投資を考えるときに、必ず出てくる言葉がリスクです。この言葉の意味は、日常生活で使っているリスクという言葉と意味が異なります。今回は、投資の世界におけるリスクとは、何かということをお伝えします。
リスクという言葉
この言葉を聞いて、思い浮かぶことは何でしょうか?
おそらく「危ないこと」というイメージがまず浮かんだと思います。また投資という観点から考えると、リスクとは損失が出る可能性、危険性といった意味合いだと考える方が多いと思います。確かに私達の日常生活では、概ねそのような意味で使われている言葉です。
リスクとは、価格の変動率のこと
投資の世界ではリスクとは「価格の変動率」を意味します。平たく言うと、価格がどれくらい変動するか、その大きさの度合いを表します。そこには、危ないといった意味合いはなく、単に価格がどれくらい変動するかを表すだけです。
イメージをつかむために、子供の遊びに例えて説明します。
以下は、ブランコを漕いで、勢いをつけて、前に飛ぼうとしている女の子の絵です。みなさんも子供の頃、やったことがある遊びなのではないでしょうか?
ブランコから飛び降りて、前に飛ぶためには、勢いをつけることが必要です。そのためには、ブランコを漕がなければなりません。
前に飛ぶことが目的ですが、ブランコは前だけに漕ぐことはできません。必ず、前にも後ろにも漕ぐことになります。
そして、より遠くへ飛びたいのならば、前にも後ろにもより強く漕ぐことになります。
このブランコを漕ぐときに、どれだけ強く漕ぐかという度合いこそが、投資の世界におけるリスクです。
上の絵で、ブランコの前に漕ぐ距離をプラスリターン、後ろに漕ぐ距離をマイナスリターンと考えてください。そうすると、前にどれだけ漕ぐか、後ろにどれだけ漕ぐかが、それぞれプラスリターン、マイナスリターンになります。
どれだけブランコを前後に強く漕ぐか、どれだけ価格がプラスマイナスに振れるか、これこそがリスクです。
リスクを取らなければ、リターンは得られない
次に、ブランコから飛んで着地した距離を、実際の投資リターンと考えてください。つまり、飛んだ距離=投資の成果ということです。
既に書きましたが、遠くに飛びたければ、ブランコをより強く漕ぐ必要があります。ただし、後ろに漕いでいるときに、誤って飛び降りると、飛んだ距離はマイナスになってしまいます。
実は、これは株式投資にも当てはめることができます。株価がプラスマイナス問わず、日々の騰落率(価格の変化)が激しく変動するほど、投資リターンはプラスマイナス問わず、大きくなるのです。
投資成果がマイナスになるのは、誰もが避けたいところですが、ブランコで前に飛ぼうとすると、前にも後ろにも漕がなければならないのと同様に、株式投資でもプラスリターンを得ようとするのであれば、価格がプラスにもマイナスにも振れること(価格の変動率)、すなわちリスクを受け入れなければなりません。
リスクを取らないことは、ブランコを漕がないことであり、結果は、ブランコから前に飛べないのと同様に、リターンはゼロになります。
リスクとは何かということは、投資の基礎を理解する上で非常に重要です。投資についての具体的な話ではないので、退屈かもしれませんが、基礎を理解しないまま、投資をすることは避けるべきです。次回もリスクについて、引き続き説明したいと思います。
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