生保ビジネスの成長に期待、商品構成の優良化で企業価値拡大へ

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銘柄名 株価 情報種類
01339

中国人民保険集団股フン有限公司

(ザ・ピープルズ・インシュランス・カンパニー)

 3.42 HKD
(9/28現在)

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 中国人民保険集団はこのほど、A株IPO(新規株式公開)申請を中国証券監督管理委員会(CSRC)が受理したと発表した。BOCIは生保ビジネスの長期成長を目指す上で必要な資本増強につながるとして、同社のA株上場計画を前向きに評価。また、この先の商品ミックスの優良化や成長性の改善を見込み、2017-19年の予想新契約価値をそれぞれ3.2%、12.3%、18.8%上方修正した。一方、予想純利益を1.7-8.1%減額修正したが、これは保険事業の質的改善に向けた営業コミッション率の引き上げが利益を圧迫するとの見方が背景。同社株価の先行き見通しを、中立から強気に引き上げている。

 同社の生保子会社、中国人民人寿保険(PICC Life)の新契約価値は17年上期に前年同期比81.6%増と、上場生保各社を上回る伸びを記録した。低利益率の一時払いバンカシュアランス(銀行窓口販売)商品から、外交員経由の定期払い商品に重点をシフトするという商品ミックスの改善によるもの。BOCIは上場生保各社と比較した生保ビジネスの規模の小ささから、短期間で商品構成の改善を進めることが可能との見方。新契約価値の伸びが向こう3年間、年率平均30%を超える見通しを示した。生保事業のROEV(リターン・オン・エンベディッド・バリュー:企業価値の成長性を測る指標)については同20%超の伸びを見込んでいる。

 一方、主力の損保ビジネスについて、BOCIは各種商品ラインがそれぞれ課題に直面している現状を指摘している。ただ、損保子会社・中国人民財産保険(PICC P&C:02328)のコンバインドレシオ(損保の収益力指標)に関しては、年率6-7%増の保険料収入の伸びを前提に、17年予想の98.1%から19年には99.6%に上向くとみている。

 中国人民保険集団の現在株価は17年予想P/EV倍率(株価EV倍率)で0.8倍、予想PBR(株価純資産倍率)で0.9倍の水準にあり、年初からMSCI中国指数をアンダーパフォームしている(子会社・中国人民財産保険の17年予想PBRは1.4倍)。ただ、BOCIは生保ビジネスの改善見通しが、今のところほとんど株価に反映されていないと指摘。生保事業の改善ペースがこの先加速すれば、同社のバリュエーションに占める生保の比重が高まり、18年には持ち株会社であるがゆえのディスカウントも縮小に向かうとの見方だ。予想新契約価値の上方修正に伴い、目標株価を引き上げ、株価の先行きに対する見方を中立から強気に引き上げている。

 BOCIは今後のレーティング引き上げにつながる可能性のある潜在要因として、◇長期の生保商品の需要増につながる政策の変化、◇新契約価値やEV(エンベデッドバリュー:生保会社の企業価値指標)の向上に向け、高利益率商品へのシフトを進める業界全体のトレンド――を挙げた。逆にレーティング引き下げにつながりかねない潜在リスク要因としては、主力の損保引受業務を取り巻く逆風が今後も続く可能性を挙げている。