「バイナリーオプション」ってたまに目にするけど何? FX(外国為替証拠金取引)とどう違うの? 日本のFX投資に欠かすことのできない情報源、「羊飼いのFXブログ」を運営する、羊飼いさんに、その特徴やメリット、注意点などを全2回にわたり教えていただく!

 はじめまして。羊飼いです。わたしのブログでは、FX投資にまつわる、経済指標やイベント、会社ごとのサービスの違い、投資戦略などについて紹介していますが、その中で「バイナリーオプション」についてもずっと関心を持っていました。そこで、はじめてバイナリーオプションという言葉を聞いた方でも、どんな商品か? どんな方に合う商品なのか? 注意点は何か? などがわかるようにお話ししたいと思います。

バイナリーオプションって何?為替の上下を予測する?

 まずは『バイナリーオプション』という言葉には、どんな意味があるのでしょう?

・バイナリー:二進法→「0」か「1」かの二者択一
・オプション:オプション取引

 という2つの単語の組み合わせ。なので、バイナリーオプションとは二者択一のオプション取引のことを指します。 

 しかし、これではまだ、ちんぷんかんぷんですよね……。
 羊飼いも最初は何が何だか全く分かりませんでした。

 でも、大丈夫。実は分かりやすい商品なんです。

 日本の個人投資家の方が接することの多い、金融商品としての「バイナリーオプション」は、米ドルやユーロ、日本円などの「為替」を対象とするケースがほとんどです。

 そして、この場合の二者択一とは、「為替レートの上か下か」です。

 つまり、
「バイナリーオプション」とは、

 為替レートがある時点において、あるレートより上か下か

 を予測することで利益を狙う取引なのです。

※今回紹介するのは国内業者が提供するバイナリーオプションのみです。ここでは詳しく触れませんが、海外業者が提供するものはトラブルが多いので関わらないことをお勧めします。国内の証券会社やFX会社が提供するバイナリーオプションは、日本の金融庁が定めたルールの下、信頼できる会社が提供する金融商品なので安心してください。

バイナリーオプションはどうなるともうかるの?損するの?

 もう少し具体的に見ていきましょう。

 バイナリーオプションでは、取引会社が決めた「開始時間」と「終了時間」のセットが、1日に何度も繰り返されます。この時の終了時間がバイナリーオプションの勝ち負けの判定時間になります。

 最初に説明したバイナリーの意味である二者択一、条件を満たすか満たさないか、投資が成功したか失敗したかがこの判定時間で決まることになります。

◆バイナリーオプションの取引時間のイメージ

 終了時間=判定時間が12時00分のバイナリーオプションで、
 米ドル/円のレートが「105円50銭より上」になりそうだ、と予測したとしましょう。

 この場合、終了時間(12時00分)のレートが
 105円51銭であれば、成功です。
 実際には0.1銭刻みなので、105円50.1銭でも成功。

 105円49銭や105円49.9銭など、少しでも105円50銭を割り込むと失敗となります。

 逆に、「105円50銭より下」であると予測した取引もできます。
 その場合は、成功か失敗かが全て真逆になります。

 たとえば、105円49銭なら成功、105円51銭なら失敗です。

目標レートより上か、下かを予測する

◆バイナリーオプションの目標レート

 実際のバイナリーオプションには、為替レートにあらかじめ決まった区切りが複数設定してあります。

 例えば、上の図のような感じです。
 この区切りを「目標レート」と呼ぶことが多いようです。

 実際にバイナリーオプションを取引する際には、この目標レートの中から自分で選んで、判定時間にそのレートより上になるか下になるかを予測して購入します。

◆バイナリーオプションの取引イメージ

「バイナリーオプションとは何か?」
 というはじめの疑問に対する答えを、もう少しくわしく説明すると、

 為替レートが、
 取引会社が設定した判定時間に、
 選んだ目標レートより上になるか下になるかを
 予測することで
 利益を狙う取引

 となります。

 そう、実はバイナリーオプションは、投資する側からすると、分かりやすい商品なのです。

バイナリーオプションのメリットは?

「上か下か予測できるなら、普通のFXでやればいいのでは!?」
 そう思う人も多いかもしれません。

 そこで、バイナリーオプションの特徴からメリットを考えてみたいと思います。

・ルールが分かりやすい
→上か下かを予測する

・損失が限定的である
→オプションの買い手の場合、損失はオプションの購入金額と同額となる

・時間が限定されている
→取引時間が2~3時間と短時間。長時間相場に張り付く必要はなし

・大きな利益になることもある
→最大で20倍になる可能性もある

・相場が動かなくてももうかる可能性がある
→購入時点から為替レートが変動しなくても条件を満たせば利益になる可能性がある

・途中で転売も可能
→判定時間を待たずに転売することも可能

 このように、とても少額からはじめられ、短期間で大きく増やせる可能性があるというのが大きな特徴。そして、取引期間や損失が限定されている点がFXにはないメリットと言えるでしょう。

バイナリーオプションのデメリットと注意点は?

 取引ルールが分かりやすいバイナリーオプションですが、金融商品ですから、やはり気をつけなければいけないこともあります。そこで、次にデメリットや注意点についてみていきましょう。

・予測が外れると0になる
→予測が外れると、投資金額がすべて損になってしまう

・判定時間で全てが決まってしまう
→終了時間の一瞬のレートで勝敗が決まる、持ち越せない

・短時間で決まってしまう、時間が限定されている
→この点は人や状況によって、メリットでもあり、デメリットでもある

・購入価格と転売価格の差が大きめ
→判定時間を待たずに転売することが可能ですが、買値と売値の価格差が大きい

・希望の時間に開催していない時がある
→多くの取引会社で2時間ごとに開始と終了を繰り返すため、判定時間が希望の時間でない場合も

・海外の取引会社を経由した詐欺が一時流行ったことでイメージが悪い
→一時ニュースになったこともあり、悪いイメージを持っている人も

 このように、注意点は、まずは予測が外れると投資金額はゼロになること。取引時間が限定されているのはメリットにもなりうる半面、「あと少し持っていれば勝ったのに」がありません。

 また、取引が短期で繰り返され、ずっと失敗しつづければ、損失は当然増えていきます。この点は、大いに注意するべきポイント。

 やはり、どんな戦略が有効か? を考えることがとても大事です。

 羊飼いは、バイナリーオプションで大きくもうけた人と対談したことがあるのですが、その内の何人かが言っていました。

『バイナリーオプションはFXよりも取引しやすい』と…。
 よくよく聞いてみるといろいろな技というか手法などもあるようなのです。

 次回は、基本的な取引方法から具体的に見てみましょう。