BMW合弁会社の4-6月業績が予想以上に好調、単体の事業には不透明感

現地コード 銘柄名
01114

華晨中国汽車控股

(ブリリアンス・チャイナ・オートモーティブ)

株価 情報種類

8.08HKD
(8/6現在)

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    独BMWグループの発表によると、BMWとブリリアンス・チャイナとの合弁会社、「BMWブリリアンス・オートモーティブ」(BBA)の20年4-6月期の利益貢献は、前年同期比92.1%増、前期比126.5%増の3億6,700万ユーロに達し、BOCIの予想を上回った。この数字はファイナンスビジネスを含まないが、BOCIは仮にBMWファイナンスJVの約3億元を含めた場合、BBA全体の20年上期の利益貢献は前年同期比21%増の43億元に達したと予想。ブリリアンス・チャイナの利益見通しを小幅に増額修正し、目標株価を引き上げた。ただ、4-6月期業績に対する市場の好反応を見込む一方で、特別配当に関する経営陣の曖昧な態度や、同社本体のビジネスの不透明感を指摘。株価の先行きに対して中立見通しを継続している。

    独BMWの発表では、合弁会社BBAの利益貢献は4-6月に3億6,700万ユーロで、人民元換算では28億6,000万元(1ユーロ=7.80元換算)。1台当たり利益は3万3,539元と、相対的に高水準に達した。4-6月には販売台数伸び率が前年同期比30.6%、前期比85.9%と比較的低かった上に、高価格モデル(X3、5シリーズ)の販売比率が前年同期の56.6%、前四半期の51.9%から46.5%に低下し、製品構成が低価格化していた経緯があり、BOCIは独側の発表値が予想から大幅に上振れたとしている。

    20年上期を見ると、BBAの販売台数はほぼ前年同期並み(0.6%減)の26万2,505台。3シリーズとX3の販売台数がそれぞれ7.0%、4.3%増加したものの、その他モデルは減少した。製品構成の点では、高価格モデルのX3と5シリーズの販売比率は48.4%。ほぼ前年同期(49.4%)並みとはいえ、前期(54.9%)比では低下した。BOCIはBMWファイナンスJV(BBAが42%を保有)の上期利益が前年同期比20%増加したと仮定した上で、BBA全体の利益貢献が21%増の43億元に達したと推定。販売台数伸び率を大幅に上回る利益成長を達成したとみている。19年上期には3シリーズのモデルチェンジや排ガス基準「国6」への移行で諸経費がかさんだ経緯があり、ニューモデル関連費用やプロモーション費用が前年同期比で大きく縮小したことが寄与した。また、コロナ後の旺盛な高額モデル需要や供給ひっ迫感を受けた利益率の改善も好決算の一因。一方、下期に関しては、10-12月のiX3発売を背景とするコスト増大を見込んでいる。

    BBAの上期利益率が予想を上回る見通しを受け、BOCIは20-22年の予想純利益をそれぞれ0.2~2.6%増額修正し、新たに74億元、80億元、66億元に設定した。これに伴い、目標株価(21年予想PER5倍)を引き上げた。ただ、同社本体の業績に改善の兆しが見えないことや、BBA株25%の独側への譲渡(22年にも実施へ)に伴う特別配当に関して経営陣が態度を明確にしていない点を憂慮。株価の先行きに対し、中立見通しを据え置いている。