企業向け固定通信サービスに高成長期待、アリババ等との提携が強み

現地コード 銘柄名
00762

中国聯通(香港)

(チャイナ・ユニコム(ホンコン))

株価 情報種類

 4.38HKD
(6/19現在)

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    中国工業情報化部(MIIT)の統計によると、国内全体の企業向け固定通信サービス収入は4月に前年同月比33%増加し、ITインフラ需要の成長潜在力をうかがわせた。チャイナ・ユニコムはこの分野でシェア40%を握る上に、クラウドコンピューティング事業でアリババ集団(09988)、テンセント(00700)と提携しており、BOCIは企業のサービス需要を取り込む上で、最良のポジションにあるとの見方だ。同社はまた、IDC(インターネット・データセンター)事業で世界ランキング5位。現時点では従来型のワイヤレス事業と住宅固定通信事業の不振が株価の重石となっているものの、投資家の視線がその先にある成長性に向かえば、再評価もあり得るとみている。

    企業向け固定通信サービス市場における同社のシェアは40%。19年にはグループ全体のサービス収入(携帯、固定通信事業を含む)のうち19%を企業向け固定通信サービスが占めた。同サービス市場におけるシェア1位はチャイナ・テレコム(00728)で、19年に51%。2位がチャイナ・ユニコムで、3位のチャイナ・モバイル(00941)が9%。BOCIはこの3社の20年のシェアを49%、42%、9%と予測している。

    新インフラの建設強化という国家戦略や、新型コロナウイルスの流行に伴う予想外のIT需要の拡大を受け、国内全体の企業向け固定サービス収入は4月に前年同月比33%増の146億元に達した。けん引役は主に、通信キャリアが提供するIDC、専用線、クラウドコンピューティング、ビッグデータなどのサービス。BOCIは今後も企業向け固定サービス収入の高成長トレンドが続くとみる。短期的にはテレワークとオンライン教育の普及を受けたITシステムのアップグレード需要が最大のけん引役になると予想。さらに次世代通信規格5Gを適用したIoT、産業インターネット、AI、最先端コンピューティング技術などの進化が、一段の需要拡大につながるとみている。

    2年前に親会社が実施した「混合所有制改革」(民間資本の受け入れでガバナンスや収益性の改善を目指す国有企業改革)に伴い、同社はアリババ集団、テンセントという国内IT・ネット業界の“2強”と提携。クラウドおよびIDC業務を進化させてきた。このビジネス分野は成長性が高く、グループ全体の売り上げに貢献している。

    世界5位の座にある同社のIDC事業の売上高は、非通信分野のIDC事業者の約3倍の規模。それにもかかわらず、ユニコム・グループの株価は独立系IDC銘柄に対してディスカウント水準にある。BOCIはチャイナ・ユニコムの目標株価を据え置いた上で、株価の先行きに対して強気見通しを維持。IDCのような高成長事業が結実すれば、同社の価値が大きく上向くとみる。

    一方、BOCIはレーティング見直しにつながる可能性がある潜在リスク要因として、過度の価格競争、あるいは政府の規制が採算性に影響する可能性を挙げている。