11月の株主優待銘柄

 2020年11月の優待株は、権利付き最終日が11月26日(木)、権利落ち日が27日(金)、権利確定日は11月30日(月)になります。11月26日(木)までにお目当ての優待株を買い、27日(金)まで保有することが優待権利取得の条件です。

 11月は10月に続いて優待閑散月で、権利が確定する銘柄は35銘柄(※)と少数です。11月期決算企業自体が珍しいこともあって、優待定番の外食産業があまりなく、不動産会社などのクオカード優待が多いのが特徴です。

 とはいえ、食品会社の自社商品や雑貨店の買物券などお得度の高い優待もあるので、少数限定で、じっくりと余裕を持って狙いを定めるのに適した月といえるでしょう。

 また、ランキング上位の企業はいずれも、それほど新型コロナウイルスの悪影響を受けておらず、業績や財務が安定推移しているので少し安心かもしれません。

 あえて、11月優待は見送って、日本マクドナルドHDなど177銘柄が権利月を迎える12月優待株の仕込みを進めるのも、一つの考え方といえるでしょう。
※楽天証券 株主優待検索より

 人気第1位となったのは食品会社のキユーピーです。コロナ禍で優待の廃止や改変が相次ぐ中、同社は今回から優待拡充を発表し、人気が上昇しました。

 これまで同社の優待獲得には3年以上の長期保有が必要でしたが、今回からは半年以上の保有で、11月末の年1回、100株では1,000円相当の自社グループ商品が贈呈されることに。3年以上の長期保有なら、1,500円相当に増額されます。

 また500株以上を半年、保有した場合の商品が3,000円相当に引き上げられ、3年保有の場合はなんと5,000円相当(従来は2,000円相当)と、2.5倍に引き上げられました。

 贈られる商品は定番のマヨネーズのほか、ドレッシングやパスタソースなど食費の節約に役立つものばかりというのもありがたい限りです。

 第2位は、書店・雑貨店を展開するヴィレッジヴァンガードコーポレーション。100株以上の保有で年1回、11月末株主に、2,000円の買物ごとに1,000円分を利用できる買物券1万円分(1,000円×10枚)が贈られます。1年以上2年未満の継続保有だとプラス1,000円など、長期保有優遇制度もあります。

 長期保有しなくても、100株で1万円分の買物券という高額優待はこのご時世、あまりなく、同社の店舗をよく利用される人ならぜひ獲得したい優待です。

 第3位は住宅メーカーのタマホームのクオカード優待。11月末と5月末の年2回、100株以上保有の株主に一律で各500円分の「株主様限定特製クオカード」が贈呈されます。保有期間が3年以上だと倍の1,000円分に増額。人気の高いクオカード優待の一つです。

 第4位は関西圏の不動産デベロッパー・サムティ。11月末株主に対して年1回、100株保有で、同社が保有する東京・大阪の3ホテルの宿泊割引券(6,000円分)が贈呈され、300株以上の保有になると無料宿泊券2枚にグレードアップします。

 ホテルは東京・八重洲や箱崎、大阪・本町など交通アクセスのいい場所にあるので使い勝手もよさそうです。

 第5位はマンション工事のファーストコーポレーションのクオカード優待。従来は100株保有で1,000円分がもらえましたが、今11月末からは500株以上、1年以上の継続保有ではじめて2,000円分(3年以上継続保有なら3,000円分)と条件が厳しくなりました。同時期に自社株買いを行うなど、優待よりも配当、自社株買いを重視する方針のようです。

 第6位大江戸温泉リート投資法人の宿泊利用券優待です。11月と5月の年2回、5口以上保有する株主に、1,000円分の宿泊利用券1枚を贈呈。対象施設は「大江戸温泉あたみ」など全国8か所です。

 第7位は汎用医薬品メーカーのイワキ。11月末の年1回、100株を1年以上保有した株主に対して、3,000円相当の自社グループ化粧品、1,000円相当のグルメ品、もしくは寄付から選ぶ形の優待が提供されます。

 第8位は11月優待株では少数派の外食産業から唯一ランクインした串カツ田中ホールディングス。11月末の株主に対し年1回、100株保有で2,000円分の食事優待券が贈呈されます。

年末高に向かうのか、混乱が続くのか? 正念場の秋相場

 優待株の株価にも大打撃を与えてきた新型コロナウイルス。日本国内は少し収まりつつあるものの、感染が拡大しやすい秋・冬シーズンを迎え、いまだ先行きは不透明です。11月3日の米国大統領選も、現職トランプ氏か、それとも民主党バイデン氏か、すんなり大統領が決まらず、米国内が混乱に陥る事態も想定されています。

 とはいえ、新型コロナウイルスのワクチン開発の進展も期待され、波乱続きだったこの1年の優待株投資に少しは落ち着きが出てくることを期待したいものです。

 11月優待は自社商品や買物券の贈呈など、人気の高い銘柄がちらほらありますが、人気が集中すると権利落ち後の株価下落が厳しいものになるので気をつけましょう。

 さらに、多難続きだった2020年最後をしめくくる12月優待も目前に迫っています。もし、新型コロナウイルスや大統領選などをきっかけに株価が大きく下がるようなことがあれば、そこはある意味、人気優待株を底値で買うチャンスになるかもしれません。

11月株主優待 人気ランキング

1位 キユーピー

優待発生金額※1:228,600円
キユーピーの優待品例: 自社商品

順位 コード 銘柄名 優待品例 優待獲得に必要な最低金額※1
2 2769 ヴィレッジヴァンガードコーポレーション 買物券 107,000円
3 1419 タマホーム クオカード 143,900円
4 3244 サムティ 宿泊割引券等 165,900円
5 1430 ファーストコーポレーション クオカード 372,000円
6 8095 イワキ 自社グループ商品等 52,400円
7 3472 大江戸温泉リート投資法人 宿泊利用券 371,000円
8 3547 串カツ田中ホールディングス 食事券 176,400円
9 5942 日本フイルコン クオカード等 59,500円
10 3160 大光 クオカード 71,200円

最新の情報は、楽天証券の「株主優待検索」>

※この記事は銘柄を推奨するものではありません。
※売建可能数量や日歩は、楽天証券ウェブサイトにログインいただくとご覧いただけます。
※株主優待・配当金は各企業の判断で廃止・変更になる場合がございます。お取引にあたりましては最新の株主優待情報を各上場会社のホームページ等にてご確認ください。
※1優待発生金額 = 前営業日終値(10月8日) × 優待獲得最低株数*で計算した金額です。
※このランキングは楽天証券での保有されているお客様の人数が2020年10月1日時点で多い順番です。

「株主優待検索」のやり方

 11月の人気優待銘柄を「株主優待検索」で調べる方法を解説します。ログインは必要なく、どなたでもお使いできます。

 ※スマートフォンでお読みの方は、上記をクリックすると、「楽天証券スマートフォン専用サイトへ移動しますか?」とポップアップが出ます。「OK」をクリックしてください。スマホでも、PC版とほぼ同じ検索が行えます。
 ※楽天証券ウェブサイトのトップページから、「株主優待検索」を開く場合は、以下の通り、「国内株式 現物・信用」→「株主優待」とクリックしてください。次に、水色の文字で「株主優待検索>」と出ているところをクリックしてください。

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自分に合う株主優待銘柄を探すには?
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