本日のレンジ予測

[本日のドル/円]

上値メドは107.61

下値メドは106.15

今朝の天気マークは「くもり」

※天気の判定基準は記事末尾にあります

リラが来りて笛を吹く

 8月13日(木曜)のドル/円は、106円台後半の円安水準で横ばい。高値は107.05円でしたが滞在時間は短く終値は106.92円でした。新規失業保険申請件数が下がり米労働市場の回復期待が強まったこと、また米長期金利が2カ月ぶりに7%台まで上昇したことがこの日のドル買い材料。マーケットは円安と同時にユーロ/高でユーロ/ドルは一時1.18ドル台半ばまで上伸。結果、ユーロ/円は126.75円まで今年の高値を更新中。英国とEUのFTA(自由貿易協定)交渉が9月に大詰めとの報道で欧州通貨が買われました。

 今週、史上最安値を更新したトルコリラ/円は、円安にも助けられて、現在は14円台半ばで落ちついています。でも、もう一度リマインドします。8月のトルコリラは、なぜヤバいのか? 理由は「今日の注目通貨」をご覧ください。

毎ヨミ!FXトップニュース

13日のドル/円のNY市場終値は106.92円

 前営業日の終値比+0.05円だったので、今朝の天気マークは「くもり」です。

今日の格言:

偉大な魂は目的を持ち、そうでないものは願望を持つ

各国・各通貨トピックス

新型コロナウイルス:
    イランのコロナ死者数は政府発表の3倍の4万2,000人  イランBBCが発表
    新型コロナで変わった人々のメンタルを元に戻すのは非常に難しい

ドル:
    FRB(べい連邦準備制度理事会)の政策目標は、効果的な緩和政策によって金利を低く誘導し、ドル高を防止すること
    ブラード連銀総裁「ウイルス撲滅には民間の努力が必要不可欠。保健所だけでは無理」 
    米経済の回復はこれまで。米製造業ISMの伸びがピークをつけた可能性
    労働収入1割減なのに、家計収入は増加。UI(補助失業給付金)のおかげ 

米大統領選:
    バイデン氏勝利を予想して、投資家がポートフォリオ組み換え始める
    バイデン氏が高年齢(78歳)のため副大統領候がこれまで以上に注目

ユーロ:
    フランスの失業率が急上昇のおそれ。 年末までに11%台も

ポンド:
    英政府、ロンドンの再ロックダウンを検討か

円:
    GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)、外債に占める米国債のアロケーションを46.8%まで拡大

豪ドル:
    豪の森林火災で野生動物30億匹が死亡

トルコリラ:
    トルコ中銀、利上げは検討せず。 実質マイナス金利を継続 

その他:
    ジェームズ・ボンドの自宅住所を特定か 英作家が発表
    米CIA、ネットで「スパイ募集」主な対象は18才から35才
    ブラジルがマイナス金利導入の可能性
    アメリカで30代、40代で退職する「FIREムーブメント」が話題

主要指標終値

出所:楽天証券が作成

本日の注目通貨

トルコリラ/円:今週のレンジ予想 14.30円 から 14.75円 

 歴史的安値圏で推移するトルコリラ。8月10日にトルコリラは対円で14.18円まで急落して史上最安値を更新しました。その後は14.78円まで回復、13日の終値は14.53円。

 トルコリラは「高金利通貨」といわれますが、本当のところは実質金利がマイナス状態で、トルコは世界有数の低金利国なのです。銀行の利息よりも物価上昇の方が大きいので、銀行に預金してもお金が目減りするだけで、トルコの人たちは、自分たちのお金をトルコリラからドルにせっせと換えています。その金額は7月だけで30億ドル相当といわれています。

 トルコリラの政策金利は現在8.25%。インフレ率とバランスをとるためには最低でも9.5%以上に利上げする必要があるといわれます。しかし、トルコ中銀にその考えはないようです。利上げよりもインフレが下がることに賭けているようです。

 もっとも、エルドアン大統領の利下げプレッシャーが強くて金利を上げることなど怖くてできないのですが。トルコ中銀は、しかたなくステルス引き締め政策でトルコリラを支えているわけですが、問題の解決にはなっていません。このままで状況が改善すると考える投資家はいないでしょう。

 トルコリラ/円の急落は2018年、そして2019年にも発生しています。対米関係悪化などの理由もありましたが、同じ経済問題を当時からずっと引きずっています。そんなところに、今年は新型コロナでトルコ中銀も他の中央銀行に倣って緩和政策による景気刺激策を打ち出しました。

 しかし、信用力の低い通貨の国が、利下げなどの低金利政策を積極的に行うとどうなるか。投資マネーが逃げ出し、パニックが増幅するリスクが高まるのです。投資家がトルコリラのキャリートレードを好むのはスワップ(金利)を多く受け取れるから。仮にトルコリラの金利がドル金利まで下がったら、誰が投資するのか、ということです。

 トルコリラ/円が史上最安値14.18円をつけた日は10日の月曜日。2018年は8月10日と17日に暴落。来週17日の月曜日がそうなるとはいいませんが、注意はしたいです。

出所:MarketSpeed FXより、楽天証券作成

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◎天気の判定基準とは?

天気マークを見るだけで、ドル高で引けたのか、それともドル安で引けたか、ひと目で確認することができます。

・「晴れ」
当日の終値が、前日の終値に比べて0.20円を超えるドル高/円安だった場合は、「晴れ」の天気マークを表示します。

・「雨」
反対に、終値が0.20円を超えるドル安/円高だった場合は、「雨」の天気マークを表示します。

・「くもり」
終値が上下0.20円の範囲にあった場合は「曇り」のマークを表示します。

※天気マークは、前日の終値との比較を示したもので、今日のマーケットの方向を予想するものではありませんので、ご注意ください。

※ちなみに2018年は、「晴れ」80日、「雨」82日、「くもり」98日 でした。
また、2018年は延べで43.33円上昇、延べで46.41円下落。差引3.08円の円高(2017年末に比べて)でした。