NYダウの上昇が一服した一方で、ナスダック指数は過去最高値を更新!個人投資家に人気だった銘柄は?

出所:楽天証券ウェブサイト

 6月の米株式市場は、月初まで全体的に上昇傾向が続き、NYダウ平均株価は6月8日終値で2万7,572ドルまで回復しました。しかし、6月11日新型コロナウイルス感染の第2波への警戒感が強まり、前日比1,861ドル安(過去4番目の下げ幅)となって以降は上昇が一服し、その後は方向感に欠ける展開となりました。一方でハイテク株は堅調に推移しました。ナスダック総合指数は上昇が続き、過去最高値を更新し、史上初めて1万ポイントの大台を超えました。

2020年6月米国株式買付者数ランキング

順位 前月順位 ティッカー 銘柄名 関連するテーマ
1 1 SPYD SPDR ポートフォリオS&P 500 高配当株式ETF ETF(上場投資信託)、高配当株式
2 2 KO コカ・コーラ 飲料、長期連続増配、ディフェンシブ
3 15 ZM ズーム・ビデオ・コミュニケーションズ ビデオ会議、在宅勤務
4 3 T AT&T 通信、長期連続増配
5 4 VYM バンガード・米国高配当株式ETF ETF、高配当株式
6 10 VOO バンガード・S&P 500 ETF ETF、S&P500
7 6 MSFT マイクロソフト PC、ソフトウエア、クラウド
8 9 QQQ インベスコQQQ 信託シリーズ1 ETF、NASDAQ100
9 8 HDV iシェアーズ コア米国高配当株 ETF ETF、高配当株式
10 RPRX ロイヤルティ・ファーマ IPO、バイオ医薬品投資会社
注:楽天証券内買付者数ベース
期間:2020年6月1日~6月30日(国内約定日ベース)

 6月の当社内米国株式の取引において、最も買付者数の多かった銘柄は、引き続きSPDR ポートフォリオS&P 500 高配当株式ETF(SPYD)となりました。5月はバイオ医薬品関連企業も上位に上がってきていましたが、6月はコロナ・ショック前のように、高配当関連銘柄やS&P500などの指数連動型のETFが上位を占めました。そのような中、6月は、3位のズーム・ビデオ・コミュニケーションズ(ZM)が前月の15位から大きくランキングを伸ばしたこと、そして、10位に6月16日に新規上場したばかりのロイヤルティ・ファーマ(RPRX)がランクインした点が大きな注目ポイントだと思います。

2020年6月米国株式買付者数ランキング上位分析

ズーム・ビデオ・コミュニケーションズ(ZM)

 6月2日の決算発表で、通年の売上高見通しを17億8,000万~18億ドルと発表し、従来見通し(9億500万~9億1,500万ドル)の約2倍に引き上げました。新型コロナウイルス感染拡大の影響により、在宅勤務などでリモート会議の需要が高まっており、ユーザーが急増しているようです。株価は6月も右肩上がりで上昇しました。今後も、ビデオ会議システムの需要はさらに高まるとみられており、同社の他、同様のサービスを提供しているシスコシステムズ(CSCO)の「Webex」やマイクロソフト(MSFT)の「Teams」にも注目です。

シスコシステムズ(CSCO)

マイクロソフト(MSFT)

6月に新規上場した大型IPO銘柄

2020年6月米国市場IPO銘柄(楽天証券取り扱い銘柄)

ティッカー 銘柄名 事業内容
WMG ワーナー・ミュージック・グループ レコード会社
ZI ズームインフォ・テクノロジーズ 営業支援ツール
FOUR シフト・フォー・ペイメンツ 決済処理ソリューション
GBIO ジェネレーション・バイオ バイオ医薬品会社
RPRX ロイヤルティ・ファーマ バイオ医薬品投資会社
VRM ブルーム オンライン中古自動車販売
ACI アルバートソンズ・カンパニー スーパー・マーケット・チェーン

 上記7銘柄は6月、米国市場にIPO(新規上場)し、楽天証券が取り扱いを開始した銘柄です。

特に注目度が高かったIPO3銘柄

 その中でも、特に注目度が高かった3銘柄をご紹介します。

ワーナー・ミュージック・グループ(WMG)

 6月3日に新規上場した米国の大手レコード会社で、ソニー・ミュージックエンタテインメント、ユニバーサル・ミュージックと並び、世界3大レーベルと言われる会社です。アーティストの発掘からレコーディング、音楽のマーケティング、プロモーションなど、音楽に関する一連の事業を行っています。特に最近はストリーミング事業が好調で、同社の業績に貢献しているようです。

出所:楽天証券ウェブサイト

ズームインフォ・テクノロジーズ(ZI)

 6月4日に新規上場したズームインフォ・テクノロジーズはビジネスインテリジェンス・プラットフォーム(企業向けデータ分析)を提供する会社です。AIを活用したデータ分析や、営業に必要なデータベースへのアクセスなどの営業支援ツールをクラウドベースで提供しており、次世代の営業支援ツールを提供する会社として評価されています。同社のビジネスモデルは今注目されている「サブスクリプションモデル」で、売り上げを着実に伸ばしているようで、今後の動向に注目してみてはいかがでしょうか。

出所:楽天証券ウェブサイト

ロイヤルティ・ファーマ(RPRX)

  6月16日に新規上場したロイヤルティ・ファーマは、このIPOで21億8,000万ドルを調達し、米国市場で今年最大の上場案件となりました。同社は、さまざまな医薬品の特許を取得し、その特許を医薬品会社へ提供することで得られるロイヤリティ(使用料)を収入源とするビジネスを展開しています。また、新しい治療法や医薬品の開発のための資金提供も行っており、ビジネス面だけでなく今後の医療や医薬品の発展にも貢献しているという事業を行っています。公開価格は28ドルでしたが、初値は公開価格を約57%上回る44ドルで取引が始まりました。そして、上場3日目には、一時56ドル台まで上昇し、公開価格の約2倍、初値を約27%上回る水準まで上昇する場面がありました。今後の動向にもぜひ注目してみてください。

出所:楽天証券ウェブサイト