 この機会に、相手に対して、「私が正しい」「うまくいったら自分のおかげ、うまくいかなかったら相手のせい」になっていないか、一度、自らを見つめてみるのもよろしいのではと思います。

 もし、そうなっていることに気づいたら、それは、夫婦仲が良くなる、次のステップに進めるチャンスです。それに気づくこと、自ら認めることで、はじめて“心”が変わります。

「自分が正しい」を横に置き、「うまくいったら相手のおかげ」の“心”のあり方になったとき、夫婦関係だけではなく、あらゆる人間関係が良くなり、きっと、すばらしい人生になっていることでしょう。

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