押し目買いをした場合はどうするか

 今回も、前回に引き続き株価急落局面でとるべき投資行動のポイントを説明します。今回は「買い」についてです。

 筆者もそうですが、ほとんどの個人投資家の方は、コロナ・ショックにより短期間でここまで株価が大きく下がるとは思っていなかったはずです。したがって、株価が高値から調整した局面、例えば高値から20%~30%株価が下落した局面で押し目買いをしたような方も多かったのではないでしょうか。

 ところが、今回の株価急落局面のように、押し目買いのつもりがさらに株価が下落してしまい、大変な目にあってしまうということも時には起こるのです。
したがって、押し目買いの場合でもさらなる株価下落に備え、損切りを必ず実行するようにしてください。損切りラインとしては直近安値割れや買値から10%下落などとしておけばよいでしょう。

株価下落途中の押し目買いは禁物

 大原則として、押し目買いであってもやはり株価下落途中の買いは控えるべきです。下落途中に「高値から30%下がったし、このあたりで買っておけばよいだろう」と安易に手を出すと、そこからさらに20%、30%とあっという間に値下がりしてしまうこともあるからです。

 今回の急落局面のように、「絶好の押し目買い」をしたつもりでも、さらに株価が大きく下押すこともあるのだということを忘れないようにしてください。

 押し目買いの際には、小さな反発でもよいので必ず株価の反発を確認してから買うようにしてください。例えば直近安値から5%反発したら買い、もしくは5日移動平均線を上抜けたら買い、というようにです。そして、繰り返しになりますが、さらなる下落に備えて損切りルールの設定と実行は必須です。

株価急落局面でのリバウンド狙いの買いタイミングは?

 株価が短期間に大きく下落した後はいわゆる「リバウンド狙い」の買いも妙味があります。しかし、これもタイミングを間違えるとあっという間に10%、20%の含み損を抱えることになってしまいます。

 筆者は、株価が大きく下落した後5%程度の反発、ないしは5日移動平均線超えを果たしたのを確認してからリバウンド狙いの買いに入り、かつ直近の安値を下回ったら損切り・撤退し、次のチャンスを待つという行動を繰り返します。これにより下値で買い仕込むことが可能です。
しかし、むやみやたらにリバウンド狙いの買いを入れても損切りの連続で損失が積み上がってしまっては元も子もありません。

 したがって、リバウンド狙いの買いは「株価が売られすぎである」というサインが出てから実行した方がよいでしょう。 例えば、日経平均株価の25日移動平均線からのマイナス10%乖離、信用評価損益率のマイナス20%割れ、騰落レシオの60%割れといったものです。

リバウンド狙いの買いは難易度が高くリスクも高い

 ただし、今回のコロナ・ショックのようにこうした「売られすぎ」サインが出てからも、さらに大きく株価が下落することもあります。損切りルールの設定と実行は忘れないようにしてください。

 リバウンド狙いは、あくまでも下降トレンド下での一時的な反発を狙うものですから、欲張らずにしっかり利食いすることも忘れないようにしましょう。

 リバウンド狙いは成功したときの利益率も高い反面、リスクも高いものです。買いのタイミングも非常にシビアです。自信がないという方や、底値で買えなくてよいからもっと安全に買いたい、という方は、株価が上昇トレンド入りしてから買ってもよいでしょう。例えば25日移動平均線が下向きから横ばい~やや上向きに変化し、かつ株価が25日移動平均線の上方にある状態になってから買う、といったようにです。