小麦が1位、上海総合、銅は前回に続き上昇率上位、銀も堅調
先週は、小麦の上昇が目立ちました。米国国内の冬小麦の収穫作業が、例年よりも遅れていると報じられたことが一因とみられます。その他、前回上昇率3位に入った上海総合指数が今回は上昇率2位に、同指数と連動する傾向がある銅が、同3位に入りました。
また、工業用の用途の割合が大きい、銀、プラチナ、パラジウムといった貴金属の上昇も目立ちました。その他、主要株価指数が上昇したため、金の上昇率は小幅なものとなりました。
先週は、上昇銘柄数が18(前回は19)、下落銘柄数が5(前回は4)、最大と最小を除く変動率の平均は+1.9%(前回は+2.2%)でした。全体的には、7月3日(金)から7月10日(金)の週は、前々週に比べて“強かった”と言えると思います。
※金の今後の展望については、今週の週刊コモディティマーケット「やってはいけない!?残念な金の買い方。知っておきたいコロナ禍の投資作法」で述べています。
7月3日(金)から7月10日(金)までの週のジャンル別騰落率
今週の見通し
先述のとおり、先週は主要株価指数、通貨、コモディティ(商品)、暗号資産の4つのジャンルを横断した23銘柄のうち18銘柄が上昇しました。中でも、上海総合指数、NYダウなどの主要な株価指数は、先々週から堅調さを維持しています。
先々週は、中国の6月のPMI(製造業購買担当者景気指数)(国家統計局版、財新版ともに)が、数カ月ぶりの高水準だったこと、先週は米国の6月のISM非製造業景況指数などが、前月や事前予想よりも、高水準だったことが好感され、これらがジャンルを横断したさまざまな銘柄に良いムードをもたらしたと考えられます。
一見、米中双方の6月の主要な経済指標が比較的良好だったことをきっかけに、世界全体が好調さを取り戻しつつあるように見えますが、米国と中国とで、新型コロナウイルスの状況が異なる点に注意が必要です。
中国では2月から3月に第1波が到来し、乗り越えました。足元、中国国内では一部で感染者が出ていると報じられているものの、統計上は目立った感染拡大は起きていません。しかし、米国では特に南部のサンベルトと呼ばれる、カリフォルニア州、テキサス州、フロリダ州などを含んだ人口が比較的多い州で大規模な感染拡大が起きています。
米国内のこれらの州では、再度、ロックダウンが行われる可能性が生じているため、経済指標と、新型コロナウイルスの感染状況の両方を、注視する必要があります。
気になる米国では、7月13日(月)に6月の月次財政収支、15日(水)に6月の鉱工業生産と設備稼働率、および米地区連銀経済報告(ベージュブック)、16日(木)に6月の小売売上高、17日(金)に6月の住宅着工件数などが公表され、第2波の懸念が強まった6月が、5月からどのように変化したのかに、注目が集まります。
また、中国では、7月14日(火)に6月の貿易収支、16日(木)に4-6月期四半期国内総生産(GDP)、6月の小売売上高と鉱工業生産などが公表されます。引き続き、各種、景況感を示す経済指標が好調さを維持するのかに、注目です。
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