第三者割当で2.3億米ドル調達へ、生徒募集の強化と技術向上に充当

現地コード 銘柄名
01797

新東方在線科技

(クーラーン・テクノロジー)

株価 情報種類

32.35HKD
(9/9現在)

 株価
 企業情報
 チャート

    新東方在線科技が上場来初の第三者割当計画を発表した。親会社の新東方(New Oriental)および創業者兼会長の兪敏洪(Yu Minhong)氏に新株5,940万株を割り当て、総額2億3,000万米ドル(=約17億8,300万HKドル、約15億7,600万元)を調達する計画。割当価格は1株当たり3.87米ドル(約30HKドル)と、9月8日終値に対して7.3%のディスカウント水準となる。調達資金は主に、販売促進・マーケティング活動の強化や技術のアップグレードに振り向ける方針。BOCIは増資によるEPS(1株当たり利益)希薄化を考慮し、目標株価を引き下げながらも、株価の先行きに対して強気見通しを継続している。

    今回発行する新株は、増資後発表済み株式総数の6.0%相当。ストックオプションによる変動を加味したBOCIの21年度末(21年5月末)予想比では、5.8%の希薄化率となる。親会社の新東方が2億3,000万米ドルのうち2億米ドル分、兪会長が残り3,000万米ドル分を引き受ける予定(兪会長はTigerstep社を通じて同社株を保有)。増資の完了後には、新東方の持ち株比率が53.2%から55.2%に上昇。兪会長の持ち株比率が1.69%から2.36%に上昇する。

    同社は調達資金のうち40%を、生徒募集に向けた販促・マーケティング活動の強化に振り向け、その他40%を技術プラットフォームのアップグレードに充てる計画。このほか、教員の採用および育成に10%を充当し、残る10%を一般運転資金に回す方針を明らかにしている。BOCIは今回の増資計画が、同社の先行きに対する親会社と創業者の強気見通しを反映していると指摘し、計画全般をポジティブと受け止めている。

    BOCIは予想売上高、予想純利益を据え置きながらも、増資によるEPS希薄化を反映させる形で目標株価を引き下げた。ただ、生徒募集活動の強化や技術面の向上、教員の育成などに必要とされる十分な資金の確保が、オンライン教育市場における同社のシェア拡大につながる可能性を指摘。株価の先行きに対して強気見通しを継続した。一方、レーティングの見直しにつながる可能性がある潜在リスク要因としては、採算化までに予想以上の時間がかかる可能性を挙げている。