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国内の『アパレル』各社は、新型コロナの感染が拡大し外出自粛などで売り上げが落ち込み、名門企業が経営破綻するなど厳しい状況にあります。また在宅勤務の定着などで消費スタイルが一変し、衣料品の大量供給により、売り上げ増を図るビジネスモデルの抜本的な見直しを迫られています。こうした状況を受け、なかなか進まなかったブランドの廃止や閉店が加速してきました。構造改革とビジネスモデルの転換が進むことが期待されます。
【ポイント1】コロナ禍で総合『アパレル』の不振が深刻
『アパレル』業界は市場が縮小していく中、ブランドの乱立と大量供給による過剰在庫という課題を長年抱えてきましたが、是正する動きは限定的でした。現状では新型コロナの収束は見通せず、外出の機会の大幅減少は、おしゃれへの消費の減少につながり、中間価格帯を得意とする総合『アパレル』は特に深刻な状況にあります。こうした状況を受けて、企業は構造問題の改善を迫られ、ブランドの廃止や閉店が加速してきました。
【ポイント2】ブランド廃止や閉店が加速
ワールドは先駆けて実施した店舗閉鎖などで同業他社に比べ、在庫効率は改善していましたが、今回のコロナ禍を受けて、8月5日に、5ブランドの廃止や閉店、早期退職者の募集を軸とした構造改革を実施すると発表しました。「アクアガール」や「オゾック」など5ブランドを廃止します。廃止するブランドの閉店のほか低採算店なども合わせ、今期(2021年3月期)中の358店の退店を予定しています。約200人の希望退職を募ります。
百貨店を主要販路とするオンワードHDは男性向けの「23区オム」を休止の方向です。2019~2020年度に全体の半数弱にあたる約1,400店の撤退を計画しています。一方で同社は7月13日にZOZOと衣料品の製造販売で提携すると発表しました。一時はたもとを分かった2社ですが、再び接近し、同社はネット取引へのシフトを加速します。
【今後の展開】リストラとビジネスモデル転換の取り組みに期待
ウィズコロナに対応するため、『アパレル』業界は衣料品の大量供給から、EC(電子商取引)へのシフトや個性的な商品を求める小口の需要をとらえて、商品化、収益化するスタイルなどにビジネスモデルの転換を急いでいます。今後の成長を左右するとみられる『アパレル』各社のこうしたリストラやビジネスモデルの転換への取り組みが注目されます。
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