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9月11日に“Special Quotation”(『SQ』)を迎えます。前々回の3月13日の『SQ』に向けては新型コロナの世界的な拡大などを背景に日経平均株価は下落が加速しました。前回の6月12日に向けてはコロナショックで積みあがったショートポジションの買戻しなどで急上昇しました。今回はショートポジションは依然高水準ですが、日経平均株価は直近3カ月もみ合いに終始しており、大波乱は回避される可能性が高いとみられます。
【ポイント1】『SQ』とは先物・オプション取引を決済するための特別清算指数
『SQ』前は変動性が高まる傾向
9月11日に株価指数先物とオプション取引の『SQ』を迎えます。『SQ』とは株価指数の先物取引やオプション取引などを、決済期日で決済するための「特別清算指数」のことを指します。
投資家は『SQ』に向けて多様なポジションの決済等の対応を迫られます。『SQ』前に何らかの要因で株価が変動した場合にポジションを一気に解消する動きが出て、株価の変動率が大きくなる傾向があります。
【ポイント2】ショートポジションは高水準
NT倍率も高水準
テクニカル指標は、あまり過熱感を示す指標はみられません。一方需給関連指標をみると、ネット裁定残高はボトムの5月25日の▲8.85億株からは縮小していますが、8月21日で▲4.04億株と異例な状況にあり、ショートポジションはなお高水準にあると言えます。
日経平均株価をTOPIX(東証株価指数)で割ったNT倍率は日本銀行が3月16日にETF(上場投資信託)の購入目標額を12兆円に倍増を決めた際に、日銀の買いは大部分がTOPIXのため「日経平均売り・TOPIX買い(NT取引)」の取引が活発化し、3月19日には12.89倍まで低下しました。その後このポジションの買戻しなどが続きNT倍率は8月25日には14.33倍となっています。
【今後の展開】今回の『SQ』は前々回、前回のような大波乱は回避か?
3月『SQ』後の19日に日経平均株価は年初来安値の1万6,552.83円を付けました。その後急反騰して6月の『SQ』前の6月8日には2万3,000円を回復、その後は戻り一巡となっています。このように『SQ』前後は相場の転換点となることが多く、注目されます。今回は前回までのような混乱した状況になく、大きな波乱は回避されるとみられます。ただ、なお高水準とみられるショートポジションなどの買戻しなどが入って株価やNT倍率が上昇する場合は、買戻し主導による株式市場やNT倍率の上昇局面は一巡する可能性があります。
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