過小評価が鮮明な有力技術サプライヤー、21年初めにIGBT第2ライン稼働へ
現地コード | 銘柄名 |
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03898 |
株洲中車時代電気 (CRRCタイムズ・エレクトリック) |
株価 | 情報種類 |
20.95HKD |
株価 企業情報 チャート |
中国を代表する産業技術サプライヤー、株洲中車時代電気の株価バリュエーションは現在、ヒストリカルな低水準にあるが、BOCIは現在の世界市況を考慮すれば、同社株価はプレミアム水準に値するとみている。同社のIGBT(絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ:電源電力の制御や供給を担う半導体素子の一種)生産ラインが、世界最先端の高電圧半導体動力製品を供給していることなどが背景。現在株価の20年予想PER(株価収益率)は8.1倍だが、これは世界金融危機当時(08年)と、中国で高速鉄道事故が発生した当時(11年)にのみ見られた底値水準であり、この先、再評価が進むとみる。目標株価を据え置き、株価の先行きに対して強気見通しを継続している。
BOCIによると、同社はこの先、汎用産業向けの主要部品サプライヤーに成長する見込み。主力の鉄道車両向けけん引システムの供給だけでなく、すでに電気自動車(EV)向け、送電網向けの主要部品製造を手掛けるが、今後はさらに広範な分野に応用範囲が広がる可能性が高い。既存事業の中で有望なのはEV(乗用車)向けの電力制御システムで、20年の供給量は前年比倍増の2万5,000台に上る見通し。平均販売価格を8,000元と想定した場合、20年の売上貢献は推定4億元。売上構成比としては2.4%にすぎないものの、成長率では他部門を大きく上回る見通しという。大口取引先は、安徽江淮汽車集団(上海600418)や中国第一汽車集団、重慶長安汽車(深セン000625)など。EV向けは鉄道車両向けより技術要件が低く、これまでに培った技術を応用しやすいという。
IGBTの第2生産ラインは現在建設中。新型コロナウイルスの影響で、稼働開始時期は21年初めにずれ込む見通しとなった。第2ラインは主にEV向けで、年産能力は電圧1,200V以下が計24万個となる。一方、14年に完成した第1生産ラインは8インチIGBT用で、この種のラインとしては国内初、世界では2番目だった。主に鉄道機関車や都市鉄道車両向けで、年産能力は12万個。稼働率は70%超の水準にある。
一方、中国の鉄道建設計画を一手に担う中国鉄路総公司(CRC)によれば、20年の鉄道投資計画は前年比2.5%増の8,200億元。BOCIは長距離鉄道関連の設備調達が前年並みにとどまる半面、都市鉄道向けは前年を上回るとみる。都市鉄道のけん引システム供給における同社シェアは60%超。BOCIは各種要因を考慮し、20年には売上高、純利益ともに前年を上回るとみている。
同社株価はピーク時のほぼ半額まで下げ、バリュエーションも低水準。現在株価の予想PERはヒストリカル平均を51%下回る。BOCIは同社の技術競争力を考慮し、プレミアムレベルのバリュエーションに値するとの見方。目標算出基準となる予想PERをヒストリカル平均並みに設定し、目標株価を据え置いた。レーティングの見直しにつながる潜在リスク要因として新規市場の開拓が進むまでに時間がかかる可能性を挙げた。
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