• 4月11日(火)から14日(金)にかけて、石油関連統計の発表が相次ぐ。
  • 筆者はこれらの統計の中で、世界の需給バランス、減産の進捗、投機の動向など「15の項目」について注目している。

3月前半、複数の弱材料を短期的に織り込む形で54ドル台だった原油価格が数日間で47ドル台まで下落しました。しかしその後は徐々に値を戻す展開となり、4月7日(金)午前11時現在、52ドル台まで価格が戻ってきました。(米国によるシリア空爆の報道もあり)

図:原油価格の推移 (単位:ドル/バレル)

出所:CMEのデータを元に筆者作成

何が原油価格を上昇させたのか?ムードでしょうか?データでしょうか?それともそれ以外でしょうか?さまざまな要因があるのだと思います。

4月11日(火)から14日(金)にかけて、石油関連統計の発表が相次ぐ。

今回、レポートで申し上げたいのは、データについてです。来週、さまざまな石油関連のデータが公表されます。代表例は月次で公表される「短期見通し(米エネルギー省 EIA)」、「月報(OPEC)」、「月次オイルレポート(国際エネルギー機関 IEA)」です。

世界およびOPECや国別の原油供給量・消費量・在庫、米国の石油製品需給、原油価格の見通し等を含んだ月次のレポートが、主体を異にして11日(火)より3日連続で公表されます。

また、「米国の原油在庫」「投機筋のポジション」「稼働リグ数」といった週次の統計もこれまで通り要注目なのですが、ここ数週間、同じ週次のデータである「米国の製油所の稼働率」にも注目が集まっています。

月次の統計発表が重なる、加えて週次の統計は注目度が高まっている・・・来週はさしずめ“石油統計の週”と位置付けることができるのではないか?と個人的に思っています。(米国のシェール主要地区の原油生産量や掘削後未生産油井の数等のデータの発表が4月17日(月)であり、来週でないことが残念ですが・・・)

この“石油統計の週”を前に、本レポートでは筆者が来週の統計で是非内容を確認してみたいと感じている項目を上げ、それらのデータのこれまでの推移を確認してみたいと思います。

確認してみたい内容とは、単発の数字だけでなく、これまでの傾向に変化が生じたか?ということも含めてです。

まずは、来週の統計発表のスケジュールを確認してみたいと思います。

図:4月9日の週の石油関連統計発表スケジュール

出所:筆者作成

4月13日(木)のベイカーフューズの「北米掘削リグ数」は、通常、金曜日に公表されます。来週は金曜日が米国の祝日のため木曜日に公表される予定です。(CFTCの建玉明細は通常通り金曜日公表の予定です)

この“石油統計の週”に各種統計に注目したいと思う理由がもう一つあります。それは、3つの月次ベースの統計が3月上旬の原油価格の急落後、初めての公表となる点です。

その後の反発を含め、昨年12月から今年3月初旬までほぼ横ばいだった原油価格の動きに変化が生じた以上、さまざまな統計の見通しの数値においてこれまでの方向性が修正される可能性があります。

また、4月に入り、徐々に原油の年間最需要期間である夏場のドライブシーズンが視野に入ってきたことから、「季節要因」を考慮する度合を高めるタイミングに入ったように思います。この点もまた、来週が“石油統計の週”とする理由でもあります。「季節要因」を追う統計でもある「米国の原油・ガソリン在庫、ガソリン需要、製油所稼働率」などへの関心をこのタイミングで上げていきたいと考えています。

以下の図は、来週公表予定の統計に含まれる各種統計の中から、筆者が現在チェックしたいと考えている項目を抜き出し、想定される影響範囲(この場合は時間軸)で分類したものです。

世界の需給バランス等、長期的な要因を上に、投機筋の動向等、短期的な要因を下に並べています。

図:来週公表予定の統計よりチェックしたい項目を想定影響範囲(時間軸)で分類

出所:筆者作成

公表される統計の数が多い分、注目したい項目を時間軸で分けた場合、長期から短期まで万遍なくあるように思われます。

石油関連の統計はこれが全てでありませんし、上記の統計の中でも注目したい項目は他にもまだありますが、取り急ぎ、来週(4月10日(月)から14日(金))に公表される統計から、筆者が注目したい代表的なものを抽出しています。

それでは、以下より、これらの15の項目の直近までの状況と、筆者なりの注目点を述べたいと思います。

来週の発表を前に、各種項目の状況を確認してみましょう。

筆者はこれらの統計の中で、世界の需給バランス、減産の進捗、投機の動向など「15の項目」について注目している。

世界の原油需給バランスの見通し

分類:世界・米国の原油需給バランス

影響:長期

参考統計:「短期見通し(EIA)」「月報(OPEC)」、「月次オイルレポート(IEA)」

統計の発表頻度:月次

チェックしたい内容
3月に公表されたデータでは、世界の原油需給バランスは、2017年は年末まで小幅に供給過剰と供給不足を繰り返す見通しとされていました。今月のデータではその見通しに変化はあるのか?供給過剰の解消状態(供給不足状態)で定着する見通しへ変化することはないのか?などをチェックしたいと思います。

チェックして得たいこと
2014年後半から2016年前半までの起きた原油価格の急落・低迷の主因とみられる“世界の原油需給における供給過剰”状態から明確に脱する(明確に供給不足となる)タイミングが訪れる可能性はあるのかどうか、その手がかりを得たいと考えています。

図:世界の需給バランスの推移(供給-消費) (単位:百万バレル/日量)

出所:EIAのデータより筆者作成

米国の原油需給の見通し

分類:世界・米国の原油需給

影響:長期

参考統計:「短期見通し(EIA)」

統計の発表頻度:月次

チェックしたい内容
米国の原油在庫が記録的な高水準であることの一因と考えられる、米国内の原油生産量の増加と消費の伸び悩みについて、この傾向まだ継続するのか?(在庫が積み上がりやすい状況は継続するのか?)についてチェックしたいと考えております。

チェックして得たいこと
数か月単位の季節的な需給の改善などではなく、長期的な需要の増加・供給の減少による長期的な需給バランスの改善により、記録的に積み上がった原油在庫は元の水準に戻る可能性はあるのか?その手がかりを得たいと考えております。

図:米国の原油国内生産量と消費量の推移 (単位:百万バレル/日量)

出所:EIAのデータより筆者作成

原油価格の見通し

分類:長期価格見通し

影響:長期

参考統計:「短期見通し(EIA)」、「月次オイルレポート(IEA)」

統計の発表頻度:月次

チェックしたい内容
今年1月から3月まで公表された3回分の統計では、2017年の原油価格の見通しはいずれも“ほぼ横ばい”とされてきました。2017年の原油価格見通しにおいて(上昇あるいは下落トレンドが発生すると見込まれる等)、変化は見られたかをチェックしたいと考えております。

チェックして得たいこと
3か月連続で今年の原油価格予想はほぼ横ばいとされたが、先月の原油価格急落・その後の反発などを経て、その見通しに変化が生じたかを知りたい。

図:EIAによる2017年・2018年の原油価格の見通し (単位:ドル/バレル)

出所:EIAのデータより筆者作成

米国の掘削リグ数

分類:米原油生産(在来型・シェール)および在庫

影響:長期

参考統計:「掘削リグ数」

統計発表頻度:週次

チェックしたい内容
このおよそ10か月間、増加傾向にある米国内の石油掘削リグ稼働数は、引き続き増加傾向を維持したか?増加であればどの程度増加したか?大幅減少というサプライズは起きなかったか?等をチェックしたい。

チェックして得たいこと
リグ数の増減は米国内の原油生産における「新規開発の体温」とも考えられます。リグ数が増加していれば、米国内の石油開発企業の新規開発へ向ける体温は上昇中ということになり、この流れが継続しているうちは、将来の米国内の原油生産量は増加する可能性があり、その可能性が引き続きある・そして高まっている、という方向性に変化がないか確認したいと考えております。

図:米国の掘削リグ数 (単位:基)

出所:ベイカーフューズのデータより筆者作成

米シェール主要地区の掘削リグ数

分類:米原油生産(在来型・シェール)および在庫

影響:長期

参考統計:「掘削リグ数」

統計発表頻度:週次

チェックしたい内容
この10か月間、増加傾向にある米国のシェールオイル主要生産地区の掘削リグ稼働数は、引き続き増加傾向を維持したか?増加であればどの程度増加したか?大幅減少というサプライズは起きなかったか?等をチェックしたい。

チェックして得たいこと
米シェールオイル主要生産地区のリグ数の増減は米国内のシェールオイル生産における「新規開発の体温」とも考えられます。同地区のリグ数が増加していれば、米国内のシェールオイル開発企業の新規開発へ向ける体温は上昇中ということになり、この流れが継続しているうちは、将来の米国内のシェールオイルの生産量は増加する可能性があり、その可能性が引き続きある・そして高まっている、という方向性に変化がないか確認したいと考えております。

ちなみリグ(掘削機)とは、見た目は「ボーリング中のやぐら」に近く、ポンプジャック(“馬の頭”や“うなずくロバ”とも呼ばれる)という上下にピストン運動をして地下から原油をくみ上げる装置のことではありません。この点からも、リグがシェールオイルの生産を“直接的”に行う装置ではないことが分かります。

あくまでリグは穴を掘るだけの機械であり、生産段階ではすでに解体されています。ではなぜ、リグの数が注目されるかといえば、およそ2か月かけてリグで掘削した抗井におよそ2か月かけて水圧破砕等の仕上げとよばれる作業を施し、ようやく生産できる“油井”になることから、現在稼働しているリグが増えれば、数か月後のシェールオイル生産のための油井の“元”が増えるためです。

この文脈で言えば、リグが増加し始めたおよそ10か月前からしばらくの間シェールオイル主要生産地域の原油生産量は増加しませんでしたが、そのことも、リグが直接的に原油生産に関わっていないことを示す例であり、同時に、現在増加中のリグの数が減少したとしても増加傾向になった同地区の原油生産量が直ちに減少することにはならない、と推測することができます。

図:米シェール主要地区の掘削リグ数 (単位:基)

出所:ベイカーフューズのデータより筆者作成

米国の原油在庫見通し

分類:米原油生産(在来型・シェール)および在庫

影響:中長期

参考統計:「短期見通し(EIA)」

統計発表頻度:月次

チェックしたい内容
高水準まで積み上がった米国の原油在庫について、見通しとして平時の水準まで減少する見通しは立っているのか?減少するのであればどのようなタイミングかをチェックしたいと考えております。

チェックして得たいこと
高水準に積み上がったままであれば、絶えず、大小あれども米国の原油在庫が原油相場の弱材料としてあり続けることが考えられ、その懸念がないかを知るヒントを得たいと考えております。(ここでは、あくまでも記録的に積み上がった米国の原油在庫が、中長期的なスパンで減少するのかどうかという点で見ているため、季節要因での一時的な在庫減を想定しているわけではありません。)

図:米国の原油在庫(商業在庫)見通し (単位:百万バレル/日量)

出所:EIAのデータより筆者作成

OPECの原油供給量見通し

分類:減産

影響:中長期

参考統計:「短期見通し(EIA)」

統計発表頻度:月次

チェックしたい内容
先月公表された見通しでは、今年の4月にOPECの生産量は生産目標の上限である3,250万バレル/日量を上回るとされていたが、その見通しに変化はあったか?

チェックして得たいこと
4月の生産量が生産目標を上回る可能性が否定されなければ、減産については引き続き懐疑的な見方が必要か、その手がかりを得たいと考えております。

図:OPECの原油供給量見通し (単位:百万バレル/日量)

出所:EIAのデータより筆者作成

非OPEC(要減産11か国)の原油供給量見通し

分類:減産

影響:中長期

参考統計:「短期見通し(EIA)」

統計発表頻度:月次

チェックしたい内容
先月公表された見通しでは、要減産非OPEC11か国の生産量は生産目標の上限である1,841万バレル/日量(推定)を下回ることはないと見通されていたが、その見通しに変化はあったか?チェックしたいと考えております。

チェックして得たいこと
要減産非OPEC11か国は、ロシアの季節的な減産、メキシコの長期生産量減少傾向等、積極的な減産と考えにくい生産の減少(結果として起きている減産)が起きていると考えられます。積極的ではない=目標を守れなくても問題ない、というムードが今後拡大する可能性はないか、その手がかりを得たいと考えております。

図:非OPEC(要減産11か国)の原油供給量見通し (単位:百万バレル/日量)

出所:EIAのデータより筆者作成

OPECの減産の進捗状況

分類:減産

影響:中長期

参考統計:「月報(OPEC)」

統計発表頻度:月次

チェックしたい内容
海外大手通信社がすでに伝えているように、先月(3月)、OPECは減産を順守したとされていますが、その状況をOPEC自らが公表する月報で確認したいと考えております。仮に順守していた場合、順守するとして合意した3,250万バレル/日量よりどれだけ少ない生産量だったか?その差分(予実の差)は前月よりも拡大したか縮小したかを確認したいと考えております。

チェックして得たいこと
OPECが3月に減産を順守したかどうか確証を得たいということと、仮に順守していた場合、目標との差分が前月よりも拡大していれば減産体制に(OPEC全体として)ゆとりがあることが想像され、一方、差分が縮小していれば減産体制にゆとりがなくなりつつあることが想像され、このあたりの減産体制の“ゆとりの温度感”を知りたいと考えております。

図:OPECの原油生産量 (単位:千バレル/日量)

出所:OPECのウェブサイトより

減産における足並みの状態

分類:減産

影響:中長期

参考統計:「月報(OPEC)」

統計発表頻度:月次

チェックしたい内容
サウジ1国頼みの状態に変化は見られたか?さらにその度合が強くなったのか?逆に弱くなったのか?をチェックしたい。

チェックして得たいこと
2月に公表された1月分のOPEC各国の生産量と、3月に公表された1月分の修正後の生産量を比較した結果、減産を順守できた国の数が減少、生産量が上方修正された国の数が増加していました。しかし、修正前も後も、OPEC“全体としては”減産目標を順守することができていました。(サウジは修正前後でともに減産順守、生産量は大幅下方修正となっていました)

これらのことは、サウジの負担が高まっていることを示す内容であると考えられます。サウジ1国頼みの色が濃くなったことが明らかになった減産体制について、その度合が増していないか?その手がかりを得たいと考えております。

図:2月公表の1月分と3月公表の1月分(修正後)の、生産量比較 (単位:千バレル/日量)

出所:OPECのデータより筆者作成

図:2月公表の1月分と3月公表の1月分の、減産順守国数の比較 (単位:千バレル/日量)

出所:OPECのデータより筆者作成

米国の原油在庫

分類:米季節要因

影響:中期

参考統計:「週間石油統計」

統計発表頻度:週次

チェックしたい内容
米国の原油在庫については、例年4月から7月のいずれかのタイミングでその年のピーク水準をうち、その後その年の冬場にかけて原油在庫が減少に向かう季節的な傾向が見受けられるようです。今年はまだ原油在庫の増加は止まっていないか?をチェックしたいと考えております。

チェックして得たいこと
米国の原油在庫が季節的な要因により、向こう数か月以内に減少に転じる可能性があると見ていますが、そのタイミングが到来したかどうかその手がかりを得たいと考えております。(ここではあくまでも季節要因での一時的な在庫減を想定しており、記録的な水準まで積み上がっている在庫が平時の水準まで減少することの想定ではありません。)

図:米国の原油在庫 (単位:千バレル/日量)

出所:EIAのデータより筆者作成

米国のガソリン消費の見通し

分類:米季節要因

影響:中期

参考統計:「短期見通し(EIA)」

統計発表頻度:月次

チェックしたい内容
夏場に消費が増える傾向がある米国のガソリン消費は、今年どれだけ消費が伸びそうか?これまでの見通しがどのように修正されるか?をチェックしたいと考えております。

チェックして得たいこと
足元で指摘されている、米国のガソリン在庫の減少傾向について、その背景となるガソリン消費の拡大がさらなる在庫減少に寄与する可能性があるか、その手がかりを得たいと考えております。

図:米国のガソリン消費見通し (単位:百万バレル/日量)

出所:EIAのデータより筆者作成

米国のガソリン在庫

分類:米季節要因

影響:中期

参考統計:「週間石油統計」

統計発表頻度:週次

チェックしたい内容
減少傾向が顕著になっている米国のガソリン在庫について、引き続き減少が確認されたかをチェックしたいと考えております。

チェックして得たいこと
季節的な側面よるガソリン在庫の減少傾向が始まるタイミングが若干早いように思われ、現在の減少傾向が継続するか、本格的な減少はまだ先なのかを想像する手がかりを得たいと考えております。

図:米国のガソリン在庫 (単位:百万バレル/日量)

出所:EIAのデータより筆者作成

米国の製油所稼働率

分類:米季節要因

影響:中期

参考統計:「週間石油統計」

統計発表頻度:週次

チェックしたい内容
米国内の製油所稼働率は、例年7月前後のタイミングでその年のピーク水準をうち、その後その年の冬場にかけて低下する季節的な傾向がみられ、今年は徐々に上昇傾向にあります。まだ米国の製油所稼働率の上昇余地はあるか?をチェックしたいと考えております。

チェックして得たいこと
7月前後にその年のピーク水準をつける傾向が見られる中、足元、すでに製油所稼働率は上昇傾向に転じているように見え、今年、例年通り7月に向けて上昇が継続していくかのヒントを得たいと考えております。

図:米国の製油所稼働率の推移 (単位:%)

出所:EIAのデータより筆者作成

IEAのアナウンス

分類:その他短期要因

影響:短期

参考統計:「月次オイルレポート(IEA)」

統計発表頻度:月次

チェックしたい内容
ここ数か月間で、減産進捗率はこれまでにない程“高水準”など、減産を高評価する発言がなされており、今回もその方針に変化がないかチェックしたいと考えております。

チェックして得たいこと
減産に対して前向きな発言をしていた組織が、さらに同様の発言を繰り返すか、逆に後ろ向きな発言に変わるか、統計を公表する当局者の減産への現状認識の温度感に変化がないかを知りたいと考えております。もし仮に、IEAが減産体制に否定的・悲観的な発言をした場合、メディア等でもその温度感の変化が取り上げられ、減産への大衆の期待が剥落する可能性もあると考えております。

投機筋のポジション

分類:その他短期要因

影響:短期

参考統計:「建玉明細」

統計発表頻度:週次

チェックしたい内容
“買い減少・売り増加”の傾向を示す足元の投機筋のポジションについて、この傾向は継続したか?変化したか?をチェックしたいと考えております。

チェックして得たいこと
投機の買いが減少すれば、“後の”投機の買いの積上げ余地ができ、投機の売りが増加すれば “後の”買戻しにつながると考えられ、現在の“買い減少・売り増加”が一服すれば、その後、それまでに生じた余地を埋めるように投機の志向は“買い増加・売り減少”に転じ、原油価格の短期的な反発材料となる可能性が考えられます。その意味で、足元の“買い減少・売り増加”の傾向が一服するかどうかのヒントを得たいと考えております。

図:投機筋のポジション (単位:枚)

出所:CFTCのデータより筆者作成

シリア情勢により原油価格が急反発しておりますが(2017年4月7日13時点)、その件も含めて来週のレポートでは、上記で目立った変化があったものについて、述べてみたいと思います。