今週の予想
今週は3営業日。2万2,500円を挟んだもみ合いを想定
日本中に新型コロナウイルスの感染が拡大する中、連休を控えて3営業日しかなく、今週の日経平均株価は一進一退の動きの中、様子見ムードが広がりそうです。
「Go To トラベル」が22日(水)から始まるものの相場の下支えになる期待はあっても、全国で感染が拡大している状況では相場を押し上げるのは難しいとみられています。
6月までは、経済活動正常化への期待から、コロナ禍でも期待されるハイテク産業が相場を押し上げてきました。しかし、ここにきて米国でもハイテク関連は頭打ち。国内では大都市圏を中心に新型コロナウイルスの感染再拡大が進行し、IT関連産業の一角以外の他の業種は、東京の状況悪化の観測から、売り圧力が強まる可能性があります。
チャートでは、いったん売りの形から再び短期の買いの形となりましたが、市場ボリュームを見ると商いが薄い中での値動きであり、2万3,000円台前半にあるフシを見ると、何か新しい材料が出なければ上に向かう形ではありません。今の相場は「もうはまだなり、まだはもうなり」の格言通りの動きとなっていますが、これはテクニカルも関係ない世界中にお金がだぶついた需給関係によって動いている状況ですので、リスクを取れない人は様子見に徹しておく場面です。
マイナス材料に浮上してきそうなのは米中対立です。米国はしきりに今、中国企業に的を絞って米国内から排除しようとしています。米大統領選挙が近づけば、よりいっそう激しくなる可能性があります。
今週の指標:日経平均株価
今週は、経済活動正常化への期待よりも、新型コロナウイルスの感染拡大状況をにらむ展開となり、2万2,000円台中心に不安定な値動きとなる可能性があります。NYダウ平均株価も上値が重くなってきているため、東京から地方への感染の広がりがはっきりすると2万2,000円を試す動きも。下げた場合、目先は6月29日の2万1,969円を守れるかどうか。今週は3営業日しかないので、2万3,000円を試す動きは来週へ持ち越しになるとみられます。
今週の指標:NYダウ平均株価
今週もこれまで相場を引っ張ってきたハイテク株の利益確定売りが続く可能性が高く、一方でFRB(米連邦準備制度理事会)や米政府の大規模な金融緩和策への期待は高まり、もみ合い状況が続くことになりそうです。ただし、米国内での中国企業の事業を規制する方向にあり、米中対立が相場の上値を抑えることになりそうです。2万6,000~2万7,000ドルの中でのもみ合いが基本となります。
今週の指標:ドル/円
今週も先週と同じく、ドルは底堅い動きが想定されます。新型コロナウイルスのワクチン開発の期待が高まれば、ドル買いが強まる可能性があり、一方で政策金利がゼロ付近に長期的にとどまるとの見通しからドル売り要因もありますが、政府の資産買い入れ政策拡大の思惑もあり、ドル買いも考えられます。1ドル=106~108円のレンジを想定しています。
先週の結果
先週は、2万2,500~2万3,000円のレンジで、週半ば2万3,000円に接近するが上値重い
先週の予測は、前週の流れである新型コロナウイルス感染者増加の懸念と経済正常化による経済回復の期待から、基本は2万2,200~2万2,700円のレンジの中で、上限を試す動きを想定しました。下値は前週にETF(上場投資信託)の分配金支払いのため換金売りが終わり、ETFが正常化するので、下がると日銀による買いが期待されるからです。上限の突破は米国市場で金融関連の決算があり、予想ほど悪くなければ金融株が上昇し、日本の金融株をサポートして日経平均が2万2,700円を突破することが考えられました。
結果的に、週始めの13日(月)に前週末の米国株式は、NYダウが+369ドル、ナスダックは史上最高値更新となっていたことで、+301円の2万2,591円で寄り付きました。後場になっても時間外の米株先物が上昇したことで、引けにかけても上げ幅を拡大。+493円の2万2,784円と上限を突破して引けました。一服した後15日(水)は、米国でワクチン開発進展期待で米国株式が主要3指標とも大幅高に。日経平均も2万2,965円と2万3,000円に接近しましたが、ここから上は重く、週末は▲73円の2万2,696円で引けました。結局、レンジを上に伸ばし、2万2,500~2万3,000円の中でのもみ合いとなりました。
7月13日(月):新型コロナウイルス治療薬への期待が高まり、前週の米株式が景気敏感株中心に上昇し、NYダウは+369ドル、ナスダックは+69ポイントと史上最高値更新となったことで、+301円の2万2,591円で寄り付きました。後場になっても買い優勢で上げ幅を拡大し、+493円の2万2,784円と大幅反発し高値引けとなりました。
14日(火):前日のナスダックが大幅安となったことで、日本市場はハイテク株中心に売られ、一時▲245円の2万2,538円まで下げ、戻りは限定的で▲197円の2万2,587円と反落しました。
15日(水):フロリダ州、カリフォルニア州の感染者が減少し、FRB理事が大規模な金融政策が続くだろうと発言したことで、前日の米国市場でNYダウは+556ドルの2万6,642ドルと大幅上昇しました。これを受けて日経平均は+230円の2万2,817円で寄り付き、一時+378円の2万2,965円まで上昇。終値は+358円の2万2,945円と反発して引けました。ただし、市場ボリュームは増加していないので上値は重く、2万3,000円水準からは上値は重くなるところでした。
16日(木):ワクチン開発期待が高まったことで、前日の米国市場は主要3指標そろって続伸したものの、日本市場は前日の大幅高の反動や為替の円高を受け反落して始まり、前引けは▲113円の2万2,831円でした。後場になって東京の感染者が286人と発表されると、一時▲206円の2万2,739円まで下げ、終値は▲175円の2万2,770円と反落しました。
17日(金):前日の米国株式は主要3指標そろって下落したものの、朝方は前日の下落の反動や円安で買い優勢となって、一時+87円の2万2,857円まで上昇。その後、下げへ転換し、一時▲126円の2万2,643円まで下げて終値は▲73円の2万2,696円で引けました。
東京引け後の米国市場は、▲62ドルの2万6,671ドルと続落しました。新型コロナウイルス感染拡大が続いていることで、16日(木)の新規感染者数は過去最多の7万7,000人超えとなり、景気回復が遅れるとの懸念から、NYダウは▲62ドルの2万6,671ドルと続落しました。一方で経済指標はマチマチの動きとなり、ナスダック、S&P500は小幅反発でした。シカゴの日経先物は+5円の2万2,675円となっていました。
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