投資銘柄はどう選ぶ?

 株式投資をしようとするとき、どんな銘柄(企業)を候補に選びますか。「有名な企業だから」「よく利用しているから」「株主優待がよさそうだから」「これから値上がりしそうだから」…さまざまな理由があるでしょう。

 候補に上げた銘柄が投資に値するかどうか、個人投資家の皆さんはどう判断しているのでしょうか。「直前の株価の動きで見る」「PER(株価収益率)で判断する」「企業の業績が伸びていたら投資する」「配当を見る」…などさまざまな判断軸があるでしょう。ただし、この中のうち、たった1つの材料だけで投資判断をすることは、リスクがあるように思えます。

 では、目をつけた銘柄に投資しようとするとき、最低限チェックすべき情報にはどんなものがあるでしょうか。

投資する銘柄のどんなところを見たらいい?

1:株価チャートをチェック

 株価が日々どんな動きをしてるか、気になる銘柄(企業)の株価チャートは必ずチェックしましょう。株価チャートは1日の動きだけでなく、月間、年間、10年間とさまざまな期間で見ると、その銘柄が上昇傾向にあるか、下落傾向にあるか分かります。

2:ニュースをチェック

「〇〇社が新薬の開発に成功した」「○○社の技術が火星研究に活用」「○○の製品がリコール対象に」など、注目してみると、新聞、テレビ、ネットなどのニュースには、さまざまな企業情報があふれています。

 全てをチェックするのは無理でも、気になるニュースだけピックアップして読むだけでも、情報は蓄積されていきます。

3:企業の決算情報をチェック

 上場している銘柄(企業)は、財務諸表などの有価証券報告書を公開し、経営状況を株主や投資家に開示しなければならないことが、証券取引法によって定められています。そのため、企業の多くは、ウェブサイトに過去の有価証券報告書がいつでも見られるように掲載されています。

 有価証券報告書は、企業がこれまで行ってきた事業結果の報告の役割を担い、重要な投資判断材料の一つとなります。

4:企業のIR情報をチェック

 法によって開示が定められた有価証券報告書に対して、企業が自主的に行う、IRと呼ばれる株主や投資家向けの広報活動があります。

 IRは、ウェブサイトはもちろん、企業CMや企業広告、投資家交流イベント、投資家向け広報誌など、その方法や手法は多岐にわたります。数字や文字だけの有価証券報告書のみならず、経営方針、将来の展望、社会貢献活動などといった企業情報を、IRという便利なツールで知ることができます。

 ウェブサイトをのぞいてみると、ある企業では事業拡大を誓う社長の熱いメッセージが動画で見られたり、また、ある企業では東京五輪パラリンピックのボランティア活動の予定が紹介されていたり、他の企業では100年後を見据えたグローバル展開の予定が語られていたりしています。中には、あまり一般には知られていない一部事業で、実はブルーオーシャンを開拓していたといった情報が得られる可能性もあります。なんだかワクワクしませんか。

 IRはつまり、企業の将来性を計る重要な判断材料という側面に加え、IRによって企業が目指すところに株主や投資家が共感し、合意を得る手段とも言えるのです。

 ぜひ、あなたが気になる企業のIRをチェックして、将来性を発掘してみませんか。