コロナ禍で支出7.6%減!お金の使い道に変化

 仕事はテレワークやローテーション勤務。「3密」を避け、「おうち時間」の充実を図る。さらに、大人数の飲み会はすっかりなくなり、代わりに家飲み・オンライン飲みを楽しむ。「Withコロナ時代」の新しい生活様式に、少しずつ慣れてきたという方も多いのではないでしょうか。

 そうした中、総務省が発表した7月の家計調査(※)によると、2人以上の世帯の消費支出が、前年同月から7.6%減少していたことが分かりました。特に衣料品や交通費、レジャーや外食関連の支出の減少が目立っており、コロナ禍での生活様式の変化によって、今まで当たり前に消費していたモノ・コトに対して、お金を使わなくなった方が増えているようです。
※出所:総務省「家計調査(二人以上の世帯)2020年(令和2年)7月分」(2020年9月8日公表)

コロナ自粛で余ったお金の使い道を調査

 では、その使わなくなったお金の行き先はどうなったのでしょうか。

 トウシルでは、「コロナ自粛で余ったお金の使い道」と題してアンケートを行ったところ、3,661票の回答が集まりました。

6割以上の人が「消費」から「投資」へ

 最も多かった回答は「株式投資」で26.7%、次いで「預貯金」が15.8%、「投資信託の購入」15.0%、「投資信託の積立」14.9%という結果になりました。「株式投資」「投資信託の購入」「投資信託の積立」「その他の投資」の回答数を足し合わせると、実に全体の6割もの人が使わなかったお金を「投資」に回していたことが分かりました。

 日頃から投資情報に敏感なトウシル読者ならではの結果ともいえそうですが、ともあれ、コロナ自粛で余ったお金を投資に回している人が約6割というのは、興味深いところです。

合計:3661票

 このアンケート調査を裏付けるように、楽天証券によると、新たに投資信託の積み立てを始める「積立デビュー者」の人数がここ数カ月で増えているとのこと。また、すでに投信積立をしている人のうち、毎月の積立額を増額する人が増える傾向も見られるようです。コロナ禍を機にお金の使い方を見直し、消費に消えていたお金を、将来の資産形成のために使う人が増えてきているといえるかもしれません。

毎月2万円の飲み会代を積み立てた場合の投資効果は?

 こうしてみると、コロナ禍の生活様式の変化によって減少した支出のうち、実は今までも使わなくてもよかった、あるいはもう少し削減できた支出があるのではないでしょうか。

 たとえば、今まで週2回参加していた職場の人との飲み会がコロナ禍でなくなったことで、「自分にとってあんまり意味のない飲み会だったな」と気づかされた人もいるかもしれません。

 そこで、アンケート調査結果にならって、仮に1カ月4万円の飲み会代(5,000円×8回)を半分に削減し、節約した2万円を「投資信託の積立」にするとします。毎月積み立てていった場合の積立効果を「 積立シミュレーション 」してみると、20年後に原資480万円が約822万円、40年後には原資960万円が約3,052万円という結果になりました。

▼20年後のシミュレーション結果

▼40年後のシミュレーション 結果

注:運用利率を年率5%*として、試算(*GPIFのリターン約3%と外国株式のリターン約8%の中間となる「5%」を目標リターンに設定)

 通常なら忙しくて考える時間がない人も、生活様式が大きく変化した今は、普段のお金の使い方を見直してみるいい機会です。このシミュレーションはあくまでも例ですが、お金は使ってしまえば残りません。「使わなくなったお金」や「使わなくてもいいお金」を、少し先を見据えた将来の資産形成のために使ってみては?