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『バイオ医薬品』は、従来の一般的な医薬品では改善が見られなかった病気の治療に対しても効果が確認されたことなどから、これまで高い成長を遂げてきました。また、今回のコロナ禍においても、『バイオ医薬品』業界では多くのワクチン、抗体、治療薬の開発、既存薬の適用拡大が進められています。医薬品業界の中でも高い成長性が期待できることから、近年、大型買収も相次いでおり、今後さらなる成長が期待されています。
【ポイント1】『バイオ医薬品』業界はコロナ禍で成長が加速
『バイオ医薬品』とは生物の力を利用して作る医薬品です。『バイオ医薬品』は、タンパク質や、細胞、ウイルス、バクテリアなどの生物によって作られる物質から製造されます。『バイオ医薬品』は化学合成によって製造される一般的な医薬品(低分子医薬品)に比べて、開発・製造費用が高価ですが、ガンや糖尿病など患者数の多い慢性疾患から血友病などの希少疾患まで、従来の医薬品では改善が見られなかった病気の治療に対しても効果が確認されたことなどから、過去30~40年間で高い成長を遂げてきました。
『バイオ医薬品』業界は、今回のコロナ禍においてもワクチン、抗体、治療薬の開発、既存薬の適用拡大を急いでいます。開発には多くの時間と費用を必要とし、時には失敗に終わることもありますが、開発が成功すれば大きな飛躍を獲得することとなります。
【ポイント2】大型買収相次ぐ『バイオ医薬品』業界
2019年、医薬品業界では大型買収が相次ぎましたが、その多くが『バイオ医薬品』メーカーに対する買収でした。
1月には米ブリストル・マイヤーズ・スクイブが米セルジーンを、米イーライリリーが米ロクソ・オンコロジーを買収すると発表し、日本の武田薬品工業がアイルランドのシャイアーの買収を完了しました。また、6月には米ファイザーが米アレイバイオファーマの、米アッヴィがアイルランドのアラガンの買収を発表しました。
【今後の展開】世界経済が低成長の中、『バイオ医薬品』業界は有望な成長市場
新型コロナのパンデミック(世界的な大流行)は、世界各国・地域の経済に深刻な影響を与えています。足元、南米各国やインドなど新興国を中心に感染拡大が続いている他、米国を中心に感染再拡大が起きていることから、収束にはめどが立っていません。新型コロナ感染抑制のための行動制限によって多くの業界・企業が影響を受け、世界経済は低成長を余儀なくされています。『バイオ医薬品』業界も治験の遅れなどの影響を受けますが、これまでの高い成長を維持・加速させる可能性があると考えられます。
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