開発・投資事業ともに復調が鮮明、物件成約額は下期に20%増か
現地コード | 銘柄名 |
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01109 |
華潤置地 (チャイナ・リソーシズ・ランド) |
株価 | 情報種類 |
31.65HKD |
株価 企業情報 チャート |
華潤置地の株価は新型コロナウイルスによる不動産投資事業の業績悪化懸念などから、相対的に低調に推移してきた。ただ、ショッピングモールの賃料収入は5月に前年同月比19.8%増と回復。また、不動産開発事業の成約伸び率も、6月に同11.6%増を記録した。BOCIは新型コロナによる建設作業への影響や粗利益率に関する想定値の引き下げを反映させる形で、20年、21年の予想EPS(1株当たり利益)をそれぞれ1.5%、2.7%減額修正。20年上期に関してはコアベースで小幅の減益となる可能性を指摘した。ただ、現在株価の低バリュエーションや通期の2桁成長見通し、財務の健全性などを理由に、株価の先行きに対して強気見通しを継続している。
20年12月通期の成約目標は前年実績比8%増の2,620億元。通期の分譲可能物件(5,122億元)の51%相当で、かなり控えめな水準となる。不動産情報のCRIC(克爾瑞)によれば、華潤置地の6月の成約額は前年同月比11.6%増と大手・中堅デベロッパーの中でトップクラスの伸び。20年上期の成約額は1,108億元で、通期目標の達成率は42.3%だった。BOCIは下期の成約額について前年同期比20%超の伸びを見込む。
一方、不動産投資部門ではショッピングモール賃貸業務の復調が鮮明。2-4月の前年実績割れから、6月には前年同月比19.8%増に転じた。テナントの小売売上高が26%増(うち13%は既存店売上高の増加分)を記録したことが背景。BOCIは1-5月の賃料収入が前年同期比で15%減った上、オフィス賃貸とホテル事業が相対的に低調である点を考慮し、20年通期の賃料収入について1桁台前半の伸びを予想している。
同社は20年1-5月に、好タイミングで土地の補充に動いた。同期の土地取得費用は権益換算で270億元と、成約額(522億元)の約52%に当たる適正水準。新規プロジェクト22件の大半を1月から3月半ばまでに取得し、土地市場が過熱に転じた4-5月の取得分は、50億元以下の8件だけにとどまった。
BOCIは20年、21年の粗利益率予想を34.9%(修正前35.3%)、33.6%(同34.3%)に下方修正した。これまでの成約分の粗利益率が業界平均並みの25-30%にとどまったため。永久債を含む純負債比率は19年末の36.2%から、20年6月末には約45%に上昇したとみられるものの、20年末には再び40%未満に落ち着く見通しという。
BOCIは粗利益率に関する想定値の引き下げを受け、1株当たり予想NAV(純資産価値)を45.77HKドルへ、1.7%引き下げた。半面、成約状況の加速と不動産セクターを取り巻くリスクの低減を理由に、目標株価の対NAVディスカウント率を5ポイント引き下げて15%に設定。結果的に目標株価を引き上げた。現在株価の20年予想PBR(株価純資産倍率)は1.1倍、対NAVディスカウント率は31%。BOCIは財務の健全さとは裏腹な低バリュエーションを指摘。同社株価の先行きに対して強気見通しを継続している。
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