今週の予想

今週も2万3,000円台を守れるかは米国株次第

 今週も上値の重い展開が想定されますが、本日29日(火)の9月末決算が終われば権利落ちで需給の下支えが一つなくなることになります。

 先週は、NYダウ平均株価の急落にもかかわらず、日経平均が予想よりもしっかりしていたのは、9月末の権利取りの買いや機関投資家の配当分の再投資への期待、日本銀行のETF(上場投資信託)買いが下値を支えていたからです。日経平均は単独では動けず、基本的にNYダウに連動するため、当面は注視が必要です。

 そのNYダウですが、チャート(今週の指標:NYダウ平均株価ページ参照)を見て分かるように先週21日(月)、2万7,147ドルで売り転換が出現しました。これを2016年2月11日の1万5,503ドルの安値から見ると上昇トレンド(A)を切っており、この中でコロナ相場暴落の今年3月23日につけた1万8,213ドルの安値からの上昇トレンド(B)も切って、売り転換となっています。早い段階で2万8,000ドルを回復し、9月16日の2万8,364ドルを上回れば別ですが、そうでなければ調整が続くとみた方がよいでしょう。

 NYダウの調整が続いた場合、日経平均はいつまでも2万3,000円を守ることはできません。すでに日経平均は24日にチャートに2万3,087円で売り転換が出現。日足チャートでは25日移動平均線を下回ってきました。目先は2万2,880円(先週末75日移動平均線2万2,789円)を切ってくると、もう一段下げが出てきます。

 新型コロナウイルスの新規感染者数も、一時減少していた東京で再び増加傾向となっており、9月19日から4日間の連休中の人の動きが、今後、感染状況の悪化となって現れるか警戒するところです。

 米国では、追加の経済政策の期待が出てきましたが、それほどのインパクトは期待できません。また、11月に迫った米大統領選挙に絡むイベントで、トランプ氏有利・不利が米国相場に方向感のない展開となれば、日経平均も連動することになります。

今週の指標:日経平均株価

 今週は、米国株式が上昇すれば2万3,000円を守れる可能性はありますが、チャートを見ると2020年3月19日の1万6,358円からの上昇トレンド(A)を切った上での9月24日の売り転換です。そのため、9月14日の2万3,582円を抜けない限り、調整の可能性を考えたほうがよいでしょう。目先の下値は2万2,880円ですが、ここを終値で切ってくるともう一段下げとなります。

今週の指標:NYダウ平均株価

 先週のNYダウは、9月21日に売り転換が出現。24日には2万6,537ドルまで下げて反発していますが、ここからの上昇は、基本的に戻り売りが継続することが予想されます。

 NYダウが高値を試すためには、まず2万8,000ドルを回復し、ザラ場高値の2万8,364ドルを終値で上に抜ける必要があります。交渉の合意ができた追加経済政策がサプライズ的な内容になれば別ですが、戻りを突破するような勢いはないでしょう。米大統領選を控えトランプ氏再選に向けての情勢でもみ合うことになりそうです。

 チャートの形からは、2016年2月11日の1万5,503ドルからの上昇トレンド(A)と2020年3月23日の1万8,213ドルからの上昇トレンド(B)の二つを切っており、調整が長引くことを暗示しています。

今週の指標:ドル/円

 欧州における新型コロナ感染拡大で世界経済の失速懸念があり、今週のドル/円はもみ合いながらも、リスク回避のドル選好が続いています。また、米追加経済政策を巡る交渉は再開することで合意、米国の景気回復期待が高まれば、ドル買い優勢が続くでしょう。しかし一方で、経済指標の発表により景気の鈍化が示されれば、ドル買いは縮小すると思われます。

先週の結果

先週は、4連休明けの3日間は、欧米株安にかかわらず2万3,300円台を守る

 先週の予測では、日本が4連休中の9月21日(月)、22日(火)に欧米株安となったことで、4連休明けの日本市場は売り先行、そして米株、為替をにらみながらの展開になるものの、9月末の配当取りを控え、先週の3営業日は下値は堅いとしました。ただし、NYダウは21日(月)にチャートで売り転換となっており、今後のNYダウの動きによっては2万3,000円を切る場面も考えられるとしました。

 結果的には、連休明けの23日(水)は、▲205円の2万3,154円まで下げるものの、日銀のETF買い観測もあり、下値は堅く終値は▲13円の2万3,346円、24日(木)は前日のNYダウの▲525ドルを受けて、日経平均は一時▲307円の2万3,039円と2万3,000円に接近するも、やはりETF買いにサポートされて、終値は▲258円の2万3,087円となりました。週末は前日の米国市場がしっかりしていたことで+116円の2万3,204円と、2万3,000円を守って引けました。

9月23日(水):NYダウが21日(月)に▲509ドルの2万7,147ドルとなって、チャートでは売り転換が出現したものの、22日(火)は、NYダウが+140ドルの2万7,288ドルと反発したことで、日経平均は▲114円の2万3,245円で寄り付きました。その後、▲205円の2万3,154円まで下げた後は下げ渋り、売り一巡後は持ち直しました。日銀のETF買い観測もあって後場には切り返し、▲13円の2万3,346円と小幅反落で引けました。 

24日(木):前日の米国株式は主力ハイテク株が再び大きく売られ、NYダウは▲525ドルの2万6,763ドルの下落となったことで、日経平均は▲131円で寄り付き、後場には▲307円の2万3,039円まで下げました。しかし2万3,000円を守り、▲258円の2万3,087円で取引を終えました。この日の日足は、25日移動平均線を陰線で切っており、チャートでも売り転換となっていますので、このまま2万3,000円を守り続けることができるのか注目となります。 

25日(金):前日の米国市場で主要3指標そろって小幅反発したことで、+129円の2万3,217円で寄り付き、一時+185円の2万3,272円まで上昇。後場には+66円の2万3,154円まで上げ幅を縮小するものの、その後は9月末配当や優待権利取りの買い、ETF買い期待もあり、持ち直して+116円の2万3,204円で引けました。

25日(金)米国市場:予想を下回る8月耐久財受注を嫌気し、下落スタートとなりましたが、ムニューシン米財務長官とペロシ下院議長が追加経済対策を巡る交渉の再開が合意されたとの報道で、早期の成立期待が再燃。また、主力ハイテク株も買われたことで、NYダウは+358ドルの2万7,173ドルと大幅続伸(主要3指標そろって大幅続伸)となりました。為替も1ドル=105円半ばまでドルが買われ、シカゴの日経先物は+135円の2万3,165円でした。