今週の予想

引き続き2万3,000円台の値固めができるかに注目

 今週の日経平均株価は、基本的には先週と同じく2万3,000~2万3,600円のもみ合いを想定し、2万3,000円台の値固めができるかどうかが注目となります。その値固めのためにはいくつかの条件があります。まず、米国株と為替に大きく波乱がないことです。

 米国株式は主力ハイテク株の利益確定売りから先週後半大きく下げましたが、これが下げ止まるかどうかです。

 また、今週の11日(金)はメジャーSQ(特別清算指数)で、米国株式の動きによっては先物主導で上にも下にも大きく動く場合がありますので注視するところ。目先は日経平均株価もNYダウ平均株価に続いて、コロナ・ショック前の高値をつけたことで、目先の目標達成感があり、一気に上に抜けていくのは難しいと思われます。何度も言うように、日本株式は米国株式次第と言えます。

 その米国株式はハイテク株の上昇し過ぎからの利益確定の問題だけでなく、11月の米大統領選挙の前に不透明感が出ています。その理由は、追加の経済対策のメドが立っていないこと、国民を支援する失業保険補助金の支払いが滞っていることなどです。しかし、逆に追加の財政支援の拡大を打ち出せば米株は上昇し、日経平均も連動することになります。

 7日は、基本的に上値は重いものの、▲115円の2万3,089円のうち、ソフトバンク一社で▲97円も下げました。下落銘柄817銘柄、上昇銘柄1,277銘柄を見るとよく分かります。米ハイテク株で巨額のデリバティブ取引をしたことで、ソフトバンクが「投機会社」と見られて嫌気されたことが原因です。

今週の指標:日経平均株価

 今週は、米国株式が過熱感から、さらに不安定な値動きにならない限り、先週と同じように2万3,000~2万3,600円のもみ合いとなって2万3,000円台の値固めをすることになります。ただし8月25日には、新型コロナウイルス感染拡大による急落前の水準に戻したことで、目先の達成感もあり、米国株式が主力ハイテク株の利益確定売りでさらに不安定な相場の可能性もあり、上値が重たい展開になると思われます。

今週の指標:NYダウ平均株価

 年を通じて9月相場は弱い月となっています。FRB(米連邦準備制度理事会)は長期にわたる低金利の維持方針を示していますが、さらに同時に財政支援の拡大も打ち出せるのかがポイントとなります。今月は要注意の月となります。

今週の指標:ドル/円

 今週のドル/円は、106円でのもみ合いが続くとみられます。FRBは追加の金融緩和を検討しており、9月15~16日開催のFOMC(米連邦公開市場委員会)で量的緩和策の拡大について議論される可能性があります。そうなると低金利の継続で金利の先高感は一段と後退し、ドル売り・円買いの流れとなります。しかし、10日にECB(欧州中央銀行)が緩和策の拡大に踏み切るということでユーロ売り・ドル買いが増える可能性があり、ドル/円はもみ合いとなりそうです。

先週の結果

先週は想定した2万3,000円水準(2万3,000~2万3,600円)でのもみ合い

 先週の予測は、前週末の▲326円の2万2,882円を取り戻した後、再び2万3,000~2万3,600円の中でのもみ合いが想定されるとしました。結果的に週明けの8月31日(月)に+257円の2万3,139円と反発し、9月3日(木)に2万3,580円まで上昇。週末は2万3,098円まで下落し、2万3,205円で引けました。手掛かり材料がない中、方向感のない展開となり、2万3,000~2万3,600円の中で高値2万3,580円、安値2万3,098円と上限から下限の動きとなりました。

8月31日(月):前週末の米株高を受けて、日経平均は+264円の2万3,147円で寄り付き、時間外での米株先物の上昇を受け、一時+459円の2万3,342円まで上昇。買い一巡後は上値重く大引けにかけて伸び悩み、+257円の2万3,139円と4日ぶりの大幅反発となりました。 

9月1日(火):前日の米国市場で長期金利の低下を受けて金融株が下落し、NYダウが▲223ドルの2万8,430ドルと反落したことで、日経平均も▲50円の2万3,089円で寄り付き、一時▲91円の2万3,047円まで下げました。後場になると売り買いが交錯し、前日の終値を挟んだもみ合いとなり、▲1円の2万3,138円と小反落しました。 

2日(水):前日の米国市場では、アップルなどのハイテク株が相場をけん引し、8月ISM製造業PMI(購買担当者景気指数)も予想を上回ったことで、主要3指標そろって大幅上昇(ナスダック総合株価指数とS&P500種株価指数は最高値更新)。これにより日経平均は+123円の2万3,261円で寄り付き、一時+149円の2万3,287円まで上昇。その後は上値重く、終値は+109円の2万3,247円となりました。 米株の上昇のわりには日経平均の上値が重いと言えます。市場の見方は菅義偉氏が総理になっても安倍政権下の政策を超えるのは難しく、買い進めにくいというものです。 

3日(木):前日の米国市場が半導体の軒並み高を受け、出遅れ株も動意づいたことで主要3指標が前日に続いて大幅高となり、日経平均は+277円の2万3,524円で寄り付いて+333円の2万3,580円まで上昇。2月21日のコロナ暴落前の水準2万3,386円を上に抜けたことで目標達成感もあり、上げ幅を縮小し+218円の2万3,465円となりました。

4日(金):前日の米国株式がハイテク株の利益確定売りをきっかけに、NYダウが▲807ドルの2万8,292ドルをはじめ、主要3指標そろって大幅安。これを受けて日経平均は▲335円の2万3,130円で寄り付きましたが、下げは▲366円の2万3,098円で止まるものの、戻りは限定的で▲260円の2万3,205円と3日ぶりの大幅安となりました。

 日本市場の引け後の米国市場では、注目の8月米雇用統計は、非農業部門雇用者数はやや減少したものの、予想通り失業率は改善。平均時給も予想を上回るおおむね強い結果となりましたが、前日に続いて主力ハイテク株が利益確定売りで一時、急落となりました。そのため主要3指標は一時そろって急落。NYダウは朝方は+247ドルの後、▲628ドルまで急落し、▲150ドルの2万8,133ドルとなりました。しかし、日経平均のシカゴ日経先物は、為替が1ドル=106円台の前半で落ち着いていたことで、+5円の2万3,175円となっていました。