※このインタビューは2019年3月7日に実施し、2019年4月4日に初回掲載したものです。

 人気プロブロガー&投資家のタクスズキさんインタビュー中編をお送りします。今回はどんな視点でどんな投資商品を選んでいるか、さらにリスクに対する考え方について伺いました。

―――前編では2017年にソーシャルレンディングに出合い、投資を始めたとお伺いしました。次に始めたのがロボアドバイザーを使った資産運用ですね。これも「ほったらかし」投資だからですか。 

 本業のブログに集中したかったので、まったく手間をかけずにお金を増やせる投資はないかとリサーチしたところ、ロボアドバイザーが見つかったのです。ロボアドに関するセミナーに行って、これならほったらかしで投資ができると思いました。

―――ロボアドは投資スタイルに関するいくつかの質問に答えるだけで、投資スタイルに最適なポートフォリオを作成してくれます。これまでのお話からすると、投資スタイルは「堅実」ですか?

 ところがロボアドでは、ガンガンに攻める投資スタイルと診断されました(笑)。20代は(仕事で稼ぐことができるので)リスクを取れると投資本で学んでいたので、そのセオリー通りに答えていったら、リスク許容度は最大で、株式が多めに入ったポートフォリオになりました(笑)。

 2017年3月頃からロボアドを使った積み立てを始め、最初の投資資金は100万円で、最大で13%の含み益が出ていました。含み益は増えたり減ったりしていますが、ずっと長期投資で続けていくので、いちいち気にしていません。

 ロボアドの次に投資信託の積み立てを始めました。最初にバランス型(株式・債券・不動産などに分散投資する投信)を買ったのですが堅実すぎてあまり面白味を感じなかったので、株式のインデックスファンドに切り替えました。日経225、TOPIX(東証株価指数)、米国の株価指数、先進国、新興国…ブログのレビューがてらいろいろな銘柄を買いました。今は厳選して米国株、先進国株のインデックスだけを持っています。日本株のインデックスよりも成長する可能性が高いと思ったからです。 

―――ブログでは仮想通貨の話もされていますよね。

 2017年5月にビットコインを買いました。仮想通貨投資をやろうと思ったのではなくて、個人が疑似株式を発行して売買できる「VALU(バリュー)」投資にビットコイン必要だったのです。当時は全く盛り上がっていなくて50万円投資したところ、急に上がりだしてハマってしまいました(笑)。リップル、ネムなど国内で買えるものはほとんど買ったので、1,000万円くらいの投資になりました。一番値上がりした仮想通貨はALIS(アリス)で15万円投資して10倍まで上がり150万円になったのですが、まだ上がると思って、そこで利益確定しなかったのを今、後悔しています(笑)。ビットコインは50万円が300万円になったのですが利確していません。

―――堅実、ほったらかしと言いながら、だんだんハイリスクになっていく気がしています(笑)。次がいよいよFX(外国為替証拠金取引)。

 FXを始めたのは2018年3月ごろ。最初はなじみのあるドル/円を1万円買い、今は豪ドル/円やNZ(ニュージーランド)/円の通貨ペアも取引しています。一時はトルコリラ/円も買いました。トータルでは200万~300万円の投資です。

―――結構攻めていますね。

 ロスカットされないように、資金を多めに入れて、レバレッジは1か2、最大でも3倍(※2)に抑えています。取引は自分でせずに、円高か円安かという為替相場の方向だけ決めて、自動売買ツール(※3)を使って売買しています。今は主に豪ドル/円を売買していて、為替相場の変動でもうけつつ、スワップポイントという金利を受け取っています。

※2 レバレッジとは
 投資資金を膨らませること。10万円の投資資金に2倍のレバレッジをかけると20万円の取引ができる。FXでは最大25倍のレバレッジをかけることができる。レバレッジが高いほどリスクも高くなり、為替相場が予想とは逆に少し動いただけでロスカット(強制的な決済)される。ただロスカットが働くおかげで原則として元本以上の損失が出ることはない。スワップポイントは低金利の通貨を売り、高金利の通貨を買うことで受け取ることができる金利の差額。日本円に比べて豪ドル/円は高金利なので、豪ドル/円を買うとスワップポイントが受け取れる。

※3 自動売買とは
 指定したルールに従い自動でFX取引を行うツールを使った売買。一定の値幅ごとに売買を繰り返すリピート系注文などがあり、常に値動きを気にしたり、自分の裁量で判断を下したりする必要がない。

―――そうなんですね。個別銘柄を買う王道の株式投資はやっていないのですか?

 やりました。

―――えっ? 過去形ですか?

 2017年の9月10月ごろ、寿司ロボットメーカーである鈴茂器工(6405)を買いました。AI(人工知能)によって仕事がどう変わるかということに興味をもって情報収集をしているときに、ネットニュースで人手不足を解消する会社として紹介されていました。将来性があると思い100株を約20万円で買ったとたんに下がりだして、2カ月で売りました。

 損失は数千円でしたが、値下がりしているときは底がわからないから怖かった。この体験から得た教訓は個別銘柄をリサーチする暇がない素人が勝てるわけがない、投信のほうがいいというものでした。実はFXではチャートを見ながらデイトレをやってみたこともあったのですが、雑念が入って仕事に集中できなくなりました。

―――投資に関する情報はどのように得ているのですか。

 トウシルの「毎ヨミ!為替Walker」と、仮想通貨投資家の指針さんのツイートを見ています。あとはブログを書くためにリサーチするので自然に情報が集まります。

―――なるほど。後編では、現在のポートフォリオと、将来の目標についてお伺いします。

複雑でハイリスクな取引も含めて試した結果、やはり投資スタンスは「ほったらかし」。仕事に集中できる心の余裕を確保

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※このインタビューは2019年3月7日に実施し、2019年4月4日に初回掲載したものです。