投資情報メディア「トウシル」ができて3年、今では、月に400万人以上が読み、月間ページビュー数は1,800万を超える(2020年3月時点)メディアに成長しました。

 2020年はコロナ・ショックの影響で株価が安くなり、「今がチャンス!」と投資や資産形成を始めた方も多いのではないでしょうか。株式投資の初心者の方に向けて、トウシル編集チームが「株・愛!」全開で、総力を挙げて作ったのが『月間400万人が読んでいる 楽天証券トウシルが作った一番かんたんな株入門』(扶桑社刊7月29日発売)です。

 トウシル編集長武田(以下、T)が、この本の担当編集者である扶桑社出版局の編集担当 大上信久(以下、O)さんとともに、本書で読者の皆さまに伝えたいことを対談形式でご紹介します。

株は楽しい、面白い、もうかるとうれしい!

編集者O 私も株式投資が大好きで、もう20年近く投資をしていますが、トウシルのコンセプトは「お金と投資をもっと身近に!」とのこと。日本はお金の話を表立って話すのはあまり上品ではない、とか、投資は怖い、危ないと思われていますが、そのイメージを変えたいですね。

カラフルな誌面で初心者も読みやすい

トウシルT 今、老後不安やコロナ・ショックによる将来不安の影響もあって、お金や投資に対する関心はとても高まっていると思います。働いてお金を貯めて、支出を節約して、その一部を貯金に回す、というのが日本人の一般的な資産形成術でした。そこに「お金にお金を稼いでもらう投資」が加わると、もっと効率よく資産形成できると思います。

 でも、「投資は怖い、難しい、面倒くさい」と考えておられる方も多い。そんな方にはまず「株式投資って、いろいろな会社のことが分かって面白いし、楽しい」ということを知ってもらいたいと思っています。

編集者O 確かに株式投資を始めると、身の回りで流行っている新製品とか、面白そうな会社のサービスとか、世の中のさまざまなことにとても敏感になります。僕はランニングが好きで、ずいぶん昔から冬には「裏起毛着圧インナー」という暖かいウエアを愛用していたんですが、そのメーカーが今をときめくワークマン(7564)でした。

 あのとき、インナーだけじゃなく、株も買っておけば…と後悔しています(笑)。でも、そういった発見がたくさんあるのが株式投資の楽しさや面白さだと思いますね。

トウシルT 株を始めるきっかけは、それぞれですよね。この『一番かんたんな株入門』でも紹介しましたが、今では、ネットショッピングなどで貯めたポイントでも株や投資信託に投資できる時代です。

 しかも、国も「貯蓄から投資へ」という国策を進めていて、iDeCo(イデコ:個人型確定拠出年金)やNISA(ニーサ:少額投資非課税制度)、つみたてNISAなど、とても有利な非課税投資制度もできているので、以前に比べれば確実に投資の「登竜門」は広がっていると思います。

利回り5.2%のポートフォリオにびっくり!

編集者O 特に今年2020年は新型コロナウイルス感染症による「非常事態」が進行中で、株価が大きく下がっている銘柄もあります。さらに、生活や働き方が大きく変わりました。これから新時代がくる中での銘柄探しは面白いと思います。

 本書でも紹介しましたが、楽天証券経済研究所の窪田さんの「東証1部の時価総額トップ30の中の会社の株を組み合わせても、配当利回りが5.2%に達するポートフォリオを組める」という内容は驚きでした。

トウシルT 割安株や高配当株はトウシルでも人気のテーマです。配当利回りは決して確定利回りではないですし、コロナ時代の今期は多くの企業に減配(配当金の支払い額が減ること)や無配(配当金を払わないこと)リスクがあるのは確かです。

 でも、空前の低金利時代において、コロナ・ショックに見舞われてもちゃんと今期の予想配当金の額を発表している企業の株を組み合わせるだけでも、かなり魅力的な配当利回りのポートフォリオが組めるのは、コロナ・ショック後に投資を始めてほしい一つの大きな理由といってもいいかもしれませんね。

編集者O 冒頭の巻頭インタビューで楽天証券経済研究所の山崎元さんが言っていた「株式投資というのはもうかった、損したではなく、自分のお金を会社という場所に置いておくこと」という言葉には、「なるほど」と深く納得しました。

 お金を預けるというと「貯金」が真っ先に思い浮かびます。でも、お金を「会社に預けて、会社に働いてもらって、稼いでもらって、その一部の利益をもらうのが株式投資なんだ」というお話に妙に納得できました。

 考えてみれば、預金だって、私たちが預けたお金を銀行が誰かに貸すことで経済を回しているわけですから、貯金も投資も「お金に働いてもらう」「自らのお金が巡り巡って経済活動に参加する」という意味では同じ(もしくは似たようなもの)なんだな~と感じました。

少額の積み立て投資から始めて、やがては銘柄愛に目覚める! 

トウシルT そういう意味では、元本保証ではないので預金とはまったく別物ですが、日経平均株価や米国のS&P500といった株のインデックスファンドに「積み立て預金」と同じ感覚で、余裕資金を積み立てるだけでも、預金以上にバリバリ働いてくれるかもしれません(笑)。

 最初は5,000円とか1万円とか、家計の中の、ちょっとした余裕資金でかまわないと思います。そうすると、自然とテレビで流れる「今日の日経平均株価は…、NYダウは…」というニュースにも敏感になってきます。投資が面白い、楽しいと感じたらぜひ、株主優待や配当金を目当てでもいいので、個別の株式投資も始めてもらいたいですね。

編集者O 株式投資の本を作っていると周りの人から「どの株を買えばもうかるの?」とよく聞かれるんですが、きっと「優待株」が一番身近なんだろうと思って、「イオンで買い物してます? マクドナルド好きですか? 吉野家は? いや、新宿の伊勢丹でよく買い物するなら、三越伊勢丹HD(3099)の株主になればお買い物の10%割引優待がありますよ」といった相談に乗っていますが、いまだ、それで株を買ったという人はいません(笑)。

トウシルT 株式投資のハードルって、普通の人にとっては高いと思います。ただ、株主優待はそのハードルを下げる意味ではとても意義がある制度だと思います。山崎さんからは「あんなものはいらない!」とお叱りを受けそうですが…。

 トウシルでは、そんな読者のために優待株の記事、割安株vs成長株の特集記事、公認会計士で個人投資家でもある足立武志さんに執筆してもらったテンバガー(10倍株)の記事など、さまざまな切り口で具体的な株の銘柄も紹介しています。トウシル初の書籍『楽天証券トウシルが作った一番かんたんな株入門』でもその点を意識しました。

編集者O 個人的にはテンバガー(10倍株)の記事優待主婦まる子さんが注目の1月~12月までの優待株全72銘柄の紹介記事がとても参考になりました。

「テンバガーを見つけよう」より抜粋

 テンバガーの記事を読んでから、よく神戸物産(3038)の業務スーパーをチェックするようになりました。あと、優待品として鶏肉などを2.7kgももらえるJMホールディングス(3539)はコロナ・ショックにもかかわらず逆行高していますが、7月末優待なので買ってみたくなりました!

 これまたジョギング中に見て「おっ、このファミレス風カフェ、流行っているな」と目をつけた「コナズ珈琲」の運営会社が「丸亀製麺」のトリドールHD(3397)だと知って「勉強になった」と感心しています。

トウシルT 株式投資のことを身近に感じてもらい、楽しく、面白い投資ができるような記事をこれからもどんどん配信していきたいです!

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