アップル決算振り返り

 7月30日、アップル(AAPL)は2020年3Q(4-6月期)の決算を公表しました。その決算内容は、EPS(1株あたり利益)の減益を予想していた市場コンセンサスを覆すポジティブサプライズ決算で、売上高は前年同期比11%増、EPSは18%増で着地しました。コロナ禍で低迷するとみられていたiPhoneの販売が伸びた点が、業績をけん引しました。4Qはややさえない着地になる可能性が高いですが、2020年通期では増収増益となり、2021年通期は2桁増益が予想されています。

 今回の決算の主役となったiPhoneの売上高は、前年同期比2%増の264億ドルでした。会社側は、「4月時点では販売が苦戦するとみていましたが、5月、6月に入って需要が想定よりも回復した」と述べています。4月に発売したiPhone SEが貢献した他、コロナ禍を乗り越えるための経済刺激策が売上に寄与したとみられます。会社側は今後のiPhoneの販売も堅調とみており、iPhone新製品の発売タイミングについても、9月から数週間の遅れですむようです。

 こうした内容から判断すると、アップルは引き続き保有しておきたい銘柄です。このところ、アップルの成長ストーリーの話題はウェアラブル関連や各種サービスからきていましたが、ここにきて、iPhoneの訴求力が再確認できました。iPhoneから連想されるアップル関連の企業も恩恵を受ける流れと考えられますので、以下に主要銘柄を7社紹介します。

アップル関連銘柄をチェック

アップルと事業のつながりが強い企業7社

ティッカー 銘柄名 予想PER
(倍)
売上高成長率予想 企業概要
今期 来期
2317 TT
(台湾株式)
鴻海精密工業 ▲5% 9% ・世界最大級の電子機器受託製造企業、傘下にシャープ
・スマートフォンやコンピューターなどを製造、最大顧客がアップル
TSM TSMC
(ADR)
32.0 21% 8% ・世界最大級の半導体受託製造企業
・高い製造技術で知られ、顧客はアップル、AMD、ブロードコム、クアルコム、エヌビディアなど
JBL ジェイビル 10.7 4% 3% ・電子機器受託生産企業大手
・スマホの他、航空宇宙、自動車、ヘルスケア関連など幅広い産業の電子部品製造に携わる
AVGO ブロードコム 13.9 4% 6% ・デジタル半導体、アナログ半導体の設計
・開発に従事し、Wi-FiやBluetooth向けチップ、ストレージアダプターなど通信関連製品を提供
QCOM クアルコム 18.31 9% 32% ・無線周波を受信するワイヤレス通信機器の設計・開発に従事
・主要顧客はサムスンとアップル
MU マイクロン・テクノロジー 11.94 ▲9% 17% ・DRAMチップ 、SRAMチップ、フラッシュメモリ、半導体部品、メモリモジュールなどを製造、販売
SWKS スカイワークス・ソリューションズ 22.2 ▲4% 12% ・無線周波を受信するワイヤレス通信機器の設計・開発・製造に従事
・主要顧客はアップルやサムスンだが、自動車やヘルスケア業界にも展開中
※各種資料より楽天証券作成
※予想PERと売上高成長率予想はブルームバーグより取得(取得日:日本時間7月31日)
※予想PERは今後12カ月の利益ベース