本日のレンジ予測

[本日のドル/円]

上値メドは108.07

下値メドは104.79

今朝の天気マークは「晴れ」

※天気の判定基準は記事末尾にあります

パウエルFRB議長が重要発言

 パウエルFRB(米連邦準備制度理事会)議長は27日(木曜)、ジャクソンホールの国際経済シンポジウムで講演を行い、インフレ政策として「平均物価目標」採用することを発表しました。平均物価目標とはインフレ率が(FRBの目標値である)2%を一時的にオーバーシュートしてもそれを容認するということ。これまで以上に積極的な「リフレ政策」で、FRB利上げのタイミングは、当然その分遅くなります。

 ただし平均物価目標の採用は、マーケットにとって想定内でした。それ以上に重要な変化があったのは雇用に関する文言。パウエル議長は、低所得者層や非白人労働者が恩恵を感じることができるような政策運営を行うと表明しました。つまり、統計上の失業率が下がっても、しばらくは政策変更をしない、緩和政策を継続することを示唆しています。

 雇用に関する政策は、平均物価目標と共にFRBが「ハト派(弱気)」方向に強く傾斜したことを示しています。そのうえで、中央銀行が雇用における人種問題まで踏み込んだ政策を掲げるのは異例のことです。パウエル議長は、インフレ以上に雇用を重視すると明言しています。

 雇用政策については予想以上の「ハト派」内容だったわけですが、平均物価目標については、パウエルFRB議長が具体的な数値目標を示さなかったことでマーケットはやや失望。FRBはその時の判断において利上げするカードを手元に残しているという点で、それほど「ハト派」ではないという評価が固まりつつあるようです。

 果たしてFRBは弱気なのか、そうではないのかとマーケットは混乱気味で、米長期金利は、0.64%まで低下したあと0.75%急上昇する一方、NYダウ平均株価は続伸して半年ぶり高値を更新。一方ナスダックは下落。ドル/円は105.60円まで下げあと、106.70円まで急反発。

 マーケットがパウエルFRB議長の発言内容を咀嚼するまでにもう少し時間が必要なようです。その意味で今夜の海外市場の動きには注目したいと思います。ところで、今年のジャクソンホールはバーチャルでした。パウエルFRB議長はZoom飲み会するのでしょうか。

毎ヨミ!FXトップニュース

27日のドル/円のNY市場終値は106.57円

 前営業日の終値比+0.59円だったので、今朝の天気マークは「晴れ」です。

今日の格言:

自分のシステムがポジション保有を指示したら、自分の衝動が何を言おうとも、小さな利益で満足する誘惑に負けてはいけない

各国・各通貨トピックス

新型コロナウイルス:
    ビル・ゲイツ氏、米国のPCR検査は「全くの無駄」 結果出るまで時間がかかりすぎ
    金利が新型コロナ前の水準に戻るのは40年後

ドル:
    FOMC(米連邦公開市場委員会)、9月に政策見直しの可能性
    経済先行き不安  米国内のヒト移動量の伸びが止まり、家計支出は横ばい状態
    パウエルFRB議長「新型コロナが6月後半以降の消費者支出と雇用に影響を与えた」 
    貿易戦争がなければ、非農業部門雇用者数は月40,000人増えていた 

米大統領選:
    トランプ氏、選挙に負けてもホワイトハウスに居残るための緊急プランを画策中 

ユーロ:
    イタリア中銀総裁「イタリア経済の構造改革のためにEU(欧州連合)のお金を活用する」  

ポンド:
    英失業率は休業補償で低く抑えられている。終了と同時に急上昇

円:
    小池都知事の新型コロナ会見、「横文字乱発」でシニア世代には、ほとんどイミフという問題

NY株式市場:
    名目金利の上昇は実質金利の上昇に直結。株価に近い将来強い逆風が吹くことも

トルコリラ:
    トルコリラ:リラの水準よりも競争力の方が重要

その他:
    ビートルズファンの聖地「キャヴァーン・クラブ」、コロナ禍で閉鎖危機
    サマンサタバサが債務超過に転落
    グーグル、マイクロソフトなどが「大統領選のフェイクニュース」と戦うために政府に協力
    Google、1万年かかる計算をわずか3分20秒で解けるコンピューターを開発

主要指標終値

出所:楽天証券が作成

本日の注目通貨

ドル/円: 

出所:MarketSpeed FXより、楽天証券作成

ユーロ/ドル: 

出所:MarketSpeed FXより、楽天証券作成

トレード前に必ずチェック!今週発表の重要指標!

経済指標過去データは楽天証券サイトにてご確認ください。 出所:楽天証券作成

◎天気の判定基準とは?

天気マークを見るだけで、ドル高で引けたのか、それともドル安で引けたか、ひと目で確認することができます。

・「晴れ」
当日の終値が、前日の終値に比べて0.20円を超えるドル高/円安だった場合は、「晴れ」の天気マークを表示します。

・「雨」
反対に、終値が0.20円を超えるドル安/円高だった場合は、「雨」の天気マークを表示します。

・「くもり」
終値が上下0.20円の範囲にあった場合は「曇り」のマークを表示します。

※天気マークは、前日の終値との比較を示したもので、今日のマーケットの方向を予想するものではありませんので、ご注意ください。

※ちなみに2018年は、「晴れ」80日、「雨」82日、「くもり」98日 でした。
また、2018年は延べで43.33円上昇、延べで46.41円下落。差引3.08円の円高(2017年末に比べて)でした。