今週の予想

今週は、米国株式次第で2万3,600円を超えられるかどうか

 今週も2万3,000円水準での値固めが続きそうです。

 これまでは米株の上昇と為替に支えられて日経平均株価も上昇してきましたが、米国市場ではハイテク株が過熱感から利益確定売りでの急落が続き、NYダウ平均株価は高値圏での上値の重いもみ合いとなっています。

 このNYダウの動きのわりには、日経平均はこの2週間は2万3,000円を守っています。新政権と経済回復への期待です。菅義偉官房長官が予想通り自民党総裁に選出で、アベノミクス継続(日銀の大規模緩和策など)となり、さらに追加の緩和策への期待も高まります。

 また、新型コロナウイルス感染状況の警戒レベルの引き下げ、10月1日より「Go Toトラベル」キャンペーンに東京都も組み入れされるなど景気の回復期待も出てきます。

 これまで、2019年11月から2020年2月のコロナ急落相場までの間は、2万3,100~2万3,600円のゾーンが上値のフシと、チャートから伝えてきました。しかし、9月3日に2万3,580円まで上昇して、いったんコロナ急落相場前の水準に戻してもみ合い、上値だったフシを解消していますので、次に2万3,580円を突破すれば2万4,000円が視野に入ってくることになります。もちろん米国株式と為替がある程度安定していることが条件となります。

今週の指標:日経平均株価

 日経平均株価は2万3,000円台でのもみ合いが続く中、チャートを見ると、2019年11月から2020年2月のコロナ急落相場前までの2万3,100~2万3,600円がフシとなっていました。しかし、9月3日には2万3,580円まで上昇し、新型コロナ急落前の水準に戻した後、もみ合っているので、次にここを突破すると2万4,000円が視野に入ってきます。

 米国の主力ハイテク株の落ち着きや追加経済対策への与野党の合意待ちとなるのか、それとも国内での上昇材料(自民党の支持率上昇、新型コロナ感染状況の警戒レベルの引き下げなど)がキッカケとなるのかどうかとなります。為替相場の落ち着きもプラス材料です。

今週の指標:NYダウ平均株価

 NYダウは、天井圏での上値の重い展開が続きそうです。

 追加の経済救済策は、共和党と民主党の支援策の見解の相違が大きく選挙を控えて歩み寄りが見られず、合意が後退しています。また、トランプ米政権による中国アプリ、ティックトック売却問題や中国留学生の旅券発行制限問題など、米中関係の悪化が深まっています。支援材料はFRB(米連邦準備制度理事会)による長期にわたる大規模緩和の維持であり、15~16日のFRBによるFOMC(米連邦公開市場委員会)開催でのパウエル議長の発言が注目となります。

今週の指標:ドル/円

 今週も1ドル=106円水準でのもみ合いが想定されます。9月15~16日のFRBによるFOMCの会合で追加の金融緩和につながる議論が活発化すれば、米国金利の先高感がさらに後退し、ドル売り・円買い圧力となる一方、国内では菅義偉官房長官が予想通り自民党総裁に選出。アベノミクスが継続(日銀の大規模緩和策など)されるので、リスク回避の円買いは後退するため、ドル/円はもみ合いが続くことになりそうです。1ドル=105~107円のレンジを想定しています。

先週の結果

週半ば米株安を受けて2万3,000円割る場面も、すぐに2万3,000円台回復

 先週の予測は、基本は前週と同じく2万3,000~2万3,600円の中のもみ合いを想定し、2万3,000円台での値固めができるかどうかに注目、そのためのポイントとして米株式と為替に大きな波乱がないこととしました。米株式は主力ハイテク株の利益確定による大きな下げが止まるかどうか、為替は1ドル=106円台前半での動きを維持できるかどうかでした。

 結局、為替は1ドル=106円台前半を維持し、米国株も一度は主力ハイテク株の引き続き急落があって、一時2万3,000円をザラ場で割る場面があったものの、すぐに盛り返し週末は2万3,400円台で引けました。

9月7日(月):前週末の米国株式が前日に続く主力ハイテク株の利益確定売りで一時、NYダウは▲628ドルまで下げましたが、終値で▲159ドルの2万8,133ドルに。主要3指標そろって下落となったことで、日経平均は▲59円の2万3,145円で寄り付き、一時▲118円の2万3,086円まで下げ、▲115円の2万3,089円と続落しました。

8日(火):前日の米国市場は休場でしたが、欧州株式が軒並み上昇したことで、+39円の2万3,129円を安値に徐々に盛り返し、後場になると時間外でのNYダウ先物高が支えとなって、一時+187円の2万3,277円まで上昇。終値は+184円の2万3,274円と3日ぶりの反発でした。 

9日(水):前日の米国市場でS&P500種株価指数の採用が見送りとなったテスラが20%近い下落となり、つれて主力ハイテク株が引き続き急落。NYダウは▲632ドルの2万7,500ドル、ナスダック総合株価指数は▲465ポイント、S&P500は▲95ポイントと主要3指標大幅下落で、日経平均も前場は▲395円の2万2,878円まで下げて、▲365円の2万2,908円と2万3,000円を割り込みました。しかし、後場になると日銀のETF(上場投資信託)買い観測を支えに下げ渋り、時間外でのナスダック先物が持ち直したことで、▲241円の2万3,032円とかろうじて2万3,000円台を回復して引けました。 

10日(木):前日の米国市場で急落した主力ハイテク株に押し目買いが入り、主要3指標そろって大幅反発となったことで、日経平均は+160円の2万3,193円で寄り付きました。その後、+210円の2万3,242円まで上昇するものの、買い一巡後は戻り待ちの売りで上げ幅を縮小。しかし、後場になると時間外での米株先物が再上昇したことで、もみ合いながら上げ幅を拡大し、+202円の2万3,235円と大幅反発で引けました。 

11日(金):前日の米国株式は主力ハイテク株が再び売られ、追加経済対策を巡る与野党協議難航で主要3指標そろって大幅反落。これを受けて日経平均は▲120円の2万3,114円で寄り付くとすぐに上げに転じ、この日の前場は+68円の2万3,304円に。後場は時間外の米株先物の上昇が支えとなり、+171円の2万3,406円で引けました。この日のメジャーSQ(特別清算指数)は2万3,272円でしたが、終値は2万3,406円だったため、今週は上値は重いものの下値は限定的と思われます。

 日本市場の引け後の米国株式は、前日の下落の反動や8月CPI(消費者物価指数)の予想を上回る結果を受けて、上昇スタートとなりました。しかし、また、主力ハイテク株の売りが強まり、ナスダック中心に大きく下げました。NYダウは+294ドルまで上げた後、▲86ドルまで下げ+131ドルの2万7,665ドルで引けましたが、ナスダックは▲66ポイントとマチマチの動きとなりました。シカゴの日経先物は▲10円の2万3,190円でした。