※モトリーフール米国本社、2020年8月10日投稿記事より。

 新型コロナウイルスは米国経済、そして規模の大小を問わず米国企業に影響を及ぼしています。

 消費者が以前よりショッピングや外食に出掛けなくなったことで、企業側では人員削減が進められ、米国の失業率は10%を超えました。

 そんな状況下でも、一部のハイテク株は成長を続けています。

 ここでは、リモートワークや外出自粛の追い風を受けて製品やサービスへの需要が伸びている3銘柄を紹介します(株価および株価指標等は執筆時点)。

1. アップル

 安定した大企業は優良な長期投資を行えるだけでなく、経済が不透明な状況下で自らが優良な投資先になり得ると証明している企業の一つが、アップル(NASDAQ:AAPL)です。

 2020年度第3四半期(4~6月)はコロナ禍中にありながら11%の増収と18%の増益を達成しました。

 売上高は597億ドル、1株当たり利益(EPS)は2.58ドルと、いずれもアナリストのコンセンサス予想(それぞれ523億ドルと2.07ドル)を大幅に上回りました。

 とりわけサービス部門とウェアラブル・ホーム・アクセサリー部門が大きく伸び、それぞれ15%と16.7%の増収率を記録しています。

 この数カ月、投資家は不透明な時期を乗り越えられる企業を求めており、1,940億ドルのキャッシュ、忠誠度の高い顧客層、充実度を高める各種サービスを誇る同社には注目が集まっています。

 株価は今年に入って54%、過去12カ月では130%上昇しています。

2. ファストリー

 エッジコンピューティング大手のファストリー(NYSE:FSLY)は消費者にとって有名な企業ではありませんが、今年に入って投資家の間で注目度を上げています。

 人々が自宅で過ごす時間が増える中で重要性を増す、ウェブサイト、アプリ、動画の表示速度を高めるサービスを企業に提供しているためです。

 第2四半期(4~6月)の売上高は前年同期比62%増の7,500万ドルと非常に好調で、アナリストのコンセンサス予想である7,140万ドルを軽々と上回りました。

 非GAAP(調整後)EPSも0.01ドルの赤字予想に対し、0.02ドルの黒字を確保しています。

 加えて、顧客数は第1四半期の1,837社から1,951社に伸び、粗利率も前年同期の55.6%から61.7%に上昇しています。

 なぜか第2四半期決算発表後、多くの投資家に売られ、株価は18%近く急落しました。

 しかし、オンラインのユーザーエクスペリエンスを向上させる同社のサービスが顧客企業に恩恵をもたらしていることは、その業績の伸びからも明らかです。

 年初来では株価は333%上昇しており、決算発表後の急落は投資家に買いのチャンスを与えたと言えるかもしれません。

3. ショッピファイ

 米国で新型コロナウイルスの大流行が始まった数カ月前、大小の企業が事業存続のためeコマースの利用を開始しました。

 それに伴いサービス需要急増の恩恵を受けたのが、既に急成長していたeコマースプラットフォーム大手のショッピファイ(NYSE:SHOP)です。

 第2四半期(4~6月)の売上高は97%増の7億1,430万ドルとなり、アナリストのコンセンサス予想である5億1,080万ドルを大きく上回りました。

 流通総額(GMV、プラットフォーム取引された商品の総額)も119%伸び、301億ドルに達しています。

 株価は過去12カ月で223%上昇しており、ウイルスの収束と対面販売の先行きの見通しが立たない中、コロナ禍中、そしてそれ以降も業績を伸ばし続けていきそうです。

転載元:モトリーフール

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