コロナ逆風業種の中にも、株価が反発しているものがある
2021年3月期第1四半期決算は、まさに新型コロナウイルスに左右される結果となりました。コロナ追い風業種、無風業種は意外なほどの好決算となり、コロナ逆風業種は「過去最悪」が散見される内容でした。
ただ、このことはほぼ想定されていたことから、悲観されるだけでなくコロナ逆風業種の中にも、業績悪化にアク抜け感が出て株価が反発しているものも見られます。
逆風業種の中心的な存在となった「外食」においても、足元の株価はやや反発の動きとなっている銘柄が見られます。以下に外食の象徴的な2銘柄の足元の株価の動きを示します。
この2銘柄については、以前からコロナショック後の安値を這っていたわけではないことも付け加えておかなければなりません(いずれも3月期決算企業ではない)。
スシローグローバルホールディングス(3563・東証1部)
回転すしチェーン「あきんどスシロー」を展開。8月4日に2020年9月期第3四半期決算で営業利益23.9%減(前年同期比)を発表。
・スシローグローバルホールディングスの3カ月日足チャート
物語コーポレーション(3097・東証1部)
食べ放題の「焼肉きんぐ」を運営。8月11日に2020年6月期本決算を発表。2021年6月期は営業利益30.5%増(当期比)を予想。
・物語コーポレーションの3カ月日足チャート
安値放置バリュー株の出直りもあるか!?
前期決算時はコロナ禍の中で、業績の推移が見通しにくいことから、通期や来期の業績予想を見送る企業が相次ぎました。
勢い、投資家はできるだけ業績見通しを発表した銘柄、明らかに追い風を受ける銘柄に資金をシフトさせてきた経緯があります。「(先行きが)わからないものを避け、わかるものにシフト」という当然の動きでした。
現在のように、コロナ感染状況には大きな変化がなくとも、業績への影響が見通せるようになってくると、投資家は優勝劣敗を見極め、悪影響を織り込んだ上で、業績回復がより早いのでは? と思える銘柄に資金を回帰させてくる可能性があります。
逆風業種に反発の動きが出るだけでなく、もしかするとここまでのグロース株(コロナ追い風銘柄が多い)一辺倒の動きにも変化が見られるかもしれません。その動きは主に、安値に放置されている格好の「バリュー株」の出直りとして顕著に表れることになるでしょう。
以下は典型的なバリュー業種です。
・鉱業 ・建設 ・化学 ・紙パルプ ・石油/石炭 ・鉄鋼 ・非鉄金属
・電気機器 ・輸送用機器 ・銀行 ・保険 ・証券 ・その他金融 ・不動産
これらの中の主力株(時価総額が大きく流動性に富む)の動きをウオッチしていくことで“変化”に気付くことができます。
ここではバリュー株やバリュー株に近い銘柄の中から10万円以内で投資できる、意外なほど反発力を見せている銘柄を参考として取り上げます。
反発力を見せているバリュー業種10万円株
株価データは2020年8月19日終値ベース。
ENEOSホールディングス(5020・東証1部)
国内シェア5割の石油元売り首位企業です。
・ENEOSホールディングスの日足チャート
ルネサスエレクトロニクス(6723・東証1部)
自動車向け主力の半導体メーカー大手です。
・ルネサスエレクトロニクスの日足チャート
ニチコン(6996・東証1部)
コンデンサーなど蓄電モジュール・蓄電機器メーカーです。
・ニチコンの日足チャート
Zホールディングス(4689・東証1部)
ネットサービスの国内先駆け企業です。
・Zホールディングスの日足チャート
広島銀行(8379・東証1部)
地銀上位行。広島県内シェアは預金で4割弱を誇ります。
・広島銀行の日足チャート
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