国内のビール消費が回復、プレミアム市場でシェア拡大へ
現地コード | 銘柄名 |
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00291 |
華潤ビール控股 (チャイナ・リソーシズ・ビア) |
株価 | 情報種類 |
46.25HKD |
株価 企業情報 チャート |
中国のビール生産量は4月、5月にそれぞれ前年同月比7.5%増の310万キロリットル(kl)、14.6%増の408万klに達した。BOCIは華潤ビールの幅広いニーズに対応した製品構成やプレミアムビール志向の消費者に対する訴求力を指摘し、同社の生産量の伸びが競合を上回ったとの見方。続く6月と、ビール消費のピークシーズンが始まる7月には、業務用需要の回復を追い風としたビール消費の伸びが続くと予想。同社の20年の販売量予想を「前年比10%減」から「5%減」へ上方修正した。また、20年の売上高と利益見通しを各4%の幅で増額修正。同社株価の先行きに強気見通しを継続している。
華潤ビールは買収したハイネケン中国事業の統合に伴い、製品のプレミアム化を加速させる方針であり、BOCIはこれを前向きに評価している。国内市場全体でビール販売量が伸び悩む中、次のステージの勝敗を決めるカギとなるのはハイエンド市場におけるシェアの拡大。同社は多様化する消費者のニーズに対応するため、旗艦ブランド「雪花SNOW」と「ハイネケン」という2つのブランドの下、「4+4」型の製品配置を目指す。5月にはこの戦略の下、苦みを抑え、クラシックシリーズより高価格の新製品「ハイネケン・シルバー」を投入した。これにより、ハイエンドの製品群を補完し、若いプレミアムビール消費者にアピールする狙いという。19年には、両ブランドのプレミアムビールとスーパープレミアムビールの販売量は約110万klと、同社全体の約10%を占めたが、BOCIは向こう3年間、ハイエンド製品の販売量が年平均15%増加すると予想。22年には、同社全体に占める割合が15%に上向くとみている。
新型コロナウイルスの影響で、20年上期には広告宣伝活動が停滞したが、感染状況の収束と夏のピークシーズンの到来に向け、同社は6月から再び、マーケティングキャンペーンを積極化させている。7月5日には上海で「Sol Party」と銘打ったイベントを主催し、6月から8月まで続く深セン・ビールフェスにも参加。ほかに公開オーディション番組などのスポンサーとなり、サッカーUEFAチャンピオンズリーグが8月に再開すれば、新たなキャンペーンを開始する予定となっている。
非効率な工場17カ所の閉鎖に伴う資産減損処理や人員整理に伴う費用増が響き、同社の利益率は過去3年間にわたって悪化していた。ただ、経営陣は向こう3-5年の閉鎖工場数を平均3カ所程度とする方針。BOCIは生産能力の最適化に伴い、効率化と営業利益率の改善が期待できるとみている。
BOCIは目標株価の算出基準とする21年予想EV/EBITDA倍率(特別要因を除く経常ベース)を18.0倍から20.0倍に上昇修正し、目標株価を引き上げた。セクター全体のバリュエーションの上昇と好決算見通し、プレミアムビール市場での成長性などを考慮した。新たな目標株価は特別要因を除く21年予想PER(株価収益率)で34倍に相当する数字となる。
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