投資初心者へのアドバイス:なぜ私たちは働くのか?

 長い人生を歩んでいく中で、私たちはさまざまな悩みや困難に直面します。その一つが「お金」の問題です。

 何をするにも、まずお金がないと始まりません。物を買うことも、食事をすることも、何かを学ぶことも、結婚することも、子育てをすることも、家を買うことも、商売を始めることも…。

 逆に言えば、お金さえあれば、かなりの悩みが解決するといってもよいでしょう。

 生きていくにはお金が必要です。だから私たちは大人になったら働きます。働いたお金を生活費にあてますが、残ったお金をどうするかが大きな分かれ目になります。

 残ったお金を趣味や遊興費に使ってしまうのはダメ、というわけではありませんが、そうするとお金が手元に残りません。カード払いであれもこれも使ってしまえば、お金が残るどころか実質的に借金をしているのと同じです。

 実際、預貯金の金額がゼロとか、100万円以下という人は非常に多いのが現実です。

お金を効率よく貯める方法とは?

 でもそれでは、いつまでたってもお金に対する悩みから解決はできません。将来必要となるお金への不安を取り除くためには、お金を貯める必要があります。

 よく言われるのが、お給料をもらったら、先にお金を貯めてしまおうというものです。例えばお給料の2割は、もらったらすぐ銀行の別口座に入れる。その口座に入れたお金には手をつけず、残り8割で生活するのです。ボーナスをもらったら、最低半分、できれば全額を貯金します。

 こうすれば、年収の20%以上が自分の手元に残ります。これを続けるだけで、それなりの金額を貯めることができるでしょう。

 実際、ひと昔前は、無理に投資をしなくとも、この方法で老後に必要な資金を作ることができました。

 しかし残念ながら、超低金利政策が続く今は、せっかく頑張って稼ぎの一部を貯金しても、利息がほとんどつかないので、お金がなかなか増えません。金利の力を活用できないのは非常に痛手なのです。

貯めたお金を投資に回すことでお金が増えていく

 では、貯金したお金を増やすことができる方法はないのでしょうか。いいえ、方法はあります。それが「投資」です。

 投資にはいろいろなものがありますが、代表的なものが株式など金融資産への投資と、不動産への投資です。

 株式投資と不動産投資の違いについては別の機会にお話ししようと思いますが、何といっても株式投資は不動産投資に比べて、はるかに少額で始めることができるのが特徴です。

 筆者も、株式投資をスタートしたときは、30万円の資金から始めて、3つの銘柄を買いました。

 貯金をしても一向にお金は増えない中、しかし日経平均株価はアベノミクス相場がスタートした2012年終わりから、およそ8年間で2.5倍になりました。

 個別銘柄に目を向ければ、この間に株価が10倍以上になったものも数多くあります。

 実際、筆者もアベノミクス相場の恩恵を受けて資産を大きく増やすことができました。これは、株式投資をしていなければ到底なし得なかったことなのです。

 働いて稼いだお金を頑張って貯金してもそのお金は増えません。でも、株式に投資すれば道は見えてきます。お金を増やすためには投資が必要であるということをぜひ理解していただきたいと思います。

株式投資は甘くない!でもとっても楽しい!

 最近は「投資をしないとお金が増えない」と感じる方が多いようで、個別株への投資や投資信託、つみたてNISA(ニーサ:少額投資非課税制度)、iDeCo(イデコ:個人型確定拠出年金)などを始める人が増えています。

 一方、残念ながら株式投資をしている個人投資家の多くは、満足のいく成果を出すことができていません。株式投資で成功している人は全体の1割にも満たないと言われています。お金を増やすために株式投資を始めたのに、逆にお金を減らしてしまう人もいます。

 でも安心してください。確かに株式投資をなめてかかると時に大きな損失につながってしまいますが、損失をできるだけ抑えつつ、しっかりと利益を得ることができるような正しいやり方もあります。それを身に付ければ、望んでいる資産形成が可能になりますし、資産が増えれば株式投資が楽しくないはずがありません。

 そのためには、インターネットやSNS(交流サイト)などに転がっている信ぴょう性の低い情報をうのみにするのではなく、自分で学び、個人投資家として自立できるような力をつけていく必要があります。そしてそれは決して難しいものではありません。あなたが学ぶ意欲と株式投資で成果を上げたいという強い信念があれば、十分に実現可能なものなのです。

 ぜひ、素晴らしく楽しい株式投資の世界に歩を進めてみてくださいね。