今週の予想
今週は2万2,000円水準を中心にもみ合いへ
今週の日経平均株価は、米国株式と為替の動き、国内では新型コロナウイルスの感染拡大状況が注目されます。
米国の4-6月期GDP(国内総生産)が▲32.9%という最悪の下落幅を受けてドルが売られ、一時1ドル=104.17円まで円高が進み、先週末の日経平均は▲629円の2万1,710円の安値引けとなって、2万2,000円を大きく割り込みました。そのため、今週は本来なら下値模索となるところですが、7月シカゴ購買部協会景気指数が予想以上に改善したことで、ドルが大きく買い戻され、一時1ドル=106円台まで上昇。日経平均引け後の31日(金)の米国市場は、NYダウ平均株価は+114ドルの2万6,428ドルと反発し、シカゴの日経先物は+160円の2万1,920円となっています。そのため、日経平均の寄り付きは大きく始まり、その後はもみ合いとなりそうです。
今週のNYダウが戻りを試すならば、日経平均も2万2,000円水準を中心にもみ合いとなりそうです。ただ、米国は早期の景気回復期待が後退しており、今週末の7月米雇用統計がポイントとなります。失業保険申請件数は1930年代の世界大恐慌時の2,200万人を大きく超える5,400万人となっており、単に株価が上昇しているということだけで景気回復を期待する楽観論はリスクがあると言えます。
また、国内でも4-6月期の決算発表中ですが、期待ほどよくありません。さらに「Go Toキャンペーン」実施と同時に新型コロナウイルスの感染者は全国に広がり、悪化を続けています。ただし、株価はあくまでも先々を見通した需給関係ということもあり、今後どう変化するのか様子を見る必要があります。
今週の指標:日経平均株価
今週は、為替とNYダウの動きに注目となります。
先週末の日経平均を見る限り、完全に2万2,000円を下放れとなっているため、下値模索の動きとなるのが普通ですが、引け後の欧米市場で、1ドル=104円台前半から106円近辺まで大きくドルが買い戻され、シカゴの日経先物も+160円の2万1,920円となっているため、為替がドル高方向であれば、2万2,000円に戻す動きも想定されます。米株が軟調であれば日経平均も戻りは弱く、2万1,500~2万2,000円の中でのもみ合いが想定されます。
今週の指標:NYダウ平均株価
今週は、今後の金融政策の決定の方向性を決める7月米雇用統計と追加財政政策の行方に注目となります。特に労働市場の先行指数である週間新規失業保険申請件数が再び増加に転じ、3月の経済封鎖以降5,400万人が失業保険を申請。これは、1930年代の世界大恐慌の2,200万人を大きく上回っており、単に株価が上昇していることで景気回復を楽観視するのはリスクがあると言えます。チャートでは当面2万5,000~2万7,000ドルのボックス相場が想定されますが、6月26日の2万4,971ドルを守れるかが注目となります。きっかけは11月の米大統領選挙かもしれません。当面は2極化し、ハイテクとIT関連が下支えとなります。
今週の指標:ドル/円
今週は、7月米雇用統計が手掛かり材料となります。先週末は、7月シカゴ購買部協会景気指数が予想以上に改善したことで、ドルが大きく買い戻されましたが、4-6月期GDPの結果から早期景気回復への期待は後退。7月米雇用統計が予想を下回れば、米株式は下落。リスク回避の円買い(ドル売り)が再び強まる可能性があります。1ドル=104~106.5円のレンジを想定しています。
先週の結果
日経平均は6日続落。週末は2万2,000円を大きく切って▲629円の2万1,710円
先週の予測は、米中対立激化の行方とコロナの感染拡大の状況が上値を抑えることを前提に、日経平均はNYダウに左右される展開になるとしました。NYダウが落ち着いていれば2万2,500円を挟んだもみ合いになる一方で、NYダウがもたつけば2週間前に予測したように2万2,000円を試す動きになるとしました。
結果的に、週前半は2万2,500円を上回る水準、週半ばは2万2,500円を下回る動きとなり、週末は米国4-6月期GDPの過去最悪の下げ率を受けて、NYダウが大幅安となり、日経平均は▲629円の2万1,710円と、2万2,000円を大きく切って引けました。
7月27日(月):前週末の米株式の下落を受け、▲255円の2万2,495円で寄り付き、1ドル=106円台の円高を受けて、一時▲322円の2万2,429円まで下げました。しかし、時間外での米株先物が高く下支えとなって下げ幅を縮小。後場には▲10円の2万2,741円まで下げ幅を縮め、終値は▲35円の2万2,715円と小幅続落でした。
28日(火):前日の米国市場では主要3指標そろって反発したことで、日経平均も+19円の2万2,735円で寄り付き、一時+126円の2万2,842円まで上昇しました。しかし、昼休み中に東京の新型コロナウイルスの感染者が新たに270人程度と発表されると上値が重くなり、次第に弱含んで一時▲69円まで下げ、終値は▲58円の2万2,657円と3日続落となりました。
29日(水):前日の米国市場で主力ハイテク株中心に下落。主要3指標そろっての下げを嫌気し、日経平均は▲113円の2万2,543円で寄り付き、一時2万2,454円と2万2,500円を割り込みましたが、中国株の持ち直しで下げ幅を縮小しました。しかし、後場になると先物売りから下げ幅を拡大。大引け近くに▲291円の2万2,366円まで下げ、終値は▲260円の2万2,397円と4日続落しました。
30日(木):前日の米国株式は主要3指標そろって反発したことで、+92円の2万2,489円で寄り付くものの、為替が1ドル=104円台後半になっていたことで上げ幅を縮小。後場になると戻り待ちの売りで上値が重い展開となり、マイナスに転じて▲57円の2万2,339円と5日続落となりました。
31日(金):前日のNYダウは4-6月期GDPの速報値が過去最悪(▲32.9%)となったことで、NYダウは一時▲547ドルの2万5,992ドルまで下落。その後はナスダックが反発したこともあり、下げ幅を縮小し▲225ドルの2万6,313ドルに。しかし、日経平均は為替が1ドル=104円台後半の円高になっていたこともあり、前引けは▲418円の2万1,920円と2万2,000円を割り込みました。後場になると東京の新型コロナウイルスの感染者が400人超と記録更新となり、週末、月末、決算の前場のピークということも重なって、▲629円の2万1,710円と安値引けとなりました。
引け後の米国市場では、アップル、フェイスブック、アマゾンが好決算で軒並み大幅高となりました。一時▲300ドルの2万6,013ドルまで下げたNYダウは、これを受けて切り返し、+114ドルの2万6,428ドルで引けました。アップルは市場予想を上回る増収・増益となって上場来高値を更新し、ナスダックは終値の史上最高値まであとわずか(0.02%)に迫りました。為替の動きも日本時間には、1ドル=104.17円まで急激な円高となっていましたが、欧米では105円台に戻るとストップロスを巻き込んで買い戻され、一時106.05円まで上昇し、105.83円で引けました。これを受けてシカゴの日経先物は+160円の2万1,920円となっていました。
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