金属3銘柄が上昇率上位

 先週は、金属の上昇が目立ちました。が+1.9%、が+1.1%、が+1.1%でした。上昇率自体は大きくはありませんが、金属がそろって上昇したことには、一定の意味があるとみられます。

 不安拡大時に上昇することがある金と、に追随する傾向があるがともに上昇したことと、日米の主要株価指数の下落が同時にみられたことから、“コロナ第2波”を警戒した悲観的なムードが、ジャンルを超えた幅広い市場に広がったと、考えられます。

 原油は先週までの上昇傾向から一転し▲3.2%の下落となりました。天然ガスも、米国国内の消費減少懸念が上値を重くする要因になったと、考えられます。

 全体的には、上昇銘柄数が10(前回は14)、下落銘柄数が13(前回は9)、最大と最小を除く変動率の平均は▲0.8%(前回は+0.1%)でした。6月19日(金)から6月26日(金)の週は、“おおむね弱かった”と言えると思います。

の今後の展望については、今週の週刊コモディティマーケット目標2,000ドル!?「金投資版・三密回避」で利益最大化を目指そう!​で述べています。

6月19日(金)から6月26日(金)までの週のジャンル別騰落率

注:楽天証券のマーケットスピードⅡのデータより楽天証券作成
注:ビットコインは楽天ウォレットのビットコイン価格を参照。日本時間の前々週土曜日午前6時と前週土曜日午前6時を比較
注:プラチナ、パラジウムは楽天証券のマーケットスピードCX内「海外市場」のデータを参照
注:騰落率は週足の終値をもとに算出(前週終値-前々週終値)

 

 

今週の見通し

 金と金に追随する傾向がある銀の上昇と、日米の主要株価指数の下落が同時に発生したことについて、“コロナ第2波”を警戒した悲観的なムードが広がったためと、書きました。

 ただ、“第2波”については、感染拡大が一巡した地域で、再度感染拡大が目立ち始めている地域についての話です。具体的には、米国南部や西部です。世界全体でみれば、まだ第1波の最中にあるため、一部の地域の第2波への懸念と、世界全体の第1波が続いていることは、分けて考える必要があると思います。

 また、例えば、米国では、11月の大統領選挙に向け、各党が集会を開き、その集会で感染者が出た、などの事例が報告されていますが、これはある意味、政治要因で感染者が増加したと言えます。ブラジルでの爆発的な感染拡大も、リーダーの方針が主な要因と言えそうです。

 感染拡大について、医療体制が整っている・いない、もともと密状態でコミュニケーションをとる文化がある・ない、など、さまざま要因が関わっているため、原因を絞ることは難しいですが、政治要因で感染者が増えているとなると、その国や地域のリーダーの方針が劇的に変わるか、リーダーが交代しない限り、感染拡大が続く、可能性があります。

 引き続き、国内問わず、感染者が増加している地域における、今後の感染者増加に注意が必要です。感染者拡大は、実体経済の回復を遅らせる懸念を強めます。このような懸念の強まりを、経済指標の好転が相殺できるかが、目先のポイントになると、考えられます。

 6月30日(火)は、日本の5月の鉱工業生産・速報値、中国の6月の製造業購買担当者景気指数(PMI)、英国の1-3月期四半期国内総生産(GDP、改定値)が公表されます。

 7月1日(水)は、中国(Caixin)、フランス、ドイツ、ユーロ圏、英国、米国の6月の製造業購買担当者景気指数(PMI、改定値)、米国の6月のADP雇用統計(前月比)、米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨の公表が、7月2日(木)は、米国の5月の貿易収支、6月の非農業部門雇用者数変化(前月比)、6月の失業率が公表されます。

 7月3日(金)は、中国(Caixin)、フランス、ドイツ、ユーロ圏、英国の6月のサービス部門購買担当者景気指数(PMI、改定値)が公表されます。また、6月30日(火)に、パウエル米連邦準備理事会議長、発言があります。

 景況感をデータで確認できる経済指標にも、注目です。

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