※モトリーフール米国本社、2020年9月9日投稿記事より

 COVID-19の世界的流行の経済的影響は、2020年第2四半期の決算シーズンに入るウォールストリートを不安に陥れました。

 しかし、各社のパフォーマンスは、それほど悪くはありませんでした。

 RBCキャピタルマーケッツによると、第2四半期決算はアナリストの予想を大幅に上回りました。

 S&P500企業の83%がアナリスト予想を上回ったといわれています。

 これは、多くの企業にとってCOVID-19の影響がほとんどなくなっているということを示しています。

 テクノロジーセクターは、決算期の最大の勝者の1つです。

 また、ハイテク企業は5Gワイヤレスネットワーク、リモートワーキング、人工知能、データセンターなどのトレンドから恩恵を受けているので、好決算は当然のことです。

 実際、コルボ(NASDAQ:QRVO)マイクロン・テクノロジー(NASDAQ:MU)などのテクノロジー株も、好調なビジネス条件、5Gの展開、およびデータセンター機器への需要の高まりにより、今四半期の決算は良好でした。

 この2つのチップメーカーは、今後も好調な決算を維持できる可能性が高いといえます。

 その理由を見てみましょう。

1. 5Gのおかげでコルボの未来は明るいといえます

 コルボの四半期売上高は、前年比で2桁増加しました。売上の60%近くがモバイル事業からです。スマートフォンの需要が強いため、業績が好調なのです。

 同社は現在、新製品の発売と5Gデバイスにおけるチャンスのおかげで、モバイルセグメントの売上高が加速するものと予想しています。

 さらに重要なことに、3つの理由でコルボのモバイルビジネスが複数年にわたり成長すると思われます。

 第1に、5Gスマートフォンの出荷は、サードパーティの見積もりによると、2025年までに15億台に急増する可能性があります。なお、今年の出荷予想はわずか2億5000万台です。

 第2に、コルボは「スマートフォンの5G需要は、当社のより複雑な部品を必要としています」と述べています。

 3番目の最も重要な理由は、5Gへの移行により、コルボの顧客が多くの部品を必要とするからです。

 アップルは、コルボの最大の顧客の1つです。売上の大半を占めており、同社に追加の収益機会を生み出す5G iPhoneを投入する準備が整っているようです。

 コルボの5Gチップは、サムソン、ビボ、シャオミなどでも使用されています。これは、今年の第1四半期に5Gスマートフォン市場を支配していた3社です。

 コルボのモバイルビジネスは、5Gへの移行の頂点に立っているため、明るい将来が待っています。しかし、5Gだけが同社のビジネスを後押しするわけではありません。

 5G基地局の導入により、窒化ガリウム(GaN、ネットワークの速度と効率を向上させるために5G基地局で使用されるコンポーネント)の需要が急増しており、この開発にもコルボは取り組んでいます。

 同社は前四半期に「継続的な5G基地局の展開をサポートする企業」としての地位を確立しました。

 しかし、市場はまだ成長の初期段階にあるため、これはほんの始まりに過ぎません。

 そのため、今後の決算でコルボがより良い決算を出すのを見ても驚かないでください。

2. マイクロン・テクノロジーの将来は明るく見えます

 マイクロン・テクノロジーは、前四半期に投資家に2桁の売上高成長と優れたガイダンスを提供しました。

 しかし、アナリストが「次の四半期に勢いを失う可能性がある」と述べたため、株価の上昇は短いものでした。

 マイクロンの株価は過去1か月で下落しましたが、同社の株価はすぐに回復するでしょう。

 メモリの価格は再び高まり始めています。

 DRAMeXchangeは、DRAMのスポット価格が、過去4か月で30%上昇した後、8月の最終週に再び上昇し始めたと報告しています。

 現在、DRAMの90%以上が契約価格に基づいて販売されています。

 したがって、スポット価格の改善がマイクロンの決算にプラスの影響を与えるまでには、しばらく時間がかかると思われます。

 投資家は、マイクロンの経営陣によって表明された懸念が、長期間持続しない可能性があることに注意する必要があります。

 前世代よりも多くのメモリを必要とする新しいゲーム機の発売により、DRAMの需要は年末にかけて回復し始めるはずです。

 さらに、マイクロンのモバイル事業は、4Gデバイスよりも多くのメモリを使用する5Gスマートフォンの登場により、非常に好調です。

 同社のモバイル事業の売上は、DRAMの出荷量が増加したため、前四半期比でほぼ30%増加しました。

 5Gスマートフォンの需要が今後数年間で爆発的に増加すると予想されているため、マイクロンはこのセグメントで大きな成長を続けるのは間違いありません。

 DRAMの価格が上昇しており、5Gスマートフォンやその他の要因により需要が高まるため、同社の好調な状況がしばらく続く可能性が高いといえます。

転載元:モトリーフール

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