あまり深く考えずに淡々と確定申告をしている方は少なくありません。でも、これを知っているかどうかで、トクをしたり、損を回避することができる、そんな裏ワザを5つご紹介します。
Money Hack 1:ふるさと納税
買い物気分でふるさと納税を有効活用! 難易度★☆☆
ふるさと納税はかなり浸透してきた感がありますが、やっていないという人もまだまだかなり多いです。
ふるさと納税の目玉は返礼品。実質2,000円の負担で、いろいろな返礼品をもらうことができるのがメリットです。
注意したいのが、1つは実質2,000円の負担で寄付ができる限度額を、今年の所得を予想したうえで計算する必要があること。昨年の所得の実績ではないため注意が必要です。
もう1つは確定申告不要な「ワンストップ特例」を使ったにもかかわらず確定申告をしてしまうとワンストップ特例は無効になるという点です。この場合は、ふるさと納税分も確定申告にて寄付金控除を行うことが必要になります。
Money Hack 2:医療費控除
年間10万円以上はウソ⁉ともかく医療の領収書は保管しよう 難易度★☆☆
医療費控除は、年間10万円を超える医療費に対して所得控除ができる制度であることはご存じの方も多いと思います。
実は、所得がそれほど大きくない方の場合は、医療費が年間10万円を下回っていても医療費控除を受けられる可能性があります。具体的には、所得が200万円未満の方は医療費から差し引く額は10万円ではなく所得の5%となっています。所得が100万円で、医療費が10万円なら、5万円の医療費控除を受けることができることになります。
また、医療費控除は生計を一にする家族の分も合算して行うことが可能です。したがって、家族の分も含めて、全員の分を、所得が最も高い人の医療費控除とするのがセオリーです。
例えば、夫婦2人が別々に医療費控除を使うとそれぞれ10万円ずつ、計20万円が切り捨てになってしまいますし、どちらか片方の医療費が10万円以下だと、その人は医療費控除が受けられません。
夫婦2人分を合算すれば、切り捨て額も10万円だけで済み、夫婦合わせて10万円を超えれば控除が受けられます。そして、所得が高い人からまとめて医療費控除を受ければ、別々に控除を受けるよりも家族全体の所得税額を軽減できるのです。
Money Hack 3:各種所得控除の適用漏れ
後日の申告や更正の請求で取り戻せる! 難易度★☆☆
会社員の場合、年末近くになると配偶者控除申告書や扶養控除申告書を会社に提出し、所得控除の対象となる人を会社に通知します。また、生命保険料などを支払っている人は保険料控除申告書を提出します。提出会社は、それらのデータをもとに源泉徴収税額を計算し、年末調整を行います。
しかし、所得控除の対象となるのに含めるのを忘れていたり、各種保険料控除について会社に提出するのを忘れていると、会社は提出されたデータをもとに税金を計算しますから、税金を払いすぎの状態となります。
こんなときは、自身で確定申告をすれば、払いすぎた税金を取り戻すことができます。すでに確定申告をした後に気づいたのであれば、申告期日から5年以内なら更正の請求により修正が可能です。
Money Hack 4:株式投資の損益通算や損失繰り越し
もったいない!相殺期間は3年間 難易度★☆☆
株式投資により生じた売却損は、売却益や配当金と相殺して損益通算したり、残った損失を翌年以降の利益と相殺できるように3年間繰り越すことができます。
しかし、そのためには自分自身で損益通算や損失繰り越しについて確定申告を行う必要がある点には十分注意してください。
特に源泉徴収ありの特定口座の場合、利益が出た場合確定申告が不要なため、損失が出た場合も証券会社が勝手に手続きしてくれると勘違いしている方もいます。
損益通算や損失繰り越しを怠ると、翌年以降の利益に課税されてしまい、余計な税金を支払う羽目になってしまいます。確定申告を忘れず行うようにしましょう。
Money Hack 5:配当金
配当金の確定申告は有利になる⁉ 難易度★★☆
上場企業から受け取る配当金は、所得税と住民税合わせて20.315%の税金が源泉徴収されています。このまま何もしなくても税金の支払いは完了しているので問題ありません。ただ、一般的には所得金額900万円以下であれば、あえて配当金を総合課税で確定申告した方が税金面で有利になるケースが多いです。
自身で、確定申告した場合としない場合とでシミュレーションをしてみてください。
なお、所得税については確定申告をした方が有利でも、住民税については確定申告をしない方が良いケースが一般的です。住民税を確定申告すると、住民税の税額そのものだけではなく、国民健康保険料などのアップにもつながるため、住民税は申告不要とすることを頭に入れておいてください。
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